2016年2月10日水曜日

個別指導学習塾の開校 FC本部の選び方 2/5

さて、いくつかのFC本部があります。どのようなポイントで選ぶべきでしょうか。


① 個別指導FC本部の選ぶポイント その1 採算ライン

塾の建物は立派で、看板はキレイにして、広告はたくさん打って、テレビCMはいれる。
経費はたくさんかけた方が、生徒は多く集まります。
当たり前のことですね。

たとえば、

教室の平均生徒数は、
SSS進学教室 < スクールIE < ITTO個別指導学院 < 明光義塾

となっています。
当教室を出した頃の少し古い数字なので、変化はあると思いますが、当教室を開校した頃は明光義塾さんが平均60名弱くらいの生徒数だったでしょうか。ITTOさんで50名程度ですね。

ただし、経費も同じように増えています。
開業時にかかるイニシャルの費用や、月々の経費を考慮し、余裕をもって経営していくのに必要な生徒数がどれくらいかと考えると、

SSS進学教室 25名
スクールIE 40名
ITTO個別指導学院 45名
明光義塾 55名

およそでいうと、これくらいの差はあるように感じます。
もちろん、教室によって家賃や人件費、地域性は異なりますので確実な数字ではありませんが、大きく外れてはいないでしょう。

また、自動的に教室自体の大きさも、より高いイニシャルコストをかける明光義塾の方が大きくなります。200名教室を作りたいというような大きな野心があるなら、SSS進学教室よりも明光義塾の方が可能性はあります。

しかし、SSS進学教室のようにイニシャルコスト、ランニングコストが低い教室の方が開校のリスクは小さく、少ない生徒数でも十分に採算がとれるようになります。

多塾との競争の都合上、広告力のある大手の方が都会で有利、採算ラインが低いところの方が出店しやすい分だけ田舎で有利という差もあるでしょう。



② 個別指導FC本部の選ぶポイント その2 指導システム

塾なのですから、生徒の成績を上げ、地域評価を上げることのできるシステムでなければなりません。
どのようなシステムの差があるのか、上げてみましょう。

1.講師1名のみる生徒数

SSS進学教室  1:3
スクールIE    1:1 or 1:2
ITTO個別指導学院 1:1 or 1:3
明光義塾 1:3
名学館 1:5
東京個別指導学院 1:2 + 1:4
森塾 1:2
(FC教室によっては、異なる場合もあります)

森塾などは、FC展開はしてませんが、参考までに。

当然、一度に見る生徒数が少なくなれば人件費も上がり、授業料も高くなってしまいます。
もともと個別指導塾が出来たばかりの頃は、1:1のシステムしかありませんでした。それが、時代とともに1:2や1:3の仕組みが出来たというのがあります。

そのため複数のシステムが混在している教室は、昔からある古い本部である場合が多いですね。
どう考えても、システムは一本化した方が効率の良い指導ができます。
システムが複雑にすることは、指導レベルの低下にも繋がりかねません。複数のシステムがあるFCでも、実際の教室運営ではどちらかの方式のみを強く推奨し、事実上一本化しているところも多いでしょう。

また、地域性もあります。
首都圏などの都会部では、働いて貰う講師の確保が難しくなっていることもあり、1:1での運営が難しいというのもあります。反面、西日本などでは1:1の指導が人気だというのもあります。

珍しいところでは、SSS進学教室と同程度の小規模FCですが、名学館というところが1:5での指導を行っていたり、ベネッセ傘下になった東京個別指導学院が進研ゼミのノウハウを利用した1:4の指導を始めています。



2.講習授業の扱い

SSS進学教室のノウハウというのは、実のところ森塾のパクリというところが大きいです。

・ フォレスタシリーズ

というテキストを使って、効率的な指導をします。

また夏期講習などの講習時には通常授業をすべてストップさせて、講習授業のみを行います。
普段の授業は「学校の授業の予習」、講習時の授業は「苦手単元の復習と対策」というように扱う内容を明確に変えています。また、講習時のみ通塾日程を変えています。

この形式のメリットは、
1.テーマにそった学習形式で、生徒により効率的な勉強をしてもらえる
2.より自由な時間帯で通塾できる
3.魅力的な授業が提供できていれば、講習授業の売り上げが上がりやすい

などです。

デメリットは、
1.日程組が面倒である
2.講習を申し込んで貰えないといろいろ困る
3.魅力的な授業が提供できていない場合は、講習授業の売り上げがボロボロになる

という形です。
フォレスタシリーズを利用していない教室でも、比較的新しい教室はこのタイプシステムを利用しているところが多いでしょう。

明光義塾、ITTO個別指導学院など古いタイプの個別指導塾は、「講習授業は通常授業に追加して授業を申し込んで貰う」形式のところが多いです。



3.パソコンでの指導

パソコンやタブレットを利用しての指導を行う塾も増えてきています。

パソコンを使った指導のメリットは、

1.パソコンで生徒の学習状況を管理できる
2.ハイテクっぽくて、集客にアドバンテージがある
3.人件費を抑えられる
4.テナントが小さくてもOK

個人塾にこうしたノウハウを販売している業者は多いですし、「セルモ」や「松蔭」といった比較的加盟金が安いFC本部があります。

ただ、まだまだこうしたハイテクタイプの学習塾が、手強い商売敵になるにはまだ少なくとも10年以上の時間が掛かると私は予想します。

まだまだコンテンツ自体が弱い、ユーザーインターフェイスが洗練されていないというのが大きいと思います。
実際、こうしたハイテク学習塾でもハイテク機器だけでは不十分であるのは明らかであるため、普通の紙のテキストを併用しています。

最近、知人が「松蔭」さんから独立起業を予定していますので、また詳しいところを勉強させてもらいにいきたいと思っています。


4.一斉形式(集団指導)での指導

塾のFCの場合、個別指導が多く募集されていますが、一斉形式での学習塾はほとんどありません。理由ははっきりしてます。

1.一斉形式では生徒は集まらない
2.一斉形式では大手に負ける
3.高い指導能力が要求されるため、開校のハードルが高い

集団塾の指導経験があり、よほど指導に自信があっても避けて通った方が無難ですね。
私もかつて昔ながらの学習塾で黒板を使った指導をしたことがありますが、そうした形式で指導をしようとは思いません。
集団指導では生徒の成績は上がりにくいですしね。

当教室でも、演習重視の受験対策講座などでは、経費を抑えて学習時間を多くとるために集団指導を一部導入していますが、指導の基本は個別指導です。




その他、いろいろな指導形式がありますが、SSS進学教室の指導形式は奇をてらわないスタンダードな指導方法だと言えるでしょう。

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