2013年8月23日金曜日

小学英語における英検の弊害

多くの学習塾、英会話教室では「英検」の取得を大きな目標にしているところが多いです。
生徒に目標を持って貰うことはモチベーションを管理する上で、非常に有用です。

ただし、「英検」を軸とした勉強はあまり英語の勉強としては効率よくありません。
というのは、

・ 英検はパターンで演習するので、きちんと理解していなくても合格点がとれてしまう。
・ 問題の性質上、読み書きの力が付きにくい。

こういった特徴があるため、英検を軸とした勉強というのは、中学英語にはあまり役に立たないのです。
英検で出題される文法の目安としては、

5級 ・・・ 中1程度
4級 ・・・ 中2程度
3級 ・・・ 中3程度

というのが良く知られていますが、中3程度の文法を理解しなければ3級がとれないということはありません。
なんとなく過去問を繰り返し演習するだけでも、英検などはとれてしまいます。
英検は力試しとしては良いですが、英検を取るために特化した勉強というのはあまり効率が良くありませんね。


あともう一つ「英会話」は中学や高校で勉強する「学校英語」とはまったく別物だということは、生徒や保護者にも理解して欲しいと思っています。
英会話教室などで「文法も教えています」と言っているところもありますが、私が知る限りではちゃんとは教えていないところが多いように思えます。


特に印象的であった生徒がいます。
以前、別の地域で教えていたときに出会った生徒なのですが、その生徒は小学校低学年から小学6年まで英会話塾で英語を勉強し、英検も4級を取得していました。中1に進学するのにあわせて、私の働く塾で預かることになった生徒でした。
英会話塾で文法も教えてもらっていたという触れ込みだったのですが、

「先生、You と are のどっちが『あなた』なの?」

と質問を受けました。
何年も英会話を学び、英検の4級を取得してもその程度の理解なのですよね。教えてもらっていたという文法とはなんだったのかと愕然としたのを覚えています。
裏を返せば、その程度の理解でも英検なんてとれてしまうということでもあります。
これは極端な例ですし、中には英会話の勉強で上手くいくという生徒もいるのかもしれません。

ですが、当塾としては、小学生のうちから英語の授業を受けてもらう生徒には「全員に、中学入学の時点で大きなアドバンテージを手に入れてもらいたい」と思っています。
そのため、原則的には小学生にも、中学英語に準じた「読み書き」の勉強をしてもらおうというのが、当教室の方針です。
特に、

・ 文法をきちんと理解してもらう。
・ 単語や英文をしっかり書いてもらう。

以上の2点には力をいれて指導をします。

よく、保護者からは小学何年生くらいから始めたら良いでしょうかと、質問を受けます。
しかし、これはかなり答えるのは難しいです。
進められるペースは生徒によって大きく違いますし、週1の授業なのか週2の授業なのかでも進捗スピードは大きく変わります。
ただし、英語以前にある程度国語を勉強ができていた方が良いと思いますので、小学1~2年生のうちから始める必要性は薄い気がします。早めに始めたとして、3年生~4年生くらいで、あとはできるだけ早く始めたいというところでしょうか。

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