2016年5月6日金曜日

個別指導学習塾の開校 FC本部の選び方 4/5

FCの加盟には多額の費用が掛かります。

SSS進学教室は、他のFC本部と比べるとかなり費用は安く抑えられています。しかし、それでもかなり高額になります。
ある程度の元手がないと開業することは

加盟金や開校時にかかる費用を比較してみましょう。
SSS進学教室と、大手2社、それから近年知人が独立する新興のパソコンを利用した学習塾FC本部を比較してみます。

S陰は正確にはFC本部としての業務を行うという形ではないですので、FC展開と暖簾わけの中間的な業態のようですので正確な比較にはなりません。



加盟金等教室備品外装・看板広告宣伝費その他物件取得費総額
SSS進学教室50万円96万円40万円42万円10万円約80万円318万円
M光義塾300万円350万円120万円250万円
200万円1220万円
I個別指導学院300万円※122万円250万円60万円20万円160万円912万円
S陰塾400万円実費実費実費
約80万円約600万円

※ SSS進学教室は、Bプランの場合で費用を計算してあります。Bプランは業界経験者向けのプランで本部のサポートが最低限ですが、コストは低く抑えられています。それ以外のプランの場合、費用は高くなりますが、経営が安定するまで本部からの手厚いサポートが入ります。
※ I個別指導学院の加盟金は生徒数に応じて、分割払いです。
※ 物件取得費は公式では実際よりもかなり安く概算されていることが多いため、実際的な費用に差し替えています。(敷金礼金で約6ヶ月分+紹介手数料1ヶ月+初月1ヵ月分で計算)
SSS進学教室は家賃10万円、I個別指導学院は20万円、M光義塾は25万円程度の家賃を想定しています。
(情報が古い部分もありますので、より正確な数字はきちんとFC本部に問い合わせてください)

これ以外にはじめの1年程度は赤字で経営しなければならないリスクもあります。
当教室の場合は幸いにもすぐに生徒が集まり3ヶ月程度で黒字転換できましたが、必ずしもそううまくいくわけではありません。
ある程度、ランニングに必要なコストはも必要です。



初期費用ロイヤリティ想定生徒数開業時に用意したい費用
SSS進学教室318万円5万円25-30人450万円
M光義塾1220万円売り上げの10%
+α
60-70人1500万円
I個別指導学院912万円売り上げの約10%50-60人1200万円
S陰塾約600万円0万円~3万円25-30人700万円

塾の業態的に、実際に想定している生徒数が見えてきます。
SSS進学教室などは想定している生徒数が少なめになっている分、開業時のコストも低く、少ない生徒数で採算がとりやすくなっています。

たとえば、SSS進学教室は物件も小さめのものが多くなっています。当教室も家賃はかなり安いのですが、当教室よりもさらに安く家賃が7万円程度の物件のところもあるようです。
ただし、家賃を抑えているということは教室のキャパシティも小さいということで、生徒を何百人も集めて大きな利益を出すことは難しくなるわけです。

またロイヤリティにも大きな違いがあります。
SSS進学教室の場合、5万円で固定になっていますが、生徒数が30人くらいの場合の売り上げは月60万円程度になりますので、他のFCと比べて若干安い程度といえるでしょう。

SSS進学教室の新規加盟者向けのパンフレットには、「15人で採算がとれる」とあります。
これは嘘ではありませんが、15人では本当にギリギリです。自分に対してお給料を払うことを考えれば、赤字はでなくても黒字は出せません。
15人程度の生徒数でやっていくなら、開業のリスクなどとらずに、どこかの会社の社員として塾屋さんをやっていた方がマシです。
SSS進学教室の場合、開業コストなどのリスクに見合った利益を出すためには、25人くらいは欲しいところです。
M光義塾の場合は60人、I個別指導学院で50人くらいは確保したいところでしょう。

生徒数が伸びてもロイヤリティが増えませんので、生徒数を想定生徒数以上に伸ばす自身があるなら特にオススメのパッケージであるといえるでしょう。

M光義塾はロイヤリティなどのほかにTVCMのための広告費や、いろいろな費用がこまごまと掛かるそうです。事実上のロイヤリティは10%よりやや高いといえるでしょう。

I個別指導学院に関しては、売り上げの種類によって複雑なロイヤリティ計算になっているのですが全体として約10%くらいと考えれば間違いがありません。

S陰塾の場合はロイヤリティフリーを歌っていますが、パソコンのシステムの利用料金が掛かり、これが事実上のロイヤリティといえるでしょう。はじめの1年はこちらも無料、2~3年目が1万円、4年目以降で3万円となっています。

上記に記した、開業時に用意したい費用は「この費用があれば借り入れなしで安心して開業できる元手」だと考えてくれればよいと思います。
もっとも、多くの場合はある程度は借り入れを行って開校するのが普通なのだそうで、M光義塾の資料によれば、開業者の自己資金の平均は800万円程度だそうです。つまり費用の約半分は借り入れを行っているということですね。

日本政策金融公庫(国金=こっきん)というものがあります。
国が低い金利で費用を融資してくれます。私は全額自己資金で開業しましたが、1000万円程度までほぼ無条件で低金利の借り入れができます。
ただし、ランニングコストなどは借り入れができません。実際に掛かる加盟金や設備費などしか借り入れできませんので、残りの費用は自己資金で用意するか銀行等から借り入れる必要があります。
SSS進学教室の場合は、上の表の初期費用318万円はちょっとばかり面倒な書類を記入するだけで国金で借り入れできますが、100万円~200万円程度のランニングコストは自己資金などで用意する必要があるわけです。
逆にいえば、どのFCでも自己資金100万円~200万円程度を用意することができるなら開校できるという理屈にはなりますが、借り入れ金額が大きくなれば、金利が低い昨今とはいえ利子も馬鹿にならない負担になります。

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