2013年4月16日火曜日

問題集の模範解答

今日の記事はちょっと愚痴になってしまいます。


生徒の1人の通うある高校なのですが、
数学の宿題を「丸写しにしてくる生徒が多い」という理由で、問題集の模範解答を今年からすべて取り上げるという措置をとったそうです。
アホすぎです。生徒ではなく、学校側の対応が。


本来、生徒が通う学校の悪口を言うのは好ましくありません。

生徒の周囲の大人(保護者や塾)が、学校の悪口を言う

生徒が学校の先生のを尊敬しなくなる

生徒が学校の先生のを言うことをきかなくなる

学校の授業を集中して受けなくなる

学力低下

というサイクルになりやすいのです。


けれども、問題集のテキストを取り上げるというのはNGです。
安易で、何の解決にもなりません。
分からなかったときに、問題集を読めない、自分で採点もできないのでは勉強になりません。
自主学習には模範解答(と解説)は必須です。
学習内容が高度になるほど、解説・模範解答が充実している教材ほど高く評価されているのは当然のことです。それを模範解答なしというのは論外すぎです。



当たり前ですけれども、「成績を上げたくない」「悪い成績を取りたい」なんていう生徒はいません。
生徒が答えを丸写しにしてしまうのには理由があるのです。


例えば、

部活動などで忙しくて、本当に時間がない。

生徒が単元を理解できていないので、解けない。

問題集の選択が難しすぎて、解けない。

勉強に対するモチベーションが低く、やる気が無い。


これらは、もっと根本的な解決方法があるでしょう。



部活動などで忙しくて、本当に時間がない。
→ 生徒の学習時間を確保できるように、部活動の活動時間に配慮する。

生徒が単元を理解できていないので、解けない。
→ 授業の方針を改める。分かりやすい授業をする。

問題集の選択が難しすぎて、解けない。
→ より易しい適切なレベルの問題集に変更する。

勉強に対するモチベーションが低く、やる気が無い
→ 勉強する意味や意義を伝え、きちんと生徒のモチベーションを引き出す。



少子化による影響で、多くの高校のレベルは下がっています。
それにも関わらず難しい問題集を買い与えて、難しい定期テストで平均点が30点などという惨事になってしまっている高校も少なくありません。
きちんと生徒を見て、適切な指導をすべきというのは学校も塾も変わらないと思います。
教える側の理想を生徒に無理矢理押しつけようとしても無駄です。


けれど、生徒から模範解答を取り上げて、
「丸写しにするお前らが悪いんだぞ」
などという態度の時代錯誤な高校というのはまだまだ多いようです。

実のところ、学習塾でも同じようなところはないではなくて、だいぶ前になるのですが私が初めてアルバイトをした塾では「生徒が写してくるから」という理由で模範解答を渡していませんでした。あのときは、私が当時の室長と交渉してすぐに改善されましたが、生徒に模範解答を渡さないなんていうのは生徒に自律的に勉強させるつもりがないのと同義でしょう。

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