2022年3月26日土曜日

高校入試○×クイズ

 先日、春期講習の一環で、新中3生・新高1生向けのガイダンスを実施しました。


中3生には,高校受験を戦っていく上での必要な知識を学んで貰うガイダンスで「プレ受験対策講座・入試に向けての基礎知識 春」を行いました。

新高1生は,それぞれの高校に合わせて大学受験や就職に向けての「大学入試ガイダンス」です。大学入試は高3生になってから慌てるようでは手遅れです。


中3向けガイダンスの中で,覚えてもらった受験知識の確認に,筆記試験形式で○×クイズを問いてもらいました。

そのうちのいくつかをピックアップして紹介しましょう。

生徒たちには,資料を見ながら解くことができましたが,この記事ではノーヒントになりますので少し難しいかもしれません。


では,問題です。


1.「公立高校一般入試」では,「職業専門科高校」の方が「普通科」よりも筆記試験の配点が高い判定型になることが多い。○か☓か?


2.「公立高校一般入試」の入試問題は,定期テストの問題よりも難しいことが多い。○か☓か?


3.愛知県は他県よりも受験の競争が激しく,中3生の成績の向上が大きい。○か☓か?


4.愛知県では99%以上の生徒が全日制の高校に進学できる。○か☓か?


5.私立高校の「推薦入試」で合格してしまったら,公立高校は受験できない。○か☓か?


6.私立高校の「一般入試」よりも「推薦入試」の方がボーダーが上である。○か☓か?


7.高校は「学科」や「レベル」に関わらず,どこでも似たような指導が受けられる。○か☓か?

8.将来「パソコンを使った事務系」の仕事をしたいので,碧南高校の総合ビジネス科を選んだ。

9.将来「トヨタで車の設計」をしたいので,刈谷工業高校の自動車科を選んだ。○か☓か?


10.難関高校・難関大学を卒業して損はないので,将来は「現場で機械を使ってものづくり」をする仕事をしたいが,刈谷高校を選んだ。○か☓か?


11.2023年度の入試で,受験の日程が変更になることで,中学校の授業のペースは早くなると予想される。○か☓か?

12.私立高校に部活動を使って単願で入りたいが,SSS進学教室の受験対策講座は受けるべきだ。○か☓か?



答え合わせをします。

1.×

一般には普通科の方が筆記試験の配点が高く,職業専門科の配点が低い傾向にあります

ただし,例外はあります。例えば本年度入試までで西尾市の鶴城丘高校はⅢ型で筆記試験重視型でしたが,同レベルの碧南高校はⅠ型で均等型でした。どの型を選ぶかは高校ごとの判断ですので、まれにこのような逆転が起こることがあります。

新年度入試の判定型は4月頃に公表予定です。Ⅳ型やⅤ型が追加され,各高校がどのような選択をするのか注目しどころです。


2.○

入試問題は易しい問題から難しい問題まで,バランス良く出題されます。比較的基礎問題の出題が多い定期テストよりも入試問題の方が難しいといえるでしょう。

定期テストで9割の得点率の生徒は入試で8割,6割の生徒は4割といったくらいの得点率になるのが平均的ではないでしょうか。


3.○

愛知県の中3生の成績向上は他府県よりもだいぶ大きめです。毎年の学力調査などでもはっきりとした結果が出ています。愛知県は他府県と違い複合選抜を採用しています。複数の受験ができることで競争が起こり,その結果成績が向上するのだと思われます。


4.×

愛知県では全日制の高校に進学できる生徒は90%程度になります。

クラスで3-4人は進学できない計算ですね。進学できない生徒の大半は定時制高校や,専修学校高等課程に進学する生徒が多いです。専修学校高等課程に進学の場合は通信制の高校に入学して、高校卒業資格を取得しに行きます。全日制に限らない場合の高校進学率は98%程度になります。ただし高校は中退する生徒も年間2.1%くらいずつ出てしまいますので,定時制や通信制を含めても高校卒業資格を得ることができるのは90%ちょっとになると思われます。


5.○

愛知県の私立高校の推薦入試は「単願」を基本としています。逆に一般入試は「併願」になりますので,公立高校を志望する場合も「滑り止め」で私立高校の一般入試を受験するように中学校から進路指導を受けることになります。

一部の難関校を除いて,ほとんどの私立高校では一般入試(併願)であっても内申点だけで生徒の合格を確約してくれます。そのため筆記試験は形だけということになります。ただし,一部の成績がギリギリの生徒や、不登校などで内申点が足りないが実力があるというような生徒は中学校を通じて予め高校に話をつけておいた上で、筆記試験の結果を待った上で合否を決めます。


6.×

私立高校は「単願」である推薦入試の方が合格ボーダーが低くなります。

逆に公立高校の場合は推薦入試の方が合格ボーダーが高くなる傾向にあります。ただし推薦枠の関係で、公立高校普通科は一般入試と推薦入試のボーダーの差が大きいですが、職業専門科は小さくなります。

職業専門科を狙っている生徒は,推薦入試の出願もおすすめです。


7.×

中学校は公立であれば,だいたいどの中学に通っても同じよいうな指導を受けることができました。

高校は、学科や高校のレベルによって受けられる指導が大きく異なります

ただし、同じ県内の普通科で、レベルが同じ程度であればだいたい似たような指導を受けることができます。たとえば西尾市の西尾高校と、大府市の大府高校、名古屋の中村高校などはだいたい似たような指導が受けられると考えて間違いないでしょう。

わざわざ遠く普通科高校を受験しに行くメリットは低いでしょう。

公立高校と違い,私立高校は個性豊かですので検討している生徒は入学説明会や体験入学には必ず参加しましょう。


8.×

もともと商業科というのは,今ほど大学進学が一般的ではない時代に,事務のできる人材を促成栽培するために作られた学科です。

しかし,時代の変化に伴い、高卒での事務職の求人はおそろしい勢いで減っています。絶対に無理とまでは言えませんが。

工業科など他の職業専門科よりはマシなのでしょうが,商業系の学科を卒業しても卒業後の就職先は製造業で工場などが大半になってきます。愛知県がとりわけ製造業の求人が多い地域であることも影響しているでしょう。

事務職での就業を考える場合は、大学進学のできる普通科を選ぶのが無難でしょう。


9.×

車の設計は,専門職技術職の領分になりますので,大学の工業科に進学し、できれば大学院で修士資格を取得しなければ、仕事にするのは難しいでしょう。

現場における自動車の組み立てや、自動車の整備の仕事などは高校の自動車科から選びやすい仕事になります。


10.×

公立の普通科進学校は原則的に大学に進学するための勉強をするための学校です。将来、現場での仕事をしたいと考えている場合は、高校のレベルを落としても職業専門科を選ぶべきです。例えば、トヨタ自動車などの大企業では高卒相当で工場で働いてくれる人材を高校新卒から正社員採用を行っています。ですが大学卒業者が大企業の工員として働きたいと思った場合は、非正規雇用からのスタートが一般的でしょう。

高校はあくまでも途中経過に過ぎません。レベル的に格下の高校に入ったとしても、高校内での競争が始まりますので、高い学力が無駄になることはありません。

また高い学力と成績がある生徒で,現場の仕事をしたいと考えている生徒には、大企業が運営している企業内学園なども選択肢に入ってくるでしょう。


11.○

入試日程が3週間早くなりますので、中学校でも中3内容の大半は2学期までに修了させる必要があるでしょう。特に社会科などは,以前は中3の頭から行っていたのが現在は2学期からのスタートになっています。結果,公民はほぼ2学期の1学期間だけで修了することになるわけです。英語なども学習内容が増えています。生徒には大きな負担になるでしょう。


12.×

当塾に限らずなのでしょうが、受験対策の講座は一般入試の筆記試験で点数を上げるための対策を中心に行います。そのため、定期テストで点数を取り、内申点を上げることを一番に考えなければならない私立単願の生徒には向いておりません。

ただし、受験に関係なく将来のために学力をつけておきたいという意向であれば、私立単願を希望する生徒でも受講を申し込むことはできます。

2022年3月10日木曜日

B日程 筆記試験結果

B日程の筆記試験が終了しました。

先だって出題予想の記事を上げましたが、だいたいのところは予想通りでした。


特に、理科の出題では、大問2~5の大単元予想は「物理」「化学」「生物」「地学」すべて一番出題されやすいだろうと二重丸を付けた単元が出題されました。

細部でも、化学反応の質量と量の計算問題が出題されました。

国語や数学の出題構成もほぼ予想通りで、

国語は古文が予想通り出題され、歴史的仮名遣いの問題もピンポイントで出題されました。

数学では解の公式を使った計算や放物線と直線などの出題も的中です。グラフの問題も、少し亜種気味でしたが、面積を扱ったグラフで普段と同じコツで解くことができました。

英語の語形変化は、三単現が正答だったのは珍しいですね。関係代名詞は何らかの形で出ると予想していましたが、関係代名詞を使った形容詞節の中の語形変化でした。

仮定法など新文法内容が出題されなかったのは予想通りでしたが、比較表現や現在完了形が出るのではないかという予想は外してしまいました。

国語、数学、理科についてはかなり、大当たりで、英語はそこそこ、社会科だけ大外ししてしまった感じです。

生徒の自己採点報告をドキドキしながら待ちます。

いつもどおりの実力を出してくれていれば良いのですが。

2022年3月8日火曜日

公立高校A日程筆記試験の結果をふまえたB日程の予想

本日は公立高校一般入試A日程の筆記試験が終了しました。

明日の面接試験は、合否決定の計算には用いられませんので、よほど問題でも起こさないかぎり合否に影響はありません。


さて、A日程の入試問題ですが、例年通りの問題で、予想外の問題がまるでありませんでした。少しくらいは予想を裏切ってくるのではないかと予想しましたが、その予想が裏切られて予想通りの出題ばかりでした。(何そ言っているんだ……)


教科別で、B日程ではどのような問題が出そうか確認しましょう。


「国語」

大問1・大問3(現代文)

A日程は「論説文+物語文」の構成で出題されました。

B日程では「論説文+論説文」または「論説文+随筆文」で出題されるでしょう。


大問2(漢字)

例年通り、「読み+書き+その他」の3題構成で出題されました。

B日程でも同じ構成の出題になるでしょう。A日程ではその他の部分で大定番の四字熟語が出題されましたので、B日程では「慣用句」などが出題されやすいでしょう。

塾生でプリントを貰っている生徒は復習しておきましょう。


大問3(古典)

A日程では漢文の出題でした。B日程では日本の「古文」から物語や随筆の出題の可能性が高くなるでしょう。

「歴史的かなづかい」「古文単語」の確認をしておきたいですね。


「数学」

大問1

大問1は易しめの問題で昨年に引き続き10題での出題でした。

B日程でも踏襲されると思われます。おそらく10問中4-5題が計算問題になるでしょう。

A日程に引き続き、

は1題出題されるでしょう。その他は、A日程で出題されなかったタイプの問題が出題されやすくなります。

・文字式の利用(1-2年)

・等式の変形(2年)

・連立方程式(2年)

・解の公式(3年)

・分母の有理化を含む平方根の計算(3年)

あたりは特に出題されやすそうです。

塾生は「フォレスタステップ」のテキストの問題が大問1とほぼ一致していますので、自信のない生徒は復習しておきましょう。


大問2

様々なタイプの問題が出題されます。図形以外の小問集合7点分です。

A日程で出題されていない問題が出題されやすくなりますので、

・確率(2年)

・図形の証明(2-3年)

・放物線と直線(3年)

などは出題されやすいでしょう。

愛知県独自の出題問題であるグラフの作図については、

・面積とグラフ

・水そうとグラフ

が出題されやすいでしょうが、近年は配点が大きくなった反面でグラフ作図の出題ない年度も出てきていますので、出題がない場合も考えられます。

塾生は「公立高校完全演習」「公立高校完全演習SUMMER」のテキストで関連単元を復習しておくと良いでしょう。


大問3

例年通り、図形問題5題5点分です。

(1)は求角の問題です。

・錯角と同位角/平行四辺形の角

は出題されやすいでしょう。

(2)(3)はそれぞれA日程同様①②構成の難問になります。

塾生の生徒で(2)(3)まで取りに行きたい生徒は、「ss数学」で復習するのが良いでしょう。



「社会」

大問1・大問2(歴史)

例年通り、A日程では写真や図版・史料を用いて複数の時代にまたがる出題がされました。

B日程でも同様の出題になるでしょう。

特に、B日程ではA日程で出題されていない「歴史上の人物」「農村史・生活史」は出題されやすいでしょう。

塾生は対策プリントを確認しておきましょう。


大問3(日本地理)

日本地理は10年くらい前までは地域別の出題でしたが、例年の流れの通り全国にまたがる出題になりました。B日程でも同様の出題でしょう。

特に、「日本の工業」「地形図の読み取り・縮尺」などはA日程で出題されなかった分、狙われやすいでしょう。

塾生は対策プリントを確認しておきましょう。


大問4(世界地理)

日本地理は10年くらい前までは地域別の出題でしたが、例年の流れの通り全国にまたがる出題になりました。B日程でも同様の出題でしょう。

特に、「日本の工業」「地形図の読み取り・縮尺」などはA日程で出題されなかった分、狙われやすいでしょう。

塾生は対策プリントを確認しておきましょう。


大問5・6(公民)

A日程では歴史や地理によった融合問題で、資料を活用する出題でした。

B日程でも資料を活用する問題の出題が高いでしょう。「国会・内閣・裁判所」などの重要単元からの出題がまだありませんので、B日程では高い確率で出題されるでしょう。



「理科」

大問1・大問6(小問集合)

例年通りA日程では、物理化学生物地学から1題ずつ出題されました。

大問1と6は予測が難しいですが、大問6で計算などが必要な問題が出題される可能性が高いでしょう。


大問2~大問6

それぞれ物理・化学・地学・生物から1台ずつ出題されました。

B日程ではA日程で出題されなかった単元から出題されるでしょう。

 A日程で出題されたためもう出題されない

◎ 出題率60%

○ 出題率40%

 

物理

化学

生物

地学

1年

 圧力・光・音

 物質と状態変化

 生物の分類

 地層・火山・地震

2年

電気

 化学反応

 生物のつくり

  天気

3年

 運動とエネルギー

 イオン

 遺伝・生殖

 天体

特に,「圧力の計算」「光の反射や屈折・凸レンズ」「化学反応の質量と量」「天体の年周運動」などは出題されやすいでしょう。


「英語」

小問の出題のされ方まで例年どおりで、新しい問題はまるでありませんでした。

リスニング

同様の出題でしょう。

大問1(小問集合)

例年通りA日程では、物理化学生物地学から1題ずつ出題されました。

大問1と6は予測が難しいですが、大問6で計算などが必要な問題が出題される可能性が高いでしょう。


大問1(英作文)

例年通りですが、A日程は若干難しめの出題でした。

主語と述語の対応や、冠詞の有無に気をつけて作文しましょう。なるべく易しい表現を用いるのも正答のコツです。


大問2(会話文穴埋め長文)

例年通り出題されました。B日程でも踏襲されるでしょう。

語彙力で勝負ですが、文法問題が出題されることもあります。

塾生は対策プリントをチェックしておきましょう。


大問3(長文問題)

例年通り出題されました。B日程でも踏襲されるでしょう。最後の内容正誤の2点問題は解くのに時間を要するでしょう。

・語形変化の問題

A日程では動詞の過去分詞の規則変化が解答でした

B日程では「動詞の過去形不規則変化40%・ing形30%・比較変化10%」と予想します。

動詞の不規則変化に不安のある生徒は、塾生であればフォレスタの巻末、あるいは教科書の巻末を確認しておきましょう。


・並び替え英作文

前置詞を使った後置修飾がポイントとなる出題でした。

後置修飾以外の複文重文、特に「接続詞・動名詞や不定詞の名詞的用法」などからの出題の可能性が高いでしょう。


大問4(会話長文)

こちらも例年どおりの出題パターンでした。


英語は、教科書改定の影響がもっとも多い科目であり、新教科書には仮定法などの新しい文法事項が追加されています。

しかし、A日程の入試では新しい文法事項の出題はほぼありませんでした。B日程でも、新しい文法の出題はゼロまたは少しだけということになりそうです。

特に出題されやすい単元としては「進行形」「助動詞」「不定詞」「比較表現」「現在完了形」「関係代名詞」などでしょう。

またA日程に引き続き、文法的な難しさのある問題は少なめで、読解力や表現力を問う問題が多く出題されるでしょう。

2022年3月5日土曜日

公立高校入試

 月曜日から愛知県公立高校入試が始まります。


生徒たちには、愛知県の入試傾向に合わせた問題をしっかりと演習してもらってきています。

普段どおりの実力を発揮して欲しいものです。


A日程の入試問題は、


1.殆どの問題が今まで通りの受検傾向の問題が出題

2.その一方で、新しいタイプの問題もいくらか出題


と、予想します。

来年度のマークシート化のため問題傾向がいくらか変わらざるを得ないところがあります。

2023年でのショックを緩和するために、本年2022年もいくらか新しいタイプの問題を入れ込んでくるのではないでしょうか。


A日程筆記試験終了後、A日程の出題を踏まえたB日程の問題予想を行います。

2022年3月3日木曜日

卒業式と涙

 本日は公立の中学校は卒業式でした。

コロナ禍への配慮で、1-2年生は参加不可であるとか、リモートでの参加の学校も多く、また通常よりも時間の短縮での実施になった学校も多いようです。


それでも3年間通った学校には、生徒たちも思い入れは大きく、


「明日は絶対泣いちゃう!」


と、涙を流すつもりまんまんで卒業式に臨み、予定通り大泣きしてきてくれた生徒もいます。

塾に来てもらったときの目が赤くなっておりました。


別れの涙に限らず、人というものは怒り悲しみ喜び楽しみ、いずれの感情でもうちに溜め込んでおかずに、言葉や涙といって外に出す方が精神の健康に良いと言われています。

カタルシス(心の浄化作用)ですね。


中学生の多くは、まだ公立高校入試が残っています。

目を泣きはらしてきてくれた生徒も、夕方には切り替えて勉強をがんばってくれました。彼ら彼女らには全力を出して受検に臨んでもらいたいものです。