2013年1月9日水曜日

「答え」は見ても良い ということ

漢字の書き取りの苦手な生徒がいます。
小学校高学年の男の子です。
小学校で、漢字の書き取りの宿題が出されました。その宿題をやるために、塾に自習に来てくれました。
がんばってくれているなー、と見ていると、しばらくしてその生徒は、書き取りの問題集とにらめっこを始めて動かなくなりました。生徒の手元を見てみると、書き取りの問題集はいくつか解答が埋められていますが、半分以上が空白です。
話を聞いてみると、答えが分からないから答えを考えているということでした。

これは、私がだいぶ前に指導した生徒の事例です。
別の事例もあります。

こちらは小学校高学年の女の子で、中学受験を目指す生徒です。
はじめて授業をした生徒なのですが、問題を解いてもらっていて、その生徒が解けない問題がありました。それで、その子は机の引き出しからこっそり模範解答を覗き見ました。そして、私が見ているのに気付くと、すぐに解答を隠しました。答えを見ていたのがバレたら、怒られると思ったそうです。

どちらの子も考え違いをしていますね。
答えはしっかり見るものです。
勉強というのは、正しい勉強方法で行うことが大切なのですが、正しい勉強方法が身についていないとこうなります。
彼らはそれまで「答えは見てはいけません」と指導されいて、それを忠実に守っているのです。良い子たちではあるのですが、間違った勉強方法が身についてしまっています。
答えを見てはいけないというのは、模範解答を丸写しにしてはいけないという意味で、本当の意味で見てはいけないわけではありません。むしろ「答え」は上手に見ることが大切です。


私は、勉強を大雑把に次のような流れで考えています。

① 基礎を覚える
 ↓
② 基礎の確認
 ↓
③ 応用の演習

漢字の書き取りの男子生徒は、①~②の流れがうまくできていない事例で、中学受験の女の子は③ができていない事例です。

特に、漢字の書き取りなどは覚えていない漢字をどんなに考えたところで分かるはずがありません。そもそも覚えてないのですから。
正しい漢字の勉強方法としては、まず答えを見て丸つけをして、分からなかったところや間違えたところをノートに練習をして、その上で改めて問題に再挑戦するという流れでしょう。
基礎の勉強では、演習の前に基礎知識を理解し覚える作業が必要です。当たり前のことなのですが、これができてない生徒は多いです。いきなり問題をやって解けるはずがありません。
逆に、応用の勉強では考える力を養うために先に覚える作業などは不要です。基礎はしっかり身につけておくことは大前提ですが、いきなり演習に入ってしまって問題ないでしょう。逆に応用の問題で大切になってくるのは、演習後の解けなかった問題の検討です。応用の問題演習で解けない問題が出てくるのは当然のことです。模範解答を読んできちんと理解すること、それでも分からないところは学校なり塾の先生なりに聞いてきちんと理解できるようにすることが大切です。

きちんとした勉強方法が身についていないと、勉強していても楽しくありません。
勉強するモチベーションがどんどん下がってしまします。
逆に正しい勉強方法が身につくと、勉強することで勉強したが身につくことが生徒自身にも感じられて勉強が楽しくなります。結果、勉強の効率も勉強時間も自主的にとれるようになって好循環に入ります。

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