2013年7月31日水曜日

教え方のテクニック

生徒の成績を上げるために、教え方の上手さは実のところそれほど大切ではないと私は思っています。
大切なのは、生徒の学習状況や進路志望に合わせて、いかにして適切な勉強を適切に行ってもらうかを管理することだと考えています。

それでも、「森田先生の教え方は分かりやすい!」と言って貰えれば、私も嬉しいですし、やっぱり日々どう教えれば分かりやすいかと、上手な教え方を模索してしまったりはします。

私も塾歴はそれなりに長いですし、他の多くの塾や学校の教師がそうであるように、私もいくつかの「分かりやすく教えるためのテクニック」を持っています。
一斉塾で集団授業を行う際には、このあたりの引き出しの数は非常に大切なのですよね。一斉塾では上手な授業をすれば、それだけ生徒の信頼も勝ち取りやすいですし、こうしたテクニックは個別指導の場合よりもずっと重要になってきます。

そうした教え方のテクニックの1つを、今日は数学からちょっとだけ紹介してしまいます。




中学2年生範囲の問題です。
愛知県に限らず入試問題としては、どの都道府県でも良く出題されるタイプの計算問題なので、数学が苦手なタイプの生徒にも確実に解けるようになって欲しい問題ですよね。

ふつう、この問題は次のように解きます。




約分をして計算します。
難問というわけではないので、ほとんどの生徒はこの解き方で問題ありません。

ですが、計算の苦手な生徒にはここでミスをします。
解き方や考え方は分かっても、数字を見落としたり、xやyの数を見落としたり、いろいろな理由で計算ミスをしてしまいます。
この問題は比較的単純ですが、もっと文字の種類が多かったり、次数が高かったりするとミスの可能性が上がります。
(学校や塾で生徒を指導した経験がある人なら、ここで「あるある」と頷いてくれるはずです)

そのミスを無くすために、ミスをしやすい生徒には次のように解いてもらいます。



① まず、係数(数字と正負の符号)だけ約分して計算してもらいます。
② 次に文字は約分せずに、分母と分子のそれぞれで積をとらせます。
③ 最後に文字について約分します。

この計算が手早くかつ正確に暗算でできる生徒は、おそらくこれと同じ手順を脳内で踏んでいると思われます。
本当にちょっとした一手間ですが、この手順で計算して貰うことで、約分の手順は分かっているのに計算ミスを繰り返してしまう生徒の問題は簡単に解決するでしょう。

このあたりの計算の指導で困っている同業者の方には、是非このアプローチを試して貰いたいと思います。

ただし、学校などでの指導方と異なってしまうことは好ましくありませんので、一般的な手順で計算ミスが出ない生徒には教える必要はないでしょう。


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