ちょっと、受験対策、春期講習や新年度の準備などでお正月から忙しかったです。
毎年、公務員になりたいという生徒が何人かいます。
そういった生徒の指導用に作った案内の写しです。
以下、ワードからのコピペですので、フォントの太字とかが上手く反映されないと思います。
そのあたり体裁がととのっているPDFファイルは以下のリンクから。
PDFファイル
SSS進学教室に通う生徒のための
公務員になろう!
公務員試験受験基本マニュアル
「公務員は安定しているから、将来は公務員になりたい」という生徒、
「公務員はちゃんと休みもとれるし、お給料も良いから、うちの子の将来は公務員」という保護者
以上のような方々は数多くいると思います。
けれども、公務員になるために具体的に何をしたら良いか分からないという方がほとんどだと思います。
そんな生徒・保護者のための基本事項を押さえたマニュアルです。このマニュアルを読んで、本当に公務員を目指そうという生徒は、教室までご相談ください。
①
公務員は「公務員試験」に合格して公務員になれる
公務員になるには「公務員試験」になることが必須です。
公務員は人気が高く、競争率がとても高いです。しっかり勉強しないと、合格できません。
例えば、愛知県の県職員試験(平成25年)の場合は次のようになっています。
申込者数
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合格者
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大卒
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職員
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2348人
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326人
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警察職員
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508人
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33人
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高卒
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職員
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160人
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34人
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警察職員
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126人
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5人
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合格するのはとても難しいのが分かります。これでも、景気の回復で倍率はかなり下がっています。また景気が悪くなると、受験者が増え倍率は上がります。
②
公務員試験には「中学高校で勉強すること」+αが出題される
公務員試験には様々な試験区分があり、試験の内容には差があります。
けれども、共通して言えるのは中学や高校で勉強する「英数国理社」に追加して、読解力や思考力を問う問題が出題されます。とても独自性が強い問題で、きちんと試験対策をして勉強しなければ合格するのは難しいのです。
③
国家公務員・地方上級・市役所などさまざまな公務員がある
公務員と一言にいっても、様々な種類があります。大雑把に国の管轄で勤務するものを国家公務員、地方自治体に勤務するものを地方公務員といいます。以下は主な公務員です。
国家公務員
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国家一般職・国家総合職・警察官・その他
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地方公務員
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地方上級・市役所・消防・警察官・教員
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④
公務員の種類と試験
公務員の募集要項では、「大卒程度」の学力があれば実際に大学を卒業していなくても受験はできる場合があります。しかし、実際には一定の学歴がないと合格が難しいでしょう。
公務員の中でもっとも募集人員が多いのが「行政・事務」を行う職員です。ついで多いのが「警察・消防」です。以下は、学科試験の難易度は低めになりますが、身体技能面での難易度が難しくなります。
行政や事務を行う一般職員
難しい← →易しい
給与や昇進に有利← →給与や昇進に不利
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大卒レベル
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高卒レベル
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国家公務員
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国家総合職(Ⅰ種)
キャリア/官僚
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国家一般職(Ⅱ種)
ノンキャリア
/中堅幹部
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国家一般職(Ⅲ種)
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地方公務員
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地方上級
県職員
政令指定都市職員
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市役所(大卒)
市職員
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都道府県(高卒)
市役所(高卒)
市職員
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「行政」「事務」などのほかに、「土木」「機械」「化学」「社会福祉」などの専門職の求人が行われますが、募集人数は少なめです。
警察官
警察官採用試験は都道府県別の募集でⅠ類(大卒程度)・Ⅱ類(短大卒程度)・Ⅲ類(高卒程度)があり、一般の公務員と類似の試験が行われます。採用試験合格後に、警察学校に通い、警察学校を卒業してから配属が行われます。(警察学校に通っている間も給与が出ます)
身長・体重・視力などの身体条件をクリアしなければ、受験できません。
消防
消防士は自治体別(都道府県・市町村)の募集で、地方公務員になります。大卒程度の募集と、高卒程度の募集があり、一般の公務員と類似の試験が行われます。採用試験合格後に、消防学校に通い、消防学校を卒業してから配属が行われます。(消防学校に通っている間も給与が出ます)
警察官同様に、身体条件をクリアしなければ、受験できません。
教員(小学校・中学校・高校)
教員になるためには、教職課程のある大学(教育学部など)に進学し、教員免許を取得します。
愛知教育大学など教育学部のある大学のほか、名古屋大学などの大きな大学の場合は一般の学部でも教職課程を選択することができることがあります。
中学校高校の教員免許は教科別ですが、小学校は教科別ではありません。
そして、教員免許を取得した上で、教員採用試験を受験します。教員採用試験は都道府県別、私立か公立かによって試験内容が異なります。
公務員の中でも、特異性が高くなります。
⑤
公務員試験にはこんな問題が出る
1次試験
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2次試験
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愛知県職員大卒・行政Ⅰ
(地方上級)
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教養試験20点(50題)
専門試験40点(50題中40題選択)
論文試験20点
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論文試験10点
面接・討論30点
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愛知県職員高卒・事務
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教養試験50点(50題)
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作文試験20点
面接30点
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平成25年度の愛知県職員の募集要項からの抜粋です。自治体や試験の種類によって、多少の違いはありますが、どうようの試験が行われます。警察官・消防・教員の場合も、上述と同様な試験が行われます。(これに追加して、それぞれの専門的な試験がある場合があります。)
教養試験
教養試験の内容は「政治・経済・社会倫理・日本史・世界史・地理・文化芸術・国語・数学・物理・化学・生物・地学・文章理解(英文/現代文/古文)・判断推理・数的推理・資料解釈」などからまんべんなく出題されます。
出題内容は大卒相当の試験で「大学受験と同レベル」です。
高卒相当の試験で「高校受験+高校学習内容の基礎レベル」です。
いずれも比較的、社会科系の科目が多く、社会科が得意な生徒は有利に受験できるでしょう。
また特徴的なのが「判断推理・数的推理・資料解釈」からの出題です。これは数学的なパズルや、資料を読み解くタイプの問題で、受験者の考える力を問います。これは、高校入試や大学入試には見られず、多くの公務員試験に共通する特徴です。
判断推理の問題の出題例(市役所・国家一般職(高卒)レベル)
ある食堂の昼の定食は、肉料理、鳥料理、魚料理の3種類があり、主食はライス又はパン、汁物はみそ汁又はスープから選ぶことになっている。あるグループがこの食堂に入り、昼食をとった。このグループのメニューの選び方について、次のことが分かっているとき、確実に言えるのはどれか。
○ 肉料理を選んだ者は、全員、味噌汁を選んだ。
○ 鳥料理を選んだ者は、全員、スープを選んだ。
○ 魚料理を選んだ者は、全員、ライスを選んだ。
○ 味噌汁を選んだ者は、全員、ライスを選んだ。
1.肉料理を選んだ者のなかには、パンを選んだ者はいない。
2.鳥料理を選んだ者のなかには、ライスを選んだ者はいない。
3.鳥料理を選んだ者のなかには、パンを選んだ者はいない。
4.魚料理を選んだ者のなかには、味噌汁を選んだ者はいない。
5.魚料理を選んだ者のなかには、スープを選んだ者はいない。
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教養試験
地方上級の行政の専門試験では「憲法・行政法・民法・刑法・労働法・経済原論・経済政策・財政学・経済事情・政治学・行政学・社会政策・社会学・国際関係等」から出題。主に社会科分野である。
行政職以外の場合は、それぞれの専門分野からの出題になるので、社会科分野に限らない。
ただし、大卒レベルの場合は募集人数の大半が行政職となっている。
高卒レベルの場合は、募集人数の多い事務職の場合には専門試験は課されない場合が多いが、その他の場合には課される場合が多い。
⑥
高卒レベルの公務員試験は自分で勉強しよう!
高卒レベルの公務員試験は、大卒レベルよりも倍率は低いのである意味、受験は有利です。
ですが、絶対的な募集人数が少ないですので、高校では受験指導してもらえることはあまりありません。(大卒レベルでの受験は、大学で指導して貰える場合もあります。)
受験を希望する生徒は、学校の先生にも個別に相談して、自分の力で受験に備える必要があります。
また特に市町村などの小さな自治体では、年度によって募集人数が大きく異なる場合があります。
技術職の場合などは、特に希望する職種での募集がゼロということもありえます。
平成25年合格人数
大卒レベル
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高卒レベル
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事務行政
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技術職他
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警察
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消防
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事務
|
技術職他
|
警察
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消防
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愛知県
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188名
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138名
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33名
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-
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28名
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6名
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5名
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-
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岡崎市
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35名
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61名
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-
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12名
|
3名※
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4名
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-
|
10名
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西尾市
|
8名※
|
24名
|
-
|
4名
|
2名
|
1名
|
-
|
4名
|
※
それぞれ身体障害者枠1名含む
⑦
公務員試験のスタートは早い!
申込期限
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1次試験
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2次試験
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合格発表
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大卒レベル
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国家一般職
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4月中旬
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6月中旬
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7月中旬
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8月中旬
|
愛知県
|
5月下旬
|
6月下旬
|
7月下旬
|
8月下旬
|
|
岡崎市
|
6月中旬
|
7月下旬
|
8月下旬
|
9月中旬
|
|
高卒レベル
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国家一般職
|
7月上旬
|
9月上旬
|
10月中旬
|
11月中旬
|
愛知県
|
9月上旬
|
9月下旬
|
10月中旬
|
11月中旬
|
|
岡崎市
|
8月中旬
|
9月下旬
|
10月下旬
|
11月中旬
|
公務員試験は、難しい試験ほど早めに始まる傾向にあります。
高卒で公務員を目指す生徒は、3年生の9月にもう1次試験がありますので、大学受験の生徒よりも早く受験にむけた準備をする必要があります。
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