2019年2月24日日曜日

子どもの平均的な学力を決める要因

先日、都道府県別の合計特殊出生率の統計資料を見ていたところ、当道府県別の学力ランキングに相関があるっぽいことに気付きました。
そこで、いろいろと統計データをもとに計算してみました。

まず、
全国学力テスト小学生正答率
全国学力テスト中学生正答率

「全国学力テスト小学生正答率-全国学力テスト中学生正答率」の相関係数
→ 0.589

当然ですが、強い正の相関があります。
小学生の成績が良ければ、中学生も良いということです。
愛知県のランキングは、47都道府県中で小学生が46位に対して中学生が8位と好成績なのは、愛知県は中学受験の競争がゆるい反面、高校受験の競争が激しい地域性によるのでしょう。
愛知県は全国でも唯一の複合選抜を採用している都道府県で、複合選抜の制度上競争が激しくなる特徴があります。そのため、中学生が他の都道府県の生徒よりもしっかり勉強をする必要があります。

さて、学力テストとのその他の相関を見てみます

中学受験率 との相関係数
学力テスト小学生正答率ー0.012
学力テスト中学生正答率0.212
中学受験については、負の相関があります。
つまり、中学受験を行い、私立中学などに行く方が学力が下がるということです。
小学生ではほぼ相関がないといって良いですが、特に中学生ではやや強い負の相関になるのは、私立中学の生徒の多くは中高一貫で高校に入学できるため高校受験勉強をあまり行わなくなるからだと推測されます。
私立中学を選ばせる保護者の多くが「子供に勉強漬けの灰色の青春は送らせたくない」と言います。
子ども勉強させた方が、学力が上がるという当たり前の真実です。
個人的には中学受験の勉強もさせつつ、中高一貫校は避けて高校入試もしっかり行うが最強だと思っています。

ただ中学生の学力で負の相関となるのは予想通りでしたが、小学生でもわずかとはいえ負の側に振れていたのは意外ですね。これは学力テストが中学受験の問題とは方向性が大きく違うという点を考慮すべきかもしれません。

合計特殊出生率 との相関係数
学力テスト小学生正答率0.057
学力テスト中学生正答率0.325
小学生は誤差の範囲ですが、中学生についてははっきりとした負の相関があります。
つまり、子供が少ないほど学力が高くなるということです。
おそらくですが、子供が少ない方が子供一人あたりに対し労力や費用が掛けられる点、保護者が高学歴層であるほど家族計画が慎重で子供が少ないことが原因になってるのではないでしょうか。
少子化が社会問題になっている昨今、あまり堂々と発表しずらい統計結果です。

今回、この記事のもととなる計算をしようと思ったのは、この結果が想像されたからでした。


部活動参加率 との相関係数
学力テスト小学生正答率0.314
学力テスト中学生正答率0.499

長時間部活率 との相関係数
学力テスト小学生正答率0.042
学力テスト中学生正答率0.098

運動部参加率 との相関係数
学力テスト小学生正答率0.185
学力テスト中学生正答率0.267

文化部参加率 との相関係数
学力テスト小学生正答率0.258
学力テスト中学生正答率0.411
部活動についても面白い結果がでました。ただし、部活動参加率の数字は中学生のものを仕様していますので、小学生の学力テストとの相関は参考程度です。
つまり、部活動は参加した方が学力は上がるけれども、長時間の厳しい部活動はマイナス効果ということです。
勉強というのは机の上の勉強だけでなく、部活動といった日常的な活動からも学ぶことは多いということでしょう。
運動部よりは、文化部に参加した方が学力は上がりやすいようです。
自然な結果のように思えます。
運動部ですとあまり練習がキツすぎたり、毎日朝練があるような子は塾生でも成績が上がりにくい子が多くなってしまいます。ほどほどにがんばってもらいたいものです。


県民所得 との相関係数
学力テスト小学生正答率0.142
学力テスト中学生正答率0.377

子育て世帯収入 との相関係数
学力テスト小学生正答率0.062
学力テスト中学生正答率0.500
所得や子育て世帯収入と学力は正の相関があります。
つまり、収入や所得は高い方が学力が高い子どもを育てやすいということでしょう。
とくに中学生に上がってからの方が大きな差が出ています。
これは学力が高い世帯が多いから、収入や所得が高くなりやすいという因果が逆転している可能性もありでしょう。


小学生朝食摂取率中学生朝食摂取率 との相関係数
学力テスト小学生正答率0.222
学力テスト中学生正答率0.387
朝食の摂取率と学力は正の相関があります。
つまり、朝ごはんはちゃんと食べた方が勉強がはかどるということです。


小学生読書率中学生読書率 との相関係数
学力テスト小学生正答率0.034
学力テスト中学生正答率0.177

小学生宿題実施率中学生宿題実施率 との相関係数
学力テスト小学生正答率0.027
学力テスト中学生正答率0.463
読書率や宿題実施率と学力は正の相関があります。
特に小学生の間は誤差を疑う程度にプラスになっているだけですが、中学生にははっきりとした相関があります。
つまり、読書や勉強の積み重ねは学年が上がるにつれて大きな差になってあらわれるということでしょう。


小学生スマホ率中学生スマホ率 との相関係数
学力テスト小学生正答率0.278
学力テスト中学生正答率0.165
スマートフォンや携帯の所持率と学力は正の相関があります。
つまり、子どもの学力のためにはスマートフォンや携帯は買い与えない方が良いということです。
とくに低学年のうちに買い与えるのはよろしくないようです。
子供の「勉強もしっかりやるから」は信じるべきではないでしょう。
全国的に子供の低学力化が問題視されていますが、これはゆとり教育の後遺症ばかりではなく、スマートフォンのみならずゲームやパソコン、テレビドラマ、漫画やアニメという娯楽が発達しすぎたというのは大きいのではないのでしょうか。
これらの娯楽は大人がやっても非常に楽しいものばかりで、ついつい耽溺して時間を失ってしまうというのも無理からぬことなのでしょう。
私もこうやってパソコンでお遊びな記事を書いている間に時間が消えていきます(w
ということで、オチもついておあとがよろしいようでここまでとさせてもらいます。

今回の計算には都道府県別統計とランキングで見る県民性の統計情報を利用させていただきました。

0 件のコメント:

コメントを投稿