2018年3月30日金曜日

高校卒業後の進路の統計

今年も愛知県の学校基本調査の結果が公表されてました。
全日制の高校への進学率が、90%を切るなど多少の変化はありましたが、おおむねは例年と代わりません。

ここで公表されている数字や、私立高校や公立高校の在学者数から類推して、中学生や高校生の卒業後の進路について説明しましょう。

まず、愛知県の場合は約90%の生徒が全日制の高校に進学します。
全国の場合は約92%なので、愛知県は若干低めです。トヨタを中心とした中京工業地帯の中心地で、低学歴での就職が有利な都道府県であることが影響しているかもしれません。

公立高校(全日制) 61%
私立高校(全日制) 29%

公立高校の方が多いですが、私立高校も3割近くになります。
地域差はあるようで、名古屋などは私立高校が多くなりますし、当塾のある西尾市などは交通の便が悪いせいで私立高校生は少なくなります。

定時制高校や通信制の高校もあります。
通信制の高校はそれ単体でも入学可能ではありますが、専修学校に入学し、専修学校と併用して通信制の高校の卒業を目指すというのが主流のようです。
ある程度、推測の入る数字ですが、

定時制高校(私公計・夜間中間計) 2%
専修学校+通信制高校 5%

くらいでしょう。
残り3%はその他です。病気療養、家事手伝い、引きこもりなどが考えられるでしょう。

さらにそれ高校などを卒業後以降ついては、

大学進学 52%
短大進学 5%
専門学校進学 18%
高卒後すぐ就職 19%
その他 6%

以上のような数字になります。
愛知県の統計数字と全国統計をかけ合わせて求めている部分などがあり、推測を含み誤差はあることでしょうが、大きくは外れていないと思われます。


大学の進学などは、どのような職業選択から逆算すると選びやすくなります。
例えば、

研究職・開発職などを目指す生徒は、理系の大学と大学院までの卒業が必要です。

弁護士・教師など、特別な専門職を目指す場合はそれにあった大学の卒業が必要です。

管理職・事務職・営業職などを目指す場合は、どの学部でもよいので、できるだけ難関の大学を卒業するのが有利です。

美容師・理容師などを一部の職業は専門学校の卒業が必要になります。

プログラミングなどの専門技能は身につけたいが、学歴が不要だという場合も目的にあった専門学校が好ましいでしょう。

工場のラインや介護職などは、高卒でも働けます。
特に愛知県で工場勤務を希望の場合、工業科高校などは企業の地域政策の一環で特別に求人がもらえる場合があるので有利です。


受験や進学は人生プランの問題です。
生徒本人はもちろん、保護者の方々にもいっしょに考えてもらいたいと思っています。塾や学校もできるだけのお手伝いはいたします。

2018年3月28日水曜日

大学受験案内

大学受験の情報などは、インターネットなどで手軽に集められるようになって久しいですが、生徒への進路指導の都合上、紙媒体での受験ガイドも必要です。


https://www.amazon.co.jp/大学受験案内2018年度用-晶文社学校案内編集部/dp/4794997981/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1522221849&sr=8-1&keywords=受験案内 大学 2018

毎年、3月頃に市販されている受検案内を、当塾でも毎年購入しています。

2015年までは、

学研版(河合塾)
晶文社版(代ゼミ)
東進版(東進衛星予備校)

の3種類が出版されていたようですが、学研版が廃盤になり、現在では、

晶文社版(河合塾&駿台予備校)
東進版(東進衛星予備校)

の2種類が市販されています。

晶文社版は、ほぼすべての大学を網羅しているところが特徴で、
東進版は、人気大学に絞っている代わりにフルカラーで図表で分かりやすく説明してくれているところが特徴です。

模試の偏差値などのボーダーは、年度ごとの上下などの要素も多いので、どのようなデータでも完全な予測は難しいでしょう。
センター試験はともかく個別試験については、出題がパターンが大学によって異なるわけですから、模試の偏差値なども目安でしかありまえんん。
ただし、もっとも広い受験者層を持つ模擬試験は当然河合塾になりますので、大学の偏差値情報などは最大手の河合塾にあわせて駿台予備校の情報でも補佐されている晶文社の方が信頼度が若干高いのではないかと思えます。

当塾でも、県内の大学を一覧で見ることのできる資料も自前で用意してもいますが、一覧でどんな大学や学部があるのか調べるのには良いのですが、詳しい情報という点ではおおいに不足があります。
この手の情報誌はどうしても必要です。

2018年3月21日水曜日

ノートの取り方

Q ( )に適する語句を書きなさい。
(1)  私はあなたの顔を見て驚きました。
I (          ) (          ) (          ) see your face.

という問題があったとします。
そのとき、生徒にノートをどのように取らせるべきかということを、だいぶ前のことですが、当時一緒に働いていた同僚と議論したことがあります。

議論のテーマは、おおよそ次のどちらが良いかということです。

① ノートに全文を書かせる
was surprised to see your face.
→ メリット
  多くの文を書くことで、練習になる
  多くの文を書くことで、ノートに書く訓練になり勉強のスピードが上がりやす
→ デメリット
  時間が掛かる
  答え合わせがしづらい。

② ノートに答えだけを書かせる
was surprised to 
→ メリット
  短い時間で演習できるので、より多くの問題に挑戦できる

③ テキストに直接記入させる
was surprised to 
→ メリット
  もっとも短い時間で演習できるので、より多くの問題に挑戦できる
→ デメリット
  繰り返しの演習ができない
  ノート指導ができない

実のところ、これらは一長一短でどれがベストという明確な正解はないように思えます。

書いて勉強をするという作業自体に十分になれていない小学生や中1生などの低学年は、できるだけ多くの文を書く訓練をした方が良いので、ノートに全文を書かせる指導をした方が上手くいくことが多いかもしれません。
逆にある程度力がある生徒、学年の上の生徒にとっては、時間のムダにしないため答えだけを書くよう指導するのが良いかもしれません。
また、テスト前の最後の確認テストなどではテキストに直接記入するのが効率的でしょう。
また、生徒のモチベーションの維持も大切なので、きちんと勉強できているなら無理強いせずに、ある程度は生徒のやりたいようにやらせるべきでしょう。
どう指導する場合も、指導の意図をきちんと生徒に伝えることも大切です。

大切なのは、次の2点です。

1.生徒に効率的な学習習慣を身に着けてもらうこと
2.生徒にどうすれば効率的な学習ができるか、自分で考えて勉強する習慣を見に付けてもらうこと

塾の授業の時間だけ、形だけ指導しても効果は薄いですよね。
生徒の様子を見て適切に指導していきたいものです。

2018年3月18日日曜日

これからの大学入試・高校入試

明日は愛知県の公立高校の合格発表です。
自己採点の段階でおよそ合格不合格が予想できている生徒が多いですが、微妙なラインの生徒はとくに不安も大きいでしょう。
年度によって、ボーダーの上下もありますので仕方がありません。

本年度も、高校入試や大学入試はこれで一段落ですが、入試の出題傾向などは年々少しずつ変わってきています。これは、中学や高校での教育のあり方自体の変化と捉えても良いかと思います。

具体的にどのような変化があり、これからどのような変化が予想されるでしょうか。
大学入試もセンター試験から新しい試験に代わる予定です。


英語の入試傾向の変化とこれから

英語は、ほかの教科と較べても全般的に難しくなってきていると思われます。
ゆとり教育の頃も他の教科と比べれば難易度の低下は少なかったですし、脱ゆとりが唱えられるようになってからはより難易度があがりました。
これからの教科書改訂の予定などを見ても、さらに難易度は上がっていく見込みです。

 ポイント1 
英語はどんどん難しくなっていっている

より具体的にいえば、入試問題の長文化がすすみ、語彙や語法の出題が増えています。
逆に減っているのが、複雑な文構造を持つ英文の解釈や、文法的な出題です。

 ポイント2 
英語は長文化が進み、語彙や語法の出題が増えている
複雑な英文解釈や、文法については優先されなくなっている

この傾向は公式にアナウンスされているとおり「実用英語」というキーワードで説明できるでしょう。
ここで言う実用英語というのは、ビジネスや日常生活で使う英語の技能を重視しようということです。「読む・書く・聴く・話す」の4技能を等しく評価しようという方針もその一環といえるでしょう。

日本が、日本語だけの経済圏では優位がとれず、国際社会の中で競争していかなければならない実情を考えると、妥当な方針のように思えます。
ただし、逆にこれまでより評価されにくくなった部分が存在するのも知っておくべきでしょう。
従来の古い受験方式の方が、学術的な理解や論理的な思考力を問うことはできていました。これまでの高校入試や大学入試における英語が、英語技能そのものよりも英語を通じて、受験生が論理的に物事を考え類推する技能を持っているかどうかを問うことができていましたが、最近の英語の入試ではもっと純粋に英語の技能のみを問う形式になってきているように思えます。
どちらが良いというわけではないのですが、ものごとの良い面にはかならず裏面があることは理解しておくべきです。


数学の入試傾向の変化とこれから

数学については、学生全体の低学力化が進んでいることもあり、出題はそれほど難しいものは出されにくくなっているように感じます。
ただし、難問が少なくなっている反面、計算量の多い「情報処理能力」が高いレベルで求められているように感じます。

 ポイント3 
数学は実用性重視になってきている

また、「資料の整理」の単元が高校入試や大学入試で出題が年々増え、今後の教科書改訂でもだいぶ補強される予定のようです。

資料の単元というのは、日常レベルの情報処理を数学に落とし込んだような内容で、もっとはっきり言ってしまえば、「こんなの数学というよりも、算数じゃん」というような内容です。
理解力の高い生徒にとっては、どうしてわざわざ単元を作ってまで勉強をする必要があるのか理解できないところでしょう。実際に生徒を指導していると、こうした単元に意外と苦労する生徒も多いのですけれども。

数学のこうした変化についても、英語が実用英語を重視されてきているのと同様に、子どもたちが実社会に出た時に役に立つ技能を身に着けさせようという意図が感じられます。
資料を分析して、類推し、そこから情報を引き出すという技能は、日本の会社社会で働いていく上で最低限必要なものとなるでしょう。

こうした変化の中で、切り捨てられてきているものはどこでしょうか。
例えば、数学では行列などは切り捨てられたままです。
難解な問題を解くための発想力や、学者や研究者を目指すための基礎技能といったものは二の次にされているように思えます。


全体的な入試傾向の変化とこれから

暗記系科目と言われている社会科科目でも、単純な知識よりも情報処理能力を重視する形になっているように思えます。
総じて、大学を卒業後、就業し働いていく上でより実用性が高い技能を身に着けさせようという基本的なコンセプトがあるようです。

これは、大学進学率の増加という社会構造の変化があると思われます。
私たちが大学受験をしたときの大学進学率は、20%から30%へ推移していた時期で、それ以前はもっとずっと低かったそうです。
そして今は、ずいぶん前に50%くらいまでに大学進学率が上がり、今は横ばいで安定しています

この変化を減ることで、以前は高卒で事務職など少なくなかったところが、現在では高卒での就業は工場での単純労働や、介護や物販の現場などといった単純労働が大半となり、事務職や専門職は大卒以上の学歴の者に専有される形になりました。

つまり、以前は大学というのは、研究職や高度な技能が求められる専門職、特別な立場を目指す者たちだけが進学する場所だったのが、
今では、後に普通の会社員になって事務や営業で働くであろう人たちが進む場所に変わっているのです。
つまり、日本の会社社会のなかで働いていく上で必要な勉強をさせるように変わってきて言うのだと思われます。

もう一つ、大きく変わっていることがあります。
それは、多様性の重視です。

以前の高校入試や大学入試は、一元的にしか受験生の能力を評価することができなかったという批判があり、より多様で、いろいろな種類の才能を拾い上げことができる形に入試制度が変化しようとしています。

たとえば、私たちの世代と比べると、推薦入試AO入試などの枠は圧倒的に増えています。
また、今回の大学入試改革の初期案では、もっと多様なタイプの入試制度が導入されるはずでした。結局のところは、だいぶ腰砕けになってしまい、センター試験をちょっと変えた程度のささいな修正になりそうではありますが。

 ポイント4 
入試制度は多様性のある才能を拾い上げる形に変化しようとし続けている

ただし、この多様性の重視というのは、大きな落とし穴があることを理解しておくべきでしょう。
受験というのは、一元的に評価するからこそ、競争が起こりやすいのです。
そして競争が学力の向上を生み出します。
裏道の存在は、生徒たちの競争心を失わせ、ひいては全体的な能力の低下に繋がります。

たとえば、推薦入試やAO入試の増加はすでに大学生の平均学力の低下を招いています。
そして、さらに大学入試の多様化が進むことを考えると、さらなる低学力化を招く可能性は高いでしょう。

 ポイント5 
低学力化は止まらない

競争の有無が、学力を大きく左右するのは間違いありません。
たとえば、愛知県の小学生の平均学力は、他の都道府県との比較したランキングでは常に最下位の沖縄県ほどではないにしろ、かなり下の方が定位置ですが、
愛知県の中学生の平均学力は毎年だいぶ上位の方に位置しています。
これは、愛知県は公立校志向が強く、中学受験の競争がゆるい県であり、逆に中高一環で進学する生徒が少ないせいや、全国でも珍しい2校受験ができる公立入試制度のせいで競争が起こりやすくなっているからでしょう。

また、低学力化が止まらない原因の1つには、これはとても良いことなのですが、日本の社会が以前よりもきちんと弱者救済ができるようになっているからというのもあるでしょう。
日本は先進国の中でも学歴による収入の格差は少なく、国民層中流意識と言われています。そうすると、どうしても競争が起こりにくくなってしまうのは仕方がないことでしょう。


さて。
つらつらと、現状の分析やこれからの予測を述べてきましたが、学習塾としては受験や教育の仕組みがどう変わろうと、その変化に合わせて、学習指導や受験指導をしていかなくてはなりません。
以上のような予測は私の勝手な推測で、塾屋さんの本分としては推測をもとに動くのではなく、変化が確実なものとして公表されてから、それに合わせて指導を変えていくのが間違いのないところではあるのです。
特に、大学入試制度改革がどうなるのか、だいぶ情報が入るようになってきたとは思うのですが、まだまだ目が離せません。

2018年3月9日金曜日

A日程出題予想&対策問題配布

公立高校入試もB日程の面接試験が終了し、残すはA日程のみとなりました。

当塾の塾生も、一部にはB日程のみの受験の生徒も若干名いますが、大半の生徒は両方の日程を受験します。

B日程の出題傾向を踏まえて、改めてA日程の出題の傾向を分析した対策プリントを受験生たちには明日配布します。

最後までがんばってもらいましょう。



2018年3月8日木曜日

春期 新入塾生募集

春期に新入塾生募集のキャンペーンします。
昨年度の春は、講師確保のめどが立たず実施できませんでしたが、今年の春はなんとか講師確保の目処もたちました。

キャンペーンの内容としては、春期講習の受講と同時に入塾の生徒は、詳しくは新聞折込のチラシを参照になりますが、大雑把には、

1.春期講習お試し受講3回 3000円
2.春期講習受講の新規生の入塾金の免除

になります。
入塾を検討されている生徒・保護者はお電話にてお問い合わせください。

2018年3月7日水曜日

大学受験案内 配布中!


さて、すっかりblogの更新はさぼっていますが、教室ではいろいろと活動しています。
新しい活動の1つとして、大学などの受験案内を新しく作り、配布しています。


わずか8ページに、

愛知・静岡・三重・岐阜の全国公立大学の各学部の
1.前期試験の配点と、合格ボーダーのセンター予想得点率
2.キャンパスの所在地

愛知県の全私立大学の各学部の
1.主な一般入試の配点と偏差値
2.主な推薦入試の配点
3.キャンパスの所在地

などを詰め込んできます。

既存の大学受験ガイドとくらべ、県内のすべての大学と学部について俯瞰できますので、志望校をこれから探そうという高校1-2年生や、将来を考える中学生にとって価値の高い資料になっていると思います。

狭い誌面に詰め込んでいますので、情報量に不足はあります。
この冊子で目安をつけてもらったあとは、より詳しく正確な情報については、大学のホームページや市販の時代学受験ガイドなどを見てもらうことになります。


大学入試も前期試験が終わり、明日は公立高校入試の初日です。
もう少し塾も忙しい日が続きそうです。