2014年4月24日木曜日

家庭環境と子どもの学力

お金持ちで高学歴ほど子供の成績は良いが、この差は勉強時間でカバーできる
というニュースが話題になっていました。

塾で生徒を見ていて、これは確かに間違いではないのですよね。

学歴と所得には正の相関があります。
あくまで平均ではありますが、最終学歴が高卒の場合と大卒の場合では生涯賃金に5000万円ほどの違いがあるそうです。(参考:年収ラボ

生徒のご両親が学歴が高いと、ご両親は学歴が就業や仕事で大きな有利になることをよく知っています。
逆に、ご両親が学歴が低くてもしっかりと働いて生活している場合は、仕事をする上では学歴よりも大切なことが多くあることを知っているのです。
これは、どちらも正しいのだと思います。

ただ一般的な傾向として、家庭環境、保護者の教育に対する意識の差が、子どもの学力の差となっているのは間違いがないように感じます。
「勉強は重要でない」と考えている家庭では、子どもの成績はなかなか上がりません。

教育な熱心な家庭では、子どもを学習塾に通わせる一方で、熱心でない家庭はほったらかしにしたり、学習塾ではなくスポーツのクラブチームに通わせます。
小学生以前の幼児期でも、熱心な家庭では子どもに絵本を読ませますが、そうでない家庭ではそれを行いません。
学力に差がでるのは当然ですね。

多くの場合、親というのは子どもに自分が歩んで来た道と同じ道を歩ませようとするのだと感じます。
ただ、これはあくまでも一般的な傾向の話です。

教育な熱心な家庭でも子どもがあまりその気にならなかったり、逆に家庭があまり熱心でなくても非常に熱心に勉強する子どもがいたりと、いろいろな子がいます。

以上のような事を踏まえて、生徒の保護者の方たちに私が伝えたいと思っているのは、

子どもにどう育って欲しいのかを伝えることは、大人(保護者や教育者)の義務であるということ。

生徒に勉強をして大学に行って欲しいなら、それをきちんと伝えることです。
また高校を卒業後、はやく親離れをして一人前の大人として独立をして欲しいならそれを伝えることです。
あるいは、どういう道を選んでも良いのだけれど、きちんと将来について考えて欲しいなら、しっかりと話し合ってあげることです。

多くの子どもは、彼らに対して大人が何を期待し、どうして欲しいかを正しく伝えれば、それに応えようとしてくれます。
しかし、言葉にして、きちんと説明しなければ決して伝わりません。

「本人の意志にまかせます」と、放り出すのは教育の義務の放棄にほかなりません。
大人の義務として、子どもの将来はきちんと考えてあげるべきです。

そして、その上で最終的な選択は子どもに委ねてあげること。
また、逆に子どもが無謀な道を選ぼうとしたときは、諭してあげること。

なかなか、子どもというのは大人の思い通りには育ちません。子どもも子どもなりに、意志や考え方を持っています。
その上で大人が期待した道とは異なる道を選ぼうとする子ども一定数います。
そうしたときに、保護者の方々にはできるだけ子どもの背中を押してもらいたいと願います。

そしてまた、矛盾するようではありますが、子どもは子どもですので、現実の世の中について分かっていないために無謀な選択をする場合もあげます。
その場合は、きちんとそれを伝えてあげていくべきです。


塾では進路指導を行っています。
どの高校を卒業すればどういう進路になるのか。そしてどれくらいの成績をとれば、その高校に入ることができるのか。
そういった情報を、生徒や保護者に伝えていくことができます。
けれども、その情報をもとに最終的に進路を選ぶのは、生徒本人と保護者の仕事です。
私は生徒の人生に責任を持とうという気持ちで仕事をしたいと思っています。けれども、本当の意味で生徒の人生に責任を持てるのは、生徒自身とその家族だけなのですよね。

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