「塾と教育」という学習塾の経営情報を取り扱う雑誌を購読させていただいています。特に毎回トップ記事には、塾の経営や教育に関する興味深い記事を掲載してもらえることが多く、いつも楽しみに読ませていただいています。
今月の「塾と教育」の掲載記事が、とても興味深いものでしたので紹介させてもらいます。
2007年より、文科省が実施している「全国学力学習状況調査」についての分析記事です。
塾と教育HP:
http://www.juku-kyoiku.com/
文科省全国学力学習状況調査:
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gakuryoku-chousa/sonota/1419141_00007.htm
①「平日勉強時間と正答率」「休日勉強時間と正答率」よりの方が相関が強い。
当然なのかもしれませんが、子供の勉強時間が長い方が正答率が高くなる傾向になるようです。それも、平日よりも休日勉強時間の方が、成績に大きな結果を及ぼしているようです。
休日勉強時間4時間以上(生徒数5.5%)→正答率62.1%
休日全く勉強しない(生徒数15.2%)→正答率42.2%
②予習形式で通塾している生徒の方が正答率が高い
学習塾には、
1.学校でわからなかったところ学ぶ補習中心の塾
2.学校の予習を行う予習中心の進学塾
の大きく二種類があります。
昭和の頃には、前者の形式の学習塾が多かったそうですが、現在は後者が大半になってます。
当塾もご多分に漏れず、予習型の学習塾になります。
予習型の学習塾に通っている生徒の方が圧倒的に正答率が高いのですが、これは因果関係が逆で成績が悪い子が補習型の教室を選ぶという要因もあるかもしれません。
ただ、勉強の苦手な子は学校外での学習時間が短くなる傾向があります。そういう子ほど、学習塾では予習型で学校の勉強を学校より易しく予習することで、学校の授業が分かる状況を作ることがより大切になるでしょう。当教室や多くの学習塾はそうした思想のもとに予習型の指導を選んでいます。
予習型→正答率59.8%
補習型→正答率41.5%
③予習・補習両方やってる学習塾への通塾率が減っている
現在、生徒の学習塾への通塾状況は、「予習型」「補習型」の教室どちらも、2013年から2025年までの統計では通塾率は横ばいで変化がないようです。しかし「予習+補習型」の両方行っている学習塾の生徒数は、2021年の30%というピーク時からだいぶ数字を落として22%程度まで落ち込んでいます。明確なポリシーを持って指導している塾が生き残って、中途半端なことをしている教室が淘汰されていっているのかもしれません。
2025予習型 20%程度
2025補習型 10%程度
2025予習+補習型 22%程度
2025非予習+非補習 5%程度
④ICT教材の活用時間と正答率は逆相関
ICTというのは、Information and Communication Technologyのことです。
つまり、ICT教材というのはスマートフォンやタブレットを使った教材のことです。当塾にも、ICT教材を塾として導入しないかとたびたび教材制作会社の営業の方がお見えになります。これから技術が大きく進歩すれば話は別ですが、当塾では現在の状況ではICT教材を利用する予定は全くありません。
というのも、ICT教材を利用しても、生徒の学力を上げられるイメージがまったくわかないからです。今回の統計はそれを数字として裏付けてくれました。
とはいえ、一番正答率が高いのは「30分未満」の生徒でしたが、全く使っていない生徒の生徒の正答率も低くなっていました。中学などから、ICTを利用するように言われているにもかかわらず全くやらないような子は論外ということでしょうか。
現時点では、ICT教材は学校や学習塾でがっつり勉強するのに利用するには力不足でしょう。その結果がこの逆相関でしょう。ですが、現時点でも電車での移動時間やちょっとした待ち時間での学習に利用しやすいなどの、良いところもあります。
今後、ICT教材の技術が進歩して有用性が高まることを期待しましょう。その時にはぜひ、当教室でも採用したいものです。
平日ICT教材利用3時間以上(生徒数2.7%)→正答率42.4%
平日ICT教材利用2時間以上(生徒数3.2%)→正答率46.7%
平日ICT教材利用1時間以上(生徒数7.9%)→正答率50.2%
平日ICT教材利用30分以上(生徒数18.!%)→正答率53.7%
平日ICT教材利用30分未満(生徒数36.0%)→正答率55.4%
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