2014年5月31日土曜日

理社勉強会実施!6/15(日)























定期テスト対策の理社勉強会を実施します。
参加は無料です。

当塾では、自分で勉強できる教科は自分で勉強してもらうのが基本です。
塾なんか行かなくたって、自分ですべてできるというのが理想ですからね。
勉強は教えて貰うものではなく、自ら学ぶものです。

当塾では英語と数学を中心に授業をとってもらっている生徒が多く、ほとんどの生徒は自分の力で勉強してもらっています。
けれども、ほんのちょっとだけ理社勉強会で生徒たちのお手伝いをします。
塾生の人たちは是非、申し込んで下さい。

参加希望の生徒は、教室内のホワイトボードに名前を書いておいて下さい。
それぞれの生徒に合わせて、適切な課題をプリントにして用意しておきます。



2014年5月29日木曜日

学書「中土井氏セミナー」

学書主催のセミナーに行って参りました。
講師はおなじみの中土井鉄信氏で、「ここが違う!夏期講習で集客できる塾とできない塾。その違いを徹底伝授します!」というテーマでした。


「まずは生徒と信頼関係(ラポール)を築くことが大切だ」


そう中土井氏は話します。
これは、いちいちもっとものことですね。
信頼関係がなければ、生徒は言うことを聞いてくれません。

「塾の先生の言うことは信頼できる」
「塾の先生の言う通りに勉強はがんばった方がいいんだ」

こう思ってくれるから、勉強は捗るのですよね。
この信頼関係がなければ、生徒は真剣に授業を受けてくれませんし、宿題もやってきてくれません。そんな状態がずっと続くなら塾に通う意味なんてないですよね。


それにつけても、自己啓発セミナーを主催する方々などもそうですが、壇上で喋ることを仕事にされる方というのは何かに付け日本語で言いところをムダに横文字にするのですよね。ちょっとイカガワシイ雰囲気になります(笑
ちなみにラポールというのはフランス語を語源とするカウンセリングの用語なのだそうです。
閑話休題。


しゃべり口はいかにもの感じで、少しいかがわしさのある中土井氏ですが、塾の経営についてはプロフェッショナルです。
中土井氏いわく、

普通サービス業というのは、サービスを受けて快適な気持ちになってそれにたいして対価を払うもの

であるのに対し、

塾というのは、サービスを受けて不快な気持ちになることを前提にそれにたいして対価を払うもの

なのだそうです。
どういうことかというと、勉強方法にダメ出しをしたり、宿題をしろと注意されたり、そんなことを言われて気分が良い人なんていないと言うことです。
大人だって、他人から指示を受けたら、少なからず不快に感じるものです。
ですが、勉強方法を改めて、その上でしっかり勉強してもらわないことには塾の商売になりません。

だからこそ、信頼関係が大切なのです。
信頼関係があるからこそ、生徒はしっかり勉強してくれるのですよね。信頼関係があれば、生徒は授業中に私語をしたりしませんし、集中して話しを聞いてくれます。宿題はがんばろうと努力してくれます。
生徒の授業中の態度というのは、生徒の塾に対する気持ちがそのまま表れるのですよね。

中土井氏は、生徒を信頼を得るためのいくつかの手段を紹介してくれました。
上手に授業をすること、生徒面談、イベントの実施、生徒への接し方などなど。とても勉強になります。

もちろん、私が思うに生徒の信頼を得る一番重要なところは、教務だと思います。
だって、塾なのですから。

「学校の授業は分かりにくいけど、塾だと分かる」
「塾で受験の話しをきいて、進路をちゃんと考えれるようになった」

私は、いつもその言葉を言ってもらおうと授業をしています。そして、本当に言って貰えたときは内心で大喜びです。顔には出しませんけどね!(笑


もちろん、こうした話しは今回初めて聞いたわけではありません。
以前の中土井氏のセミナーでも、同様のことは何度も聞いたことはありますし、切り口はともかくこうした考え方は中土井氏オリジナルのものでもありません。
似たような話は、塾経営で真面目に勉強している者なら何度も聞いたことがあるはずです。

毎回、似たような話ではあるのですが、改めて聞くとまた強く意識しなければならないなと思うのです。
ついつい日々の業務に追われると初心を忘れてしまうものです。
多くの塾の経営のコンサルタントをし、多くの成功と失敗を目にしてきた中土井氏に学ぶことは大きいですね。
また次のセミナーにも、時間が許す限り出席させていただきたいと思います。


セミナーの終わりに、中土井氏が、

「ネットのブログで、セミナーで聞く価値があるのは中土井のと森塾のだけだと書いたblogがあった」

と言ってました。
ひょっとしたら、ウチのblogかもしれません(滝汗

「森塾は教務一辺倒で、中土井は教務以外重視だと書かれていたが、教務ができていなきゃいけないのは大前提だ。重視していないわけじゃない」

と言っておられました。
塾なのですから教務はできていることは、たしかに大前提ではありますよね。
(ただし、その大前提がちゃんとできていない塾は多いようですが。)

中土井氏のセミナーは、個別塾も一斉塾もまとめて相手にしているわけで、教務的なノウハウについて具体的にならないことは、ある意味仕方ないのですよね。当然、セミナーの内容は営業的な面が強くなります。
逆に森塾のセミナーは教材を売るための抱き合わせとしてのノウハウの売り込みなので、教務一辺倒になるのもある意味当然のことです。
また、その時のテーマを強調するために、大げさな表現になるのも分かります。

いずれにしても、中土井氏のセミナーは塾人にとっては有益なものです。
まだ参加したことのない同業者の方には一度、聞きに行ってみることをオススメします。

2014年5月27日火曜日

作文の練習

某中学の1年生の生徒から聞いた話です。

「学校から、作文の宿題が出た」

と、嬉しそうに話してくれました。
ふつう作文の宿題というと、生徒はだいたい嫌がるものなのですが、どうして嬉しそうなのかとよくよく聞いてみると、

「自分で物語を考えて書く」

というものでした。

自由度が高く、とても楽しそうな課題ですね。
出題者の配慮も行き届いています。あまり自由度が高すぎても書きにくいので、ということを説明し、

「できればお菓子をテーマに書いてください」

というような指示が出ていたそうです。

素晴らしい作文指導だと感動しました。
良い国語の先生なのでしょう。

作文というのは、本来自由なものです。楽しいものでもあってしかるべきだと思います。
けれども、従来の作文指導では生徒は作文が嫌いになるのは当然です。
特に、「読書感想文」です。
「感想文」なんて、何を書いたら良くわかりません。大人の私が考えてさえ、そうです。
「紹介文」であったり、「書評」であるなら、何を書くかは明示されているから書きやすいでしょう。しかし、感想と言われたとき「おもしろかった」「つまらなかった」以上の感想が必要でしょうか。
その結果、要領の良い生徒の中には感想文を拡大解釈して「紹介文」や「書評」、場合によっては「随筆」的な作品を書ける生徒もいます。けれども大半な生徒は、テンプレに当て嵌めて書くか、「~がおもしろかった」と繋がりのない文を積み重ねるだけです。はっきりいって苦行ですね。

こうした読書感想文に対して、今回の作文指導の良いところは、大きく2つあると思います。

① 生徒が興味を持って取り組みやすい課題であること

② 書くべき内容が明示されてるから、取り組みやすいこと

制限を課しながら、作文という行為の自由度の高さを生徒に分かって貰えます。

私は生徒に作文指導をするとき、次のことを気を付けるべきだと思っています。

1.生徒に作文を楽しく取り組んで貰う。

今度の中学校の先生からの課題がとても優れています。

2.読み手と、文を書くことの目的を意識してもらう。

小説文(物語)、随筆分、説明文など、それぞれ意図の違う文です。それを意識してもらえるような課題設定が必要です。
今度の課題も、自然と物語を書くという目的がはっきりしていますね。

3.表現技法や技術を伝えること

ただ生徒に自由に書いて良いというのは、生徒にとってはハードルが高すぎます。
上手な例を紹介するのが良いですよね。
そうすると、生徒は自然にそれを真似してくれます。

3については、きちんと確認したわけではないのですが、当然行っているでしょう。
作文というのは、大人になったときに当たり前にできる者とそうでない者がはっきり別れます。生徒たちにとってほんとうに良い訓練になると思います。
こういう作文指導というのは、それでテストの点数が上がるようなものではなく、学習塾ではなかなか取り組めません。学校で質の高い指導をしてくれるというのは頼もしいです。

2014年5月24日土曜日

英語長文問題集の選び方

先日、市販の英語長文問題集の比較レビューを掲載しました。
どれも良いテキストですが、その中からどれを選んだら良いのでしょうか。

もし、受験生の方がこのレビューを見て、

「結局どれが一番いいの?」

と思ったなら、答えは1つです。

「迷ったのは全部やりましょう」

長文の問題集なんて、結局のところ消耗品です。量をこなしてなんぼです。
特に「東進レベル別問題集」タイプの問題集などは、非常に良いテキストですが、掲載量が少ないです。何冊も消化すべきですね。

多少レベルが難しすぎたり、簡単すぎたりなどはあまり気にしなくても良いでしょう。
誰しも、文によって得意不得意もありますし、多少の違いは誤差です。

ですが、レビューしたなかで、敢えて選ぶとするなら、

・ 東進レベル別問題集
・ 河合塾やっておきたい英語長文

の2つがオススメでしょうか。
定番です。
レベル別になっていますので、自分のレベルからすれば少し易しめかなと思えるものから順に消化していくとよいと思います。

2014年5月22日木曜日

英語長文問題集レビュー

市販の英語長文のテキストを比較レビューします。
大学受験を一般入試で受ける子用です。

基礎情報 シリーズ
問題数
内容 付属物
東進ブックス
レベル別問題集
各972円
A5
各130~160ページ
レベル別
(6レベル)
×12題
問題設問
解答解説
文構造解説+全文訳
  ×2
別冊なし
CD付属
桐原書店
スピード英語長文
各1350円
A5
各150ページ程度
レベル別
(4レベル)
×7題
問題設問
解答解説
文構造解説+全文訳
  ×2
内容整理
センテンスリーディング
別冊なし
CD付属
桐原書店
英語長文
ハイパートレーニング
各1458~1512円
A5
各200~240ページ程度
レベル別
(3レベル)
×12題
(別冊)問題設問 つづき
解答解説
精読解説+文構造
  ×数ページべ
センテンスリーディング
別冊問題
CD付属
河合塾
やっておきたい英語長文
各957~987円
A5
各150ページ程度
レベル別
(4レベル)
300→29題
500→20題
700→15題
1000→10題
(別冊)問題設問
解答
解説(センテンスごと)
  ×数ページ
別冊問題
旺文社
集中マスター英語長文
各756円
A5
各70ページ~100ページ
レベル別
(3レベル)
×12題
300→16題
500→16題
700→14題
(別冊)問題設問
解答解説
全文訳+重要単語
別冊問題
旺文社
基礎英語長文精講
1080円
B6
288ページ
50題+α
姉妹本
基礎英文問題精講
問題設問
重要語句、解説、
  全文訳
  (数ページ)
類題演習
別冊解答
中経出版
世界一わかりやすい
英語長文の特別講座
A5
1404円
277ページ
24題
構文や文法など
の姉妹編
テーマ宣言
問題設問
解説+テクニック
  (数ページ)
解答
別冊なし
文英堂シグマベスト
長文読解アドバンテージ
A5
1296円
397ページ
21題 単語
文法+構文
問題設問
内容整理
文構造
解説
全文訳
別冊なし
学研
難関題突破
英語長文精選
1620円
A5
174ページ
15題 (別冊)問題設問
単語
解答解説
文構造解説
全訳
エッセイ
別冊問題
Z会(増進会)
速読英単語
1080円
ポケット版
300ページ
60題
上級編など姉妹編
本文+全訳
単語
(③別冊解説
別冊解説

私が現役の高校生の頃は、「解答解説が別冊になってる!便利!」と喜んだものです。
(普通の問題集は、解答解説が巻末にちょろっとだけなんてことが多かったですね)
けれども、昨今の問題集はもう至れりつくせりです。
むしろ、別冊がないタイプのものの方が至れり尽くせりだったりします。何も考えず前から順番に使えば、効率良く勉強できてしまうのです。
すごいですね。

その最たるものがこのあたりのものです。


① 東進ブックスレベル別問題集型



東進ブックス
レベル別問題集

桐原書店
スピード英語長文

桐原書店
英語長文ハイパートレーニング

東進の安河内哲也先生という方が作られています。
親切すぎるため、掲載問題数は少なめですが、こんなに手取足取りのテキストはありません。

まずスゴイのが、文構造の解説です。


















画像は東進のレベル別問題集のものですが、スピード英語長文やハイパートレーニングにも同様のページがあります。
これは分かりやすい。全文訳とならんでいるのもいいですね。

また、リスニング用のCDもついてますね。

桐原書店の2冊には、センテンスリーディング用のページがついているのも特徴です。
ハイパートレーニングについては、後述の河合塾やっておきたい英語長文型の要素もあって問題冊子が別冊になっています。


② 河合塾やっておきたい英語長文型



河合塾
やっておきたい英語長文

旺文社
集中マスター英語長文

これも良い問題集です。必要なものが一通りすべて揃っているのですよね。
問題冊子が別冊で、解説が分厚いのです。
奇をてらわず、なのにとても良い。むしろ余分なものはありません。


















解説もセンテンスごとに、本文をそのまま引用した上で解説してあるので読みやすいです。
問題数も東進型よりはずっと多いです。

③ 解答別冊型


旺文社
基礎英語長文精講

古いタイプといえば、良いものは良いですね。問題掲載量も多いですね。
良い文はそろっています。
このほか、

頻出英語長文
頻出やさしめ英語長文  

などもこのタイプの問題集では良かったですね。
これも手元にあったはずでしたが、生徒に貸したままになっていて回収していないので、レビューから外れました。
過去の出題大学が一覧でずらっと並んでいるのがテンションあがります。

④ 独自型

中経出版
世界一わかりやすい
英語長文の特別講座

実況中継型の参考書のテクニック解説と、長文の問題集をミックスしたようなテキストですね。
できる生徒にとっては、考えずに行えるテクニックでもきちんと伝えてあげないと分からない子も多いので貴重です。
「応用力が低く」かつ「文章を読んでテクニックを理解するのが苦手でない」タイプな子にはオススメです。




文英堂シグマベスト
長文読解アドバンテージ


















問題に挑戦する前に、「その問題に必要な語句や文法、構文の解説」をしてあるところが独自性が高いです。普通とは逆順ですね。
自然と問題ごとにテーマをもって演習できます
問題あとの解説や文構造チェックなどもあるゼイタクなテキスト構成です。
ただ、標準的な長文の対策とはいえませんので、最初にこのテキストで始めるべきではないですし、最後にすべきではありません。
しかしながら、実力を付けるという意味では非常に良い構成ですね。




学研
難関題突破英語長文精選

レベル高いですね。文のレベルだけでなく、ハイレベルの英作文なども多く設問の要求レベルも高いです。題名にいつわりなしで、難関大を目指す子には素晴らしいテキストです。
このレベルになると、長文が日本語に訳されていても難しいのです。ネイティブでもアホでは日本の難関大学の一般入試の英語は読めないという所以ですね。
いろいろな雑学的知識や思考力が問われます。


















このテキストの素晴らしいのは、問題ごとに関連ジャンルの「英語長文で出されそうなテーマ」で、日本語のエッセイが載っていることです。
英語力以外の、難関大英語を読む力を効率的に養うことができます。

難関大を目指さない生徒にはまったく勧められないテキストでもあります。



Z会(増進会)
速読英単語

いわずと知れた大ロングヒットの良著です。
問題はなく、長文を読む訓練をします。別冊に解説冊子がありますが、分からなくなったときだけ読めば良いですね。
私の学生時代に初版が出ましたが、とてもお世話になりました。

2014年5月15日木曜日

英語の指導のあり方

私が現役の中高生の頃と比べ、英語教育で重視されるものは大きく変わってきています。
大雑把にいって、次のような変化があります。


読まなくてはならない英文が長くなった
そしてその反面、易しくなった


構造が複雑な文を「正確に」読解する技能が必要でなくなった。
そしてその反面、短時間で長文の内容を「ざっくりと」掴む技能が必要になった。


比較的文法の問題が軽視されるようになった。
そしてその反面、コミュニケーションや会話表現・慣用表現が重視されるようになった。

易しく、長く、実用的にという変化です。
こうした変化はもっとずっと昔からあるようで、例えば戦前の東大入試には「英語」という科目はなくて「英文解釈」という科目がありました。(意外と易しい問題ばかりだったようですが)
いずれにせよ昔は、英文は「解釈」するものだったのですよね。

実のところ、これは良いことなのか悪いことなのかは分かりません。
英語でのコミュニケーションに必要な「実用英語」としての到達度をはかるという意味では昨今の方針の方が好ましいのですが、大学で研究者に必要な思考力を問うという意味では従来の方針の方が良かったでしょう。

良いことなのか、悪いことなのかはエライ人に考えてもらうこととして、私たち塾人はこうした傾向を念頭に入れた上で指導していかなければなりません。

以上をふまえて、当塾では大学受験生の英語指導はどのように行っているかというと、

 もっとも大切にするのは長文の読解

 それでも、一番最初に扱うのは英文法

 長文も英文法も、語法も構文も全部やる

 入試に近づくにつれ、長文の読解にウエイトを大きくしていく

です。
わりと、普通ですかね。

英文法が比較的重視されなくなったとはいえ、基礎はできていないと話になりません。

「大過去って何?」
「仮定法過去完了の理屈が分からないよ」

なんていうレベルでは、まともに勉強になりませんので、まずは英文法です。

とくにそのあたりの指導ノウハウは完璧ですので、生徒によって差はありますが、半年から1年くらい週1で授業に来て貰えれば、ほとんどの生徒に

「英文法は一通り分かる」

と、言ってもらえるようになります。
長文や構文の問題集を演習するにも必要最低限の文法が分からなければ、問題集や参考書の解説を読むこともできません。

これはちょっと愚痴になってしまいますが、近所の某公立の進学校ではコミュニケーションの授業ばかり行って文法や読解の授業は週1程度しか行っていないそうです。いくらなんでも偏りすぎです。
これは極端な例ですが、高校でコミュニケーション英語が重視されているのはどの高校でも大同小異で、高3生になっても文法の基礎がまったくできておらず、困ったあげくに塾にやってくるという事例が少なくありません。

特に、英文法というのは自学だけでは理解しずらいところがありますので、塾としては教え甲斐のあるところでもあります。
いかに分かりやすく教えるか、塾屋としてテクニックの見せ所です。
そして、英文法の基礎を一通りマスターしてもらったあとは、本人のがんばりに依存するところが大きくなるわけですが、生徒の学習レベルに応じて適切な課題を設定してあげることが大切になってきます。
入試までの期間から逆算し、何をいつまでにやってもらうかのプランニングが必要になるわけです。


2014年5月4日日曜日

数学IA「命題の真偽」の教え方

 オカマならば、だ。

× ならば、オカマだ。


上の命題は真で、下の命題は偽です。

高校数学では、1年生次に「集合論」「命題」について学びます。
数学のもっとも基礎となる部分ですね。

このあたりの単元というのは、数学が得意な生徒にとっては、難なくクリアできるところです。考え方の概念さえ理解すれば、ほとんど勉強しなくても満点とれてしまったりします。
私自身も高校生時代にはまったく苦労しなかった単元でした。
けれども、この単元は苦労する生徒はものすごく苦労するのですよね。

こうした単元を、生徒にスムースに理解して貰うのにはコツがあります。
ずばり、

日常的な言葉に噛み砕いて説明すること

です。
このあたりで苦労してしまう生徒というのは、そういう生徒は、数学を日常レベルに置き換えて考える思考ができないのです。
彼らは数学が得意な生徒には当たり前にできている思考方法ができていないので、そこのところを補ってあげます。

もちろん、日常的な言葉に置き換えて説明すると数学的な厳密性は損なわれてしまいます。
例えば、上の例も数学的に厳密ではありません。
そもそも、数学的に正確に真偽を判断できる問題ではないですから、命題とすら言えませんね。
でも良いのです。分かりやすく説明するためには、

数学的な正しさなんていらない

のです。
正確な理解なんていうのは、大雑把な理解のあとでだんだんと作っていけば良いのです。
まずは感覚的に理解することです。

だから、命題の真偽は例えば次のように教えます。

 厳しい条件 → ゆるい条件

× ゆるい条件 → 厳しい条件

また、

厳しい条件=あてはまるものが少ない
ゆるい条件=あてはまるものが多い

と言い換えることもできます。
ここまで説明すれば、ほとんどの生徒が命題の真偽を間違えずに解いてくれます。

もちろん、ここでいう厳しい条件というのは十分条件で、ゆるい条件というのが必要条件ですね。けれど、「必要条件」「十分条件」なんていう数学用語は後からでも良いのですよね。


高校数学では、数学的に正しい数式や説明を用いないことで分かりやすく説明できる単元というのは数多くあります。

例えば、数学Ⅲの部分積分などは、正確には次のような公式で説明されます。


(画像はwikipediaからいただきました。)

積の積分から導くと、自然とこの式を導くことができます。
けど、数学が苦手な生徒にとっては非常に扱いづらい公式ですね。
だから、もう次のように書いて説明しちゃいましょう。






書いてあることは同じなのですが、こう書き改めてあげるだけで生徒には伝わります。
置換積分なども、同じように工夫して書き改めてあげれば、伝わりやすいですよね。
この式で理解してもらったあとで、ちゃんとした式を説明してあげれば良いのです。


今日は数学の教え方のテクニックを少しだけ紹介させてもらいました。

2014年5月3日土曜日

長文の対策

ゴールデンウィーク特別特訓
英文読解

ゴールデンウィーク中に英語の長文の練習会を実施しています。

教材には教育開発出版の
「英語読解A」(中1レベル)
「英語読解B」(中2レベル)
「英語読解C」(中3レベル)
を利用しています。

受験レベルの質の良い長文教材は数多くあります。
特に好学出版の
英語長文の完成
などは、私のフェイバリットです。すばらしいテキストです。

けれども、中1レベルからの長文に特化した教材で良いものをというと、塾教材の中では教育開発出版の「英語読解」のシリーズが唯一の選択肢です。


今回の練習会では、生徒それぞれのレベルにあわせて、進めています。
中3の生徒でも、中1程度の力しかない生徒には中1レベルの「英語読解A」を利用します。

9月以降の受験対策講座では、そうした中1レベルの力しかない生徒でも、入試レベルの問題にどう取り組み、どう点数をとっていくかの訓練をしていきますので、中3生の生徒たちには覚悟をしてもらいます。
けれども、夏休みまでは小手先のテクニックよりも基礎力をしっかりつけてもらう方針です。


今回は演習をしてもらう前に、長文読解のコツを生徒の学習レベルに合わせて説明しています。
その説明に使ったプリントを一部紹介します。

実はこれ、開発中の「体系英語」の没原稿です。
テキストの趣旨からして、少し難易度が高すぎるということで没にしました。



まずは一番の基礎です。
長文を読む上で、重要なテクニックを紹介します。

1.脚注や日本語のヒントを読んで内容を予想する。
2.下線部を問う問題は、直前の文に注目して読む。
3.内容の正誤を問う問題などでは、キーワードになりそうな単語で本文を探す。

こういったテクニックは、成績上位層なら誰しも当たり前に行っていることです。
けれども、この当たり前のことが出来ていない生徒が大多数なのですよね。

塾ではこういった当たり前のテクニックをきちんと伝えていくべきです。




少しレベルが上がると、センテンスリーディング接続詞andのとらえ方を学んで貰います。

1.センテンスリーディングの区切り方のコツ

これを生徒に伝えることも大切です。
センテンスをどう区切るかは、読みやすく切れれば、どう切るかは基本的には読む人の自由です。ですが、読みやすく切るコツはやはりあるのです。
「句」や「節」という概念を十分にまだ持っていない中学生に、そこをどう伝えるかがポイントになってきます。

2.接続詞andのとらえ方

接続詞にはwhen, because, as, after, beforeと様々な種類の接続詞があります。
けれども、もっとも難しい接続詞は、実は「and」なのですよね。
「and」は名詞を繋いだり、述語だけを繋いだり、文全体を繋いだりと、いろいろな使われ方ができるのですよね。