2022年1月6日木曜日

英作文対策 (大学受験編)

 先日、高校受験についての英作文対策についての記事をあげましたが、大学受験についてはだいぶ事情が異なります。

一言でいって、大学受験の英作文の対策は「受験する大学の出題傾向によってそれぞれ」としか言いようがありません。まったく英作文の出題がない大学も当然あります。

出題のパターンは、大きくわけて3つくらいに分けて考えます。


1.日本語でも難しいような、複文や重文など文構造がい入り組んだ内容の英作文

例 (京都大学)次の文章を英訳しなさい。

「マイノリティ」という言葉を聞くと、全体のなかの少数者をまず思い浮かべるかもしれない。しかし、マイノリティという概念を数だけの問題にするのは間違いのもとである。人種あるいは宗教のような属性によって定義づけられる集団は,歴史的,文化的な条件によって社会定期弱者になっている場合,マイノリティと呼ばれる。こうした意味で,数としては少なくない集団でもマイノリティとなる。例えば,組織の管理者のほとんどが男性である社会では,女性はマイノリティと考えられる。

例 (東京大学)以下の下線部を英訳せよ。

生きてゆくためにはまず若干の自信を持たなくてはならぬ。しかし自信ばかりで押し切っては、やがていつかは他人を害する立場に立つ。自分たちは,いつも自分たちの信念がある程度までまゆつばのものだということを悟り,かくて初めて寛容の態度を養うことができる。自信と疑問,独善主義と懐古主義の二刀流によって,われわれは世界と渡り合うことにしたい。

2.自由英作文

例 (愛知県立大学)Write a short essay in English (100-150 words) on how good study habits would help your life outside of school.

(訳 良い学習習慣が校外でのあなたがたの生活のどのように役に立つか、100語から150語で簡単なエッセイを書きなさい。)

例 (名古屋大学)The chart below, from2013, displays the results of an international survey on the attitudes of young people. Describe one ore more results that you observe. Compare the date from several different countries. Explain a possible reason for each result that you write about. Write approximately 80-100 words in English.

(訳 2013年の下の表は,若者の姿勢についての国際調査の結果です。資料から読み取った1つ以上の結論について記述し、いくつかの国々のデータを比較し、その結論について考えられる理由を説明しなさい。80~100語の英語で書きなさい。)(※表は省略)

3.高校入試と同様の構文や決まった英語表現で攻略できる英作文

例 (愛知大学)次の和文を英訳せよ

このまま地球の環境が破壊され続けると,人々が住むことができる土地が少なくなる。

例 (同志社大学)本文中の[ ]内の日本語を英語で表現しなさい。

 僕たちできる重要なことの一つは,環境問題と動物の多様性についての意識を高めることだよ。



1.のような入り組んだ文の英作文では、英語力だけではなく、筋道立てて文の構造を考えたり、理解する力が問われています。昔はどの大学でもよく出題されたパターンなのですが、最近では一部の難関大学を除いて出題が減ってきています。いわゆる「学者」だとか「研究者」を目指すような生徒には、必要な技能なのでしょうが、そうでない普通に英語を使えるだけでは良い大多数の学生にとっては不要な技能になるのでしょう。

かつて、大学が一部のインテリだけが通う場所であったのが、今ではサラリーマンとして就職するために誰もが当たり前に得なければならない学歴になったことで、必ずしも問われなくなった部分なのでしょう。


2.のようなパターンの出題はとても増えています。資料や与えられた英語長文を踏まえた上で作文させるパターンもよくあります。意識高い系の出題です。実用英語です。

1.のタイプの問題に代わり、どんどん出題率が増えています。


3.比較的易しい文での英作文は,私立大学での出題が多いです。高校入試英語と同様に、基本的な構文や表現を抑えていくことがポイントです。


また、1.2.3.のそれぞれ中間的な出題の大学もあります。

1のタイプと2のタイプを両方出題する大学も多いようです。

このように、大学によって必要な対策は異なってきます。生徒によって適切な対策をするのに、最適なテキストとして、市販教材の「英作文のトレーニング」というテキストがオススメです。

出題のパターン別になっているのが素晴らしいですね。

こちらはとても解説が詳しく、自分で添削できるようにと作られたテキストではあるのですが、それでもやはり塾や学校の先生から添削を受けたほうが効率良く学習できるでしょう。


・3型向け はじめる編(とても易しい)


・1or3型向け 必修編(やや易しい)


・1型向け 実践編(難しい)


・2型向け 自由英作文編

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