2026年10月28日水曜日

私立高校の合格ボーダーが上がる!(ところもありそう)

2027年度の高校入試では、私立高校の合格ボーダーが上がりそうだという噂が生徒保護者の間でも広まっています。

全面的ではないのですが、一部の高校については正しそうです。

なぜ、ボーダー が上がりそうなのかというと、いくつかの私立高校で2026年度で生徒を多くとりすぎてしまったからです。

具体的には、近くの高校でどれくらい定員が充足しているかを調べて見ました。


高校名

募集定員

1年生在籍者数

定員比

岡崎城西

524人

710人

135.5%

安城学園

533人

691人

129.6%

桜丘

507人

614人

121.1%

愛産大三河

430人

478人

111.2%

杜若

270人

435人

161.1%

光ヶ丘女子

310人

347人

111.9%

豊田大谷

229人

304人

132.8%

人間環境大附属岡崎

279人

235人

84.2%

星城

545人

456人

83.7%

豊川

500人

493人

98.6%


学校によって、だいぶ差がありますよね。

とくに、安城学園高校と岡崎城西高校は定員超過率がかなり大きくなっています。

これは、昨年度にいわゆる私学無償化が始まり、私立高校の人気が高まった影響が大きいでしょう。

逆に、環境大付属岡崎高校や星城高校は定員にかなり不足していますが、これは不人気だったというより、私学無償化を警戒しすぎて合格基準を厳しくしすぎて結果でしょう。

この結果を踏まえ、特に2026年度で超過して生徒を取りすぎてしまった学校ほど、2027年度からの合格基準が高くなると予想されます。


どういうことかというと、これは私立高校の運営予算の問題になります。

私立高校に国や県から支給される経常費補助金が、収容定員を上限に支給される仕組みになっているからです。

具体的には、愛知県からの補助金は生徒一人あたり37万円程度が私立高校に支給されています。(このほか、特別指導教員の配置や教育条件の改善などに対応する補助もあります。)

砕いて言うと、各私立高校は収容定員までは生徒をできるだけ多く入れた方が補助金が入ってきて利益になるけれども、収容定員を超えて生徒を入れても経費が増えても補助金が増えずに赤字要素になる、ということです。

また、ここでいう収容定員というのは年度ごとの募集定員ではなく、学年全体の定員になります。つまり、ある年度で生徒を多く入れすぎるとその後の3年間ずっと足をひっぱることになります。(※公表されている収容定員は、安城学園で1680人、岡崎城西で1620人になります。)


ここまでの説明で、

「え、なんで定員オーバーさせたり、定員を割ったりしてるの? 募集定員ちょうどの生徒を入学させれば良いじゃない」

と疑問に思うかもしれません。

実際、公立高校の場合は定員360の高校の場合、定員ちょうどの360人を入学させます。

けれども、私立高校の場合はぴったりの生徒数を取るのが非常に困難な事情が存在しています。

それは、愛知県における私立高校の位置づけ、私立高校入試の入試制度の実情にからんでくる話になります。


まず、愛知県のでは、公立高校と私立高校では合格者を決める手順が異なります。


・公立高校の推薦入試

面接や入学資料等で総合的に判断


・公立高校の一般入試

筆記試験の点数と評定値(内申点)の合計点で機械的に判定


・私立高校の推薦入試

学校ごとの独自の基準で合否判定


・公立高校の一般入試

学校ごとの独自の基準で合否判定


公立高校の場合、先に推薦入試で適当な人数を合格させ、一般入試で合計点の高い子から順番に定員になるまで順番に合格者を決めていけば良いだけです。

だから、合格者=入学者という等式がほぼ成り立ちますので、入学者が多すぎたり少なすぎたりという心配はほぼありません。1-2人の誤差が出ることは、事情によりありえるのですけれども。

対して、愛知県の私立高校は学校ごとの基準で合否を決めることができるわけですが、実情として公立高校の滑り止めとして併願で受験することが多くなっています。


1.一般入試しか行わず、原則筆記試験の結果のみを見て合否を決める高校

東海高校・滝高校の2校のみ


2.推薦入試は内申点を中心に合否を判定し、一般入試は内申点と筆記試験等を総合的に判断して合否を決める高校

愛知高校・名城高校・中京大中京高校・名古屋高校など一部の人気校

その他の高校の特進系クラス


3.推薦入試も一般入試も内申点中心に合否を判定する高校

ほとんどの高校


大別すると、私立高校の合格者選定は、以上のように一般入試でもほぼ内申点のみで合否を判定している学校が多くなっています。

もちろん、ほぼ全ての私立高校で筆記試験は行われていますが、半ば茶番になっているのです。(半ば茶番であっても、完全に茶番ではありませんし、実施の意義はあります。詳しくは後述)


愛知県は、大勢についていえば、公立高校が私立高校よりも人気の高い県になります。

そのため、私立高校の一般入試は多くの場合「滑り止めの併願」として受験されます。はじめから私立高校に入りたい場合は「単願の推薦入試」で受験するのが一般的なのです。

ですので、例えば募集定員が500人くらいの私立高校で、推薦入試で合格を決めている生徒がすでに250人くらいいたとしても、残りの250人の枠のために、公立を一次志望にする生徒が大挙して受験することになります。

具体的には、3000人から5000人もの生徒が受験します。そして、私立高校側としては、その生徒たちの大半に合格を出します。もちろん、全員が入学するわけではありません。その大半は公立高校に合格することので、入学金の手付分だけ支払って、だいたいが辞退します。その中で、公立高校に落ちてしまった生徒だけが私立高校に入学することになります。


この流れをスムーズに行うために、「合格確約」と呼ばれることが多い仕組みが各高校にあります。

主に内申点などによって、一定基準をクリアしている生徒に受験前に中学校側と、高校側の協議で合格を約束してもらうというものです。

私立高校の中でも学校によって差はあるようですが、一般入試の合格者の8割から9割以上は合格確約をもらった上で合格させているようです。


合格確約基準の例

推薦入試

 特進クラス 以下の条件をすべて満たすもの

  9科内申点35以上(内申点1がある場合は不可)(事前相談で-1)

  5科内申点20以上(事前相談で-1)

  欠席が10日以上ある生徒は要相談

  5科内申点学力奨学生制度あり

   5科内申23で入学金・授業料相当額を給付

   5科内心21で入学金・授業料の一定額相当額を給付

 普通クラス 以下の条件をすべて満たすもの

  9科内申点24以上(事前相談で-1)

  5科内申点13以上(内申点1がある場合は不可)(事前相談で-1)

  欠席が10日以上ある生徒は要相談

推薦入試

 普通クラス 以下の条件をすべて満たすもの

  9科内申点27以上(事前相談で-1)

  5科内申点15以上(内申点1がある場合は不可)(事前相談で-1)

  欠席が10日以上ある生徒は要相談

  ※ 筆記試験の結果次第で、特進クラスへのスライド合格あり

  5科内申点学力奨学生制度あり(特進クラスに進学の場合)

   5科内申24で入学金・授業料相当額を給付

   5科内心22で入学金・授業料の一定額相当額を給付


つまり、以上のような基準が高校側から中学校側に事前に通達されていて、中学校の進路指導では中学の先生がこの基準をもとに受験校を勧めてくれるわけです。

逆にいうと、生徒や保護者が受験したいといっても、担任の先生がノーを言う場合はだいたいの場合、合格確約基準を満たしていないということになります。

ただし、事前の相談で合格確約の基準を1つか2つ下げてもらえることがあります。部活動等の実績で下げてもらえる場合もあれば、中学校側に人柄を保証してもらうことで下げてもらうこともあります。

そのあたりの相談を「事前相談」といいます。

高校側からすると、

「毎年◯◯中学校さんには人柄の良い生徒を送り込んでもらい、お世話になっています。

今年からは、◯◯中学校さんの事前相談で-1する枠を去年までの3名までから5名までに増やさせてもらいますね」

というようにして、受験者数を調整したりもします。

だいたいの場合、この事前相談の締め切りは12月の中旬頃に設定されている場合が多いと思います。2学期の期末テスト後の保護者面談で、スムーズに受験校を決めることができれば、十分に間に合うスケジュールです。


ただし、合格確約基準を満たしていない場合は、絶対に不合格かというと、それも違います。事前に中学校の先生から、高校の先生に伝えてもらいます。

「うちのこの生徒は、合格確約基準を満たしていませんが、どうしても貴校を受験したいようです。筆記試験の結果を見てもらえませんか。」

あるいは、

「この生徒は健康上の都合で、授業の欠席が多かったため内申点が悪くなってしまいましたが、人柄に問題なく学力もある生徒です。筆記試験の結果を見てください。」

というように、事前に話を通しておいてもらいます。

私立高校側としても、学力だけ高くても人間性や家庭環境などに問題のある生徒を軽々に入学させたくはありません。事前に中学校を通して人柄を保証しておいてもらわなければ、合格確約基準をクリアしていない生徒の場合、いくら筆記試験で良い点数をとっても合格はかなり困難になるでしょう。


以上のように、私立高校の一般入試はいろいろと複雑な事情があるわけですが、一番重要なポイントは多くの私立高校が内申点を中心に合格確約基準を決定し、中学校側に連絡しているということです。


私立高校側の立場からすると、補助金や助成金の問題がありますから、できるだけ定員ぴったりの生徒数を確保したいということになります。

これまで、私立高校は長年の経験で、だいたいどれくらいに合格確約基準を設定すれば良いかが分かっていて、昨年度の実績をもとに微調整すれば問題ありませんでした。

それでどの高校も、募集定員よりちょっと少いくらいのベストな生徒数をキープできたのです。

しかし、2026年に私立無償化が始まり、私立高校の人気が上がりました。

各高校はそれを踏まえて、多かれ少なかれ合格確約の基準を上げたわけですが、私立無償化の影響を過大評価して基準を上げすぎた学校、過小評価して上げ足りなかった学校がでたわけです。

結果から見れば、星城高校などが基準を上げすぎていて、安城学園高校や岡崎城西高校が上げたりなかったということになるでしょう。


普通に考えれば、昨年の実績を踏まえて各高校は2027年度入試の合格基準は変えてくるでしょう。

ですが、これは近隣の別の私立高校の動向にも左右されます。

例えば、光ヶ丘高校や星城高校が多く生徒を集めれば、安城学園や岡崎城西高校の受験者を減るでしょうし、その逆もしかりでしょう。


さらに、私立高校の動向次第で、公立高校の入試にも影響があるでしょう。

2026年度の公立高校入試では、安城学園や岡崎城西高校が定員以上に大きく生徒を確保してしまったことで、割りを食ったのが公立の下位校です。

2026年度は、碧南、西尾東、西尾などの人気校がややボーダーを上げたのにも関わらず、一色高校、吉良高校、刈谷工科などが大きく定員割れを起こしました。これは、安城学園や岡崎城西高校などが想定以上に多くの生徒をもっていってしまった影響が大きいでしょう。

昨年度は定員割れをしたこれらの高校ですが、2027年度は安城学園や岡崎城西高校が入学者数を絞りすぎた場合には、逆に倍率が一気に上がってしまう可能性も有り得ます。ただ、これは私立高校側の対応次第なので、本当に読めません。


これらの状況を踏まえ、だいたい予測される動向は以下の通りでしょう。


1.2026年度生徒を入学させすぎた高校(安城学園・岡崎城西)などは、2027年度の合格確約基準を上げてくる。

2.まだあと数年は各高校の判断次第で、合格確約基準が大きく乱高下する。

3.2030年頃までには落ち着きを取り戻すが、私立無償化前よりは少し高い基準で安定する。

4.私立高校の動向次第で、公立高校(とくに下位校)の受験者数が乱高下する。公立高校でも中上位校への影響は少い。


今年2027年入試からもう数年は、私立高校志望者や、公立の下位校の志望者の進路指導が難しくなりそうです。

2026年8月23日日曜日

第3回愛知全県模試

西尾教室では、本日中3生を対象に愛知全県模試を実施します。

中1-2生は昨日土曜日に実施しました。


愛知全県模試は、教材開発を行っている学遊出版様が主催してくださっている模擬試験で、愛知県の公立高校入試に対応した模擬試験です。

問題が愛知県の公立高校入試の出題傾向に高精度で対応していること、

問題の質が極めて高いこと、

受験者が多く、特に公立高校の合否判定の信頼度が高いこと(私立は参考程度)

などにより、愛知県内の学習塾で圧倒的な支持を得ています。

当塾だけでなく、愛知県内のほとんどの学習塾で採用されています。

夏休みの第三回の申し込みはもう終わってしまいましたが、どの塾にも通ってない生徒も名古屋の本会場や自宅受験で一般受験することができます。

受験生にとっては受けないのはあり得ないってくらいに、鉄板の模試になりますので、受験していない生徒は検討してみてください。

2026年7月30日木曜日

塾説・怠人正機説


善人なほもつて往生をとぐ、いはんや悪人をや。


『歎異抄』第三条の有名な一節です。

浄土真宗の親鸞上人のお言葉で、

「善人でさえ往生できる。まして悪人はなおさらである」

という意味です。

一見すると「悪人のほうが善人より救われる」という逆説に見えます。ここでいう悪人は、単純な犯罪者や邪悪な人という意味ではありません。

自分の力や善行だけでは救われないと自覚し、阿弥陀仏の本願に身を任せる人を指しています。反対に「善人」は、自分の善行や修行によって救われようとする自力作善の人です。親鸞の考えでは、そうした善人も結局は阿弥陀仏の力によって救われますが、自分の無力さや煩悩を自覚している悪人のほうが、より直接的に他力本願へ向かいやすい、という論理です。

ただし、これはもちろん、

「悪事を働いたほうが得である」
「悪人であれば自動的に救われる」

という意味ではありません。むしろ「自分は善人だ」と思い込む自己正当化をひっくり返す、かなり鋭い人間観ですね。なお、この思想は一般に悪人正機説と呼ばれます。


これをもじって「塾説・怠人正機説」を唱えさせてもらいます。


勤人なほもつて成績を上ぐ。いはんや怠人をや。

(勤勉な人でさえ成績を上げられる。まして怠惰な人はなおさらである)


といったところでしょうか。

親鸞上人の教えのように、自分が怠惰だと自覚する方が良いというような、高尚な思想ではありません。

単に、塾として怠惰な人の成績は上げやすいというだけの話なのです。


さて、よく塾には「成績が上がらない」という生徒が多く連れてこられます。

今まで、他の塾に通って、毎日何時間も勉強させてもさっぱり成果がでない。評判の良い通信教育をやらせても、本人が真面目に取り組まない。

塾に連れてこられたそれらの生徒の保護者は、そんな風に説明します。

そんな生徒を眼の前に、やり手の塾屋さんは内心で思うのです。


「しめしめ、良いカモが来たな。

 この生徒は、成績が上げやすいぞ」


と。

そもそも、怠人である彼らはなぜ成績が上がらないのでしょうか。

多くの場合、その答えは簡単です。

彼らが、成績を上げたいと思ってないからなのです。

学校の教師や、保護者の方は「そんなことはない。勉強の大切さはくどいほどに伝えている」と言うかもしれません。けれど、断言します。伝わっていないと。


成績を上げるためには、順番があります。


① 成績を上げたいと思う

② 成績を上げるために勉強する

③ 成績が上がる


シンプルですが、この順番です。

無理やり勉強させられている生徒は、①を飛ばして②をやっているのです。これでは成績は上がりません。

成績は上げようと思ってから上がるものであって、上げようと思わなければ上がらないのです。


具体的に、成績を上げたいと思っていない子どもと、上げたいと思っている子どもの便用の様子の違いを少し説明します。

例えば、これらの生徒が夏休みの課題に取り組むとします。

仮に全20ページある数学のサマーテキストを一冊解き終えるという課題が、学校から出ていたとします。


[成績を上げたいと思っていない生徒の場合]

1.問題を解きます。20ページやり終えます。

2.全部まとめて、丸付けをします。

(終了)


[成績を上げたいと思っていない生徒の場合]

1.問題を解きます。1題ずつ解きます。

2.1題ずつ丸付けをします。

3.正解できなかった場合は、なぜ間違えたのかを考えます。

4.なぜ間違えたのか考えても分からなかったら、解説を見て理解します。

5.解説を見て理解できなかったら、学校の先生や塾の先生に聞けるように付箋紙を貼ります。

以上を繰り返します。


同じ宿題をするという行為で、要する時間も大差なかったとしても、その成果には大きな違いが生じます。

成績を上げたいと思っていない生徒に、勉強の効率の良いやり方を伝えても定着しません。

逆に、成績を上げたいと思っている生徒は、自分でも工夫して効率化しようとしますから、ちょっと伝えただけで一を聞いたら十を知ってくれます。


当教室では、成績が上がっている生徒が多いことを自慢しています。

愛知全県模試の成績表をネットで公開して自慢したいところです。個人情報の塊なので難しいのですが。

どうして多くの生徒の成績が上がるのかというのは、いくつか要因はあるのでしょう。教室では、生徒の成績を上げるために、


・生徒一人ひとりにあった指導プランを考える

・できるだけ分かりやすい教材を採用する

・優秀な講師を揃える

・指導の失敗を起こさないために、指導の段取りを守ることを徹底する


など、できる限りの方策をとってはいます。

けれども、これらの方策以上に大切なことは、生徒自身に「成績を上げたい」と思ってもらうことなのですよね。


じゃあ、どうやって生徒にそう思ってもらうのかって話になるわけですが、これはまた長くなるのでまた別の記事に譲ります。

ただ、怠人、勉強しない生徒がなぜ成績を上げようと思っていないかというと、成績を上げようと思う理由がないからなんですよね。逆に、勉強したくないと思う理由はたくさんあります。


怠人の持つ成績を上げようと思わない理由、勉強したくないと思う理由

・疲れる、たるい

・疲れた

・部活が忙しい

・ゲームがしたい

・youtubeを見たい

・いい成績をとっても、友だちに自慢できるくらいしか良いことがない

・将来のためと言われても実感がないから、ピンとこない


これらの心理は、当たり前のものだと思います。

いい成績をとれれば、友だちに自慢できるってのも怪しくなってきています。一~二世代前は、廊下にテストの成績表が張り出されて、成績下位者は恥をかいて、上位者は鼻高々だったものですが、それもなくなりました。

中高生の周りには、成績を上げようと思わなくなる理由、勉強したくないと思う理由にあふれています。

私たち塾屋や、それ以外の生徒の周辺にいる大人は「成績を上げたい」と生徒に思ってもらう理由を準備してあげなくちゃいけません。

それさえできれば、生徒の成績を上げることはさして難しくないのですよね。









2026年7月27日月曜日

大学受験の勉強は高1から

 先日、高3の夏休みあたりから、受験大学別の対策を初めていくよという記事を上げたところです。

ただ誤解しないでほしいのは、これは大学受験の勉強が、高3の夏休みからで開始ではないということなのです。

あくまでも、大学ごとの出題傾向に合わせた対策が夏休みからということで、受験のための対策はできるだけ早く、可能ならば高校受験が終わった中3の3月から初めていくべきなのです。

当たり前のことなのですが、

・ 勉強はわからなくなったことをどうにかする

よりも、

・ わからなくなるところを出さないようにする

方が勉強の効率はずっと良いのです。そのためには、勉強は予習が基本になります。


例えば、普通科進学校において、英文法の授業は、高1だけで一通りすべて修了します。高2からは、受験に向けて切り口を変えて、一度習った内容を学び直す形になります。1年生で英文法で分からないところを出さないようにきちんと学びさえできれば、2年生以降の勉強は非常にスムーズです。逆に2年生になってから文法を理解しようと思っても、2年生以降の文法学習は文法の理解が一通りできていることを前提としていて、一から体系的に学び直すには向いていないカリキュラムになります。長文に慣れたり、単語力を上げたり、語法を身に着けたりなどは、3年間を通して少しずつ力をつけていくものですが、少なくとも基礎となる英文法は一年生のうちに一通りマスターしておくべきです。これができていないと、後の学習効率は大きく落ちます。

数学についてもそうです。文系であれば高2の末までに、理系であっても高3のGWくらいまでには一通りの内容が修了します。

受験に向けた基礎学力については、高3の夏休みになって慌てても手遅れなのです。

大学別の対策を始めるのは、高3の夏休みからでもなんとか間に合いますが、その土台については1年生から積み上げておく必要があります。


また、生徒によってはそもそも一般入試ではなく、推薦入試で大学受験を考える生徒もいます。

特に、地域密着型の私立高校(当教室の地元ですと、安城学園高校など)の場合ですと、大学進学者は指定校推薦での進学がメインになります。

指定校推薦での進学の場合、もっとも重要なのが評定平均という指標です。これは、要するに通知表の平均点なのですが、通常大学の指定校推薦では「高1から、高3の1学期までの評定」を用います。

つまり、高3の夏休みではもう完全に手遅れです。高1の最初から、定期テストなどで成績をキープし続けることが必要なのです。

なお、より具体的にいうと、評定平均が「3.0」なければ、まともな大学の指定校推薦はまずもらえません。逆に言えば、私立高校の生徒であれば「3.0」以上あれば、ほぼ全員がそれなりの指定校推薦をもらえます。大学によっては、より基準が厳しいですが、「3.8」とか「4.0」を超えていれば、選びたいほうだいと言ってよいでしょう。

なお、公立高校の場合は私立高校ほどは指定校推薦の枠を持っていません。指定校推薦の枠を利用できるのはごく一部の生徒で、通常は公募推薦か、一般入試での受験を選びます。

つまりは、通っている高校によって、用いる受験方式も違ってきます。ですので、塾での指導方針もまた大きく変わってくるわけです。当教室に通塾している高校生には、それぞれどのような受験方式が有利に使えて、どういうところに力を入れて勉強するかを適切に指導するようにしています。

2026年7月24日金曜日

大学受験勉強は、志望校に合わせた対策をすると良い!

高校3年、受験生の多くはこの夏休みを「夏休まない」の方針で一生懸命勉強してくれています。
今日は、高3生のための、受験勉強の大切なポイントをお伝えする記事を書かせてもらいます。

高校3年生の生徒は、高校でも2年生までよりずっと多くの模擬試験を受験します。高2の頃までに受験していた模試と比べても、信頼性が高く、より質の高い模試を、高い頻度で受けることができるようになります。
模試の種類によりますが、多くの模試はA~Eで、合格予想を出してくれます。

A 合格予想80%~
B 合格予想60%~
C 合格予想40%~
D 合格予想20%~
E 合格予想~20%

だいたいこんな感じになっている場合が多いですね。
模試の結果が出るたびに生徒たちは一喜一憂するものです。

ただし、
「模試はE判定ばかりだったに、本番は合格した。」

逆に、
「模試ではいつもA判定だったのに、本番では落ちてしまった。」

というようなケースも少なくありません。
果たして、模試の結果はあてにならないものなのでしょうか。

結論から述べると、特に「全県模試(河合塾)」「駿台模試(駿台予備校)」などは質の高い模試で、考えられるもっとも当てになる模試であると断言できます。
けれども、模試の判定だけでは不十分なケースもあるのです。

合否判定を覆して、逆転合格、逆転不合格を引き起こす原因は何でしょうか。

もちろん、当日の本人の調子の良し悪しもあります。
得意問題が出たり苦手問題が出たりの、運不運もあるでしょう。

ですが、最大の要因は、「志望大学に合わせた適切な対策」が出来ているかどうかなのです。実際のところ、学習塾に通ってない生徒の多くがここが不十分です。

まず、大学は出題傾向がそれぞれ大きく違います。
特に、国公立大学は大学によって個性の強い問題を出すところが多くなっています。

たとえば、英語についてですと、
ほとんどの大学で、英語の長文は出題されますが、長文の難易度や長さ、制限時間には大きな違いがあります。
英作文の出題については、大学によってあったりなかったりです。出題方式も、自由英作文だったり、和文英訳だったり様々です。
英文解釈の学習が必要な大学もあれば、不必要な大学もあります。

共通テストの英語と、国公立2次試験のための勉強は大きく異なります。
共通テスト向けの対策は、共通しているので、各高校でもだいたいしっかりできているでしょう。
共通テストの配点が重い大学は、高校での対策でほぼ十分な場合もあるでしょう。

高校では多くの生徒に共通する、共通テストの対策は行いやすいです。
しかし、多くの理系大学や、文系でもレベルが高めの国公立大学は2次の個別試験の配点が高い大学が多くなっています。
個別試験の対策こそが合否を分けます。
高校からのサポートが不十分になりやすいのが、ここです。

また、私立大学については、どちらかというと標準的でクセのない出題をするところが多いですが、共通テストとは出題のされかたがまるで違います。
共通テストの対策を中心で行う高校で、高校まかせの勉強をして、失敗するケースは多くあります。

当塾の場合の、標準的な大学別の受験対策は、本格的にはだいたいこの高3の夏休みから始めます。学習状況によっては、もっと早く始めることもできますが、諸事情で夏休みくらいからが、やりやすいでしょう。
対策の内容はシンプルです。

1.志望校大学の赤本の演習(早すぎも、遅すぎもNG!)
大学や学部によって差はありますが、多くの場合6-7割の得点率が合格ラインになることが多くなっています。受験までに、それくらいの点数を取れる力がつけられそうかを、実際に問題を解いて様子を見ます。
きちんと勉強してもらえれば、夏休みから受験までに10%から15%くらいは得点率を上げられる場合が多いですね。
赤本の練習を夏休み移行にするのは、数学Ⅲなどの学習がほとんどの高校で1学期中などにおよそおわって、赤本の問題のほとんどが既習範囲になるからです。日本史、世界史、物理、化学などは、まだ終わっていないケースが多いですが、そこは目をつむります。志望校の選定を夏休みより遅くするのは非常にまずいです。十分な対策ができなくなります。
できるだけ夏休み中に、赤本を研究して一次志望の大学や、滑り止めで受験する二次志望以下の大学を決めます。

2.大学別の対策の開始
一次志望を含め、受験校がおよそ決まったら、大学別の演習を始めます。
旧帝大学、早慶など、一部の難関大学は、大学別の問題集が充実しています。赤本も解答解説が充実していて、とても使いやすくなっています。大学別の模擬試験の過去問を演習するのも良いでしょう。
けれども、駅弁レベルの国公立大学やほとんどの私立大学の赤本は、解説が不十分で、赤本を用いた勉強は公立が悪くなっています。赤本は普段学習するためのメインの教材とするのは不適切で、出題傾向の確認や、受験校選びに使うと割り切って利用した方が賢明です。
そして、出題傾向に合わせて、適切な解説の詳しい問題集を用いて練習しましょう。学校で購入する問題集も良いものが多くなってきていますが、どちらかというと掲載問題数が多い半面で解説が足りていないものが大半です。市販で様々なテキストが販売されていますので、志望校の出題傾向と生徒本人の学習状況にあったものを選びます。
ここでのテキストの選び方などは、プロである塾屋の腕の見せ所であります。主だった市販されているテキストの内容をおよそ把握しきっているので、状況に合わせた最適なテキストを選びます。
中には紛らわしいテキストもあります。例えば、旺文社から出版されている「標準問題精講」シリーズです。
このシリーズは内容は本当に素晴らしいのですが、まったくもって「標準」的ではありません。かなり難易度が高めで、旧帝以上を狙わない生徒には不適切です。このシリーズは、「標準」がもっとも難しくて、「基礎」「入門」と下に刻みます。




地元の西尾市の、二郎系ラーメン屋さんのまるぎん道場さんも、「並盛」がかなりの大盛りで常人には食べきることができません。こちらも下に刻んでいるので、フードファイターを自認するのでなければ「レディース」を選ぶべきでしょう。レディースサイズでも、ふつうのラーメン屋さんの基準でいえば、だいぶ多めになります。
閑話休題。要するに、テキストの中身は、タイトルだけでは分からないので、中身をきちんと見て判断しましょうということです。
ネットの口コミやレビューを見て、高い評価のテキストを選べば良いというものではありません。それぞれの参考書や問題集は、生徒の学習状況や進路志望に合わせて、適切な時期に使う必要があります。すべての生徒にとって、優れた問題集など一冊もありません。

リンク 食べログ まるぎん道場


「志望校を下げるのはいつでもできるから、なるべく高い目標を持とう」と指導する高校も多いようです。
これは、一面では正しい方針かもしれません。ですが、これは「受験校別に対策を個別に行わず、生徒全員を一律で指導する高校だから言えること」でもあります。
大学別の対策をするなら、夏休みには本当に受験する高校に絞っての対策を始めたいのです。

受験校の選び方には、国公立大学と私立大学でも差があります。
国公立大学は事実上、2/25の前期試験のワンチャンスです。(中期・後期はかなりの狭き門)
格上の大学に挑戦する場合は、浪人を覚悟するか、落ちた場合は私立の滑り止めで妥協することを考えておくべきでしょう。
私立大学については、格上であっても挑戦しやすいですね。私立大学は日程の許す範囲で複数の大学を受験できます。D判定くらいでしたら、挑戦していくのが定石になります。

2026年3月7日土曜日

勉強の時給は若いうちの方が高い

日本は学歴社会なので、学生時代にしっかり勉強をしておくと、大人になって収入面で有利になります。
このことは、世の中の大人の大半がなんとなく感じていることです。
具体的に、勉強の時給がどれくらいになるのか、はやりのAIに手伝ってもらって計算しました。

まず、生徒が大学に進学するか、高卒で働くかは、だいたいどの高校に進学するかで決まります。
愛知県では、高卒での就職の状況も良好で、特に大企業であれば高給を得ることができます。
ただ、平均でみると、大きな格差はあります。

高卒と大卒の就業率の差
就業者のうちの正規雇用で働ける人の割合
高卒正社員と大卒正社員の平均年収

これらを、ベネッセなどが出している統計から中学生の家庭学習時間の差から推定して、中学生の勉強の時給を計算しました。
また、同様の手法で、高校生や大学生の勉強の時給を計算しました。

中学生の勉強の時給 15万円/1時間
高校生の勉強の時給 8万円/1時間
大学生の勉強の時給 2~3万円/1時間

計算の結果は以上です。
もちろん、勉強というのはキャリアアップだけでなく、学んだことが人の精神を豊かにもしてくれるわけです。
もうこれは、勉強しないのは大損ですよね。

2026年3月6日金曜日

新高1生に勉強してほしいこと

 公立高校入試の合格発表はまだですが、本日は公立中学校の卒業式でした。

さて、これから高校に入学する新高1生、とくに普通科に進学する生徒にはこの時期にこそ勉強しておいてほしいことがあります。


1.国語「ことばのきまり(中学国文法)」

まず第一に、国文法です。

普通科高校生になると、古典の勉強が本格的にはじまり、古典文法について1年生のあいだに一通り学習します。

現代国語の国文法が中学3年間にきちんと習得できている生徒は良いのですが、それがうろ覚えの生徒は確実に苦労することになるでしょう。

特に、愛知県公立高校入試では国文法の出題は少ないため、受験対策などでも力を入れていません。復習しておくなら、今この時期です。


2.数学「証明等」

余裕がある生徒は、中2や中3で勉強する証明の記述の練習もお願いしたいです。

高校生になると、数学は定期テストも記述式が当たりまえになります。

これも、愛知県公立高校入試がマーク式になっているので、練習不足になっている生徒が多いでしょう。


3.理科「中1物理、中3物理」

高1の勉強でつまずきやすい教科で上位になるのが「物理」です。

とくに、中1と中3の物理を復習しておくと、高校物理に繋がりやすいですね。


いずれも、愛知県公立国校入試で効率よく点数をとろうと思うと、比較的後回しになりやすい単元です。

愛知県の公立高校入試は、他の都道府県の問題と比べ、良問が多く、公立高校入試に向けて勉強すると自然としっかりとした力がつくようになっています。けれども、マーク式などの都合でどうしても多少の偏りがあって、受験対策だけでは上記のような穴ができやすい部分もあります。

受験が終わったこの時期だからこそできる勉強をして、高校で良いスタートを切れるようにがんばってもらいたいものです。