2015年11月15日日曜日

数学教材 SSSugaku(エスエス数学)(仮) 製作の意図

SSSugaku(エスエス数学)(仮)では、問題は3段階に分かれています。

B問題(Basic) 標準問題の確認(5%)
学校の定期テストレベルの問題


S問題(Special)(55%)
公立高校入試レベルの問題
平均的な公立中学校で4以上を安定的にとれる生徒に挑戦してもらいます


SS問題(SuperSpecial)(40%)
難関私立高校入試レベルの問題・高校数学への架け橋となる問題
平均的な公立中学校で5以上を安定的にとれる生徒に挑戦してもらいます
ページ全体の配色を変えて、区別しやすいようにしてあります



B問題については、大単元ごとに1単元のみの扱いとなっていて、ほとんどがS問題とSS問題に紙面が割かれています。
たとえば、
二次関数の単元では、
B問題 4-0のみ(1単元)
S問題 4-1~4-8(8単元)
SS問題 4-9~4-13(5単元)
という構成です。
(詳細な単元構成については現在編集中のため、変更の可能性は大)

つまり、基礎的な問題や標準レベルの問題はほとんど扱わず、ハイレベル問題を中心とした扱いになっています。

多くの場合、ハイレベルな問題集であっても基礎から順番に扱っているのがほとんどです。そして、そのために紙面が足りず、難問に対する解説が不十分になっています。

SSSugaku(エスエス数学)(仮)では、ページ数の割にはそれほど扱っている問題の種類は多くありません。
ですが、反面、次のような特徴があります。

・ 基礎問題を(ほとんど)扱っていない
・ 解説(WarmUp)が詳細である
・ 類題(Try, ExerciseA, ExerciseB)が豊富である

このため、SSSugaku(エスエス数学)(仮)はこのテキスト単独では簡潔しません。
より基礎的なテキストを併用することが前提となっています。

つまり、個別指導塾においては、成績上位の生徒も他の成績下位の生徒と同様に「フォレスタなどのより基礎的」なテキストで学習をすすめてもらい、それを早く終えた上でSSSugakuでの指導を行います。

これは、個別指導で指導するにあたって、大きなメリットがあると考えます。

まず、

フォレスタなどの個別指導専用教材は成績上位の生徒に対応するように作られていない

ことは、塾で教えている人間であれば、誰もが知っていることです。
フォレスタを作っている森塾(SPRIX)の説明会でも、フォレスタは学習塾の主な顧客となる中間層をターゲットにしていて、上位層や下位層への対応は切り捨てていると公言されています。
フォレスタ以外の類似教材である、スパイラル、KEYステップ、iワークパーソナルも同様でしょう。

ただ、この上位層と下位層をすっぱり切り捨てるという森塾の経営戦略は、森塾の大都市立地型で広い商圏から生徒を集める戦略だからこそ、他塾との住み分けを前提として効果的であるのだと考えられます。
当教室のような郊外型、もっといえば田舎に立地した教室の場合は簡単に切り捨てるのは好ましくありません。

では、成績上位層に対応するためにどうするかというと、

1.成績上位層には初めから、別の難しめのテキストで指導を行う

2.成績上位層には、追加で別の難しめのテキストを用いて指導を行う

ということが考えられます。
たとえば、私が以前教えていた、中萬学院の個別指導部では生徒ひとり一人に異なるテキストでの指導を行っていました。
ただ、これらの指導にははっきりと欠点があります。

1.成績上位層には初めから、別の難しめのテキストで指導を行う
成績上位の生徒と、下位の生徒では使うテキストが違うため、教え方が異なり、講師の負担が大きい。

2.成績上位層には、追加で別の難しめのテキストを用いて指導を行う
2冊以上のテキストのすべての問題を扱うのには時間が足りないため、重複する問題などを省略するなどの指示をする必要があるが、その指示が難しく講師の負担が大きい。

現在、当教室では2.の方法を採択していて、なるべく指導しやすいテキストを選んでいます。
けれども、フォレスタのみで指導するのと比べると負担が大きくなります。

講師の負担を減らすことは大切です。
無駄な負担を減らし、実施してもらうことを限定するからこそ、個別指導の指導の質を一定以上に保てます。
余裕をもって教えられるから、しっかりと教えることができるのです。
この点については、SPRIXのフォレスタの理念に共感するところであります。

フォレスタの紹介ページから、抜粋します。

「どの問題を授業中に解かせ、どの問題を宿題で出すか」
すべての講師が判断できますか?

はい、できるはずはありませんね。
うちの教室は小さい教室ですし、私ががんばればある程度なんとかなります。
けれども、多くの個別指導の教室では教室長ですらキャリアが浅く、十分な判断ができないということが多々あります。(塾業界はブラックなんで、社員の入れ替わりが激しいのですよね・・・)

「生徒のレベルにあった問題を選びにくい」ため、
「やらせなくてもいい問題」をやらせてしまって、
授業が混乱していませんか?

そうならないように管理するのがたいへんなのですよね。
だからこそ、教えやすいテキスト、指示を出しやすいテキストというのが必要になります。

「テストに出ない問題」が載っている教材や、
「テストに出る問題」が載っていない教材のせいで
指導が混乱していませんか?

はい。
SSSugaku(エスエス数学)(仮)はずばり、定期テストに出ない問題が中心です。
高校受験に必要な問題や、高校進学後のアドバンテージになるような問題を扱っています。
定期テストに出ない問題であっても、多くの問題集で扱われている問題というのは、ちゃんとそれが必要な理由があるのです。
ただ、ほとんどの生徒にとっては定期テストを軸とした指導がもっとも効率的です。
定期テストの対策に絞ることで、結果も出しやすく、生徒に自信とやる気を引き出すことに繋がります。だからこそ、当塾でもフォレスタを利用させてもらっています。

SSSugaku(エスエス数学)(仮)では、学校の定期テストは余裕でこなせる、フォレスタではあまりにも物足りないという生徒を対象としています。


SSSugaku(エスエス数学)(仮)では、より高みを目指す生徒を、効率よく、キャリアの浅い講師でも少ない負担で教えられるようにと考えて作られています。
内容的にはどうしても高度になるので指導するのに学力的にはフォレスタよりは高度なものが要求されますが、指導のノウハウ自体はフォレスタ等とほぼ同様でいけるようになっています。
なにせ、紙面構成はフォレストのパク…フォレストをリスペクトしていますので。

というわけで、改めてSSSugaku(エスエス数学)(仮)のメリットですが、

・ 高校入試や高校数学に繋がる高度な内容を教授できるため、成績上位層の満足度を上げることができる

・ フォレスタ等の個別指導教材と併用することで、基礎の学習については成績上位層と下位層でまったく同じ指導でいける

・ 紙面構成がフォレスタのパク…フォレスタのリスペクトなので、同じオペレーションで指導できて講師の負担が少ない

・ S問題、SS問題の区別が明瞭で、どの問題を優先的に扱うかの管理が容易

ついでに、思い当たる難点(デメリット)もあげておきましょう。

・ 教える側にフォレスタ等と比べれば高い学力が要求される
  (ただし、分かりやすい解説のため、他のハイレベルなテキストよりは教えやすい)

・ 演習した問題は定期テストではあまり出題されない
  (どういうテキストなのかという趣旨は、生徒にきちんと説明すべきですね)

・ 製作を私一人が行っているので、作るのが遅い。中学校の指導要綱の変更に迅速な対応ができない。
  (もともと、教科書外の内容も多いので、指導要綱もそう気にするところではないのですが)

・ 発行部数が比較的少数になる見込みなので、定価が割高

さて、まだまだ製作には時間がかかります。
前回作成した体系英語はSSS進学教室の公式HPから購入できるようになっていますが、できればSSSugaku(エスエス数学)(仮)も外販できるレベルにもっていきたいと思います。
体系英語のころと比べ、私自身も編集技術も格段に上がってより良いものが作れるようになったと思っています。また、私自身は完全に理系人間で数学の指導の方が得意なのですよね。
というわけで、完成を乞うご期待。

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