先日、1molはすごく大きな数なのだという記事を上げました。
スケールのとても小さな世界のお話です。
今日は、スケールの大きな話をします。
地球から太陽までの距離は、およそ8光分(=およそ1億5000万キロメートル)です。
これはどれくらいの距離なのでしょうか。
人間は一生のうちで地球1周分(およそ40万キロメートル)の距離を歩くと言われています。つまり、およそ400人の人間が一生涯に歩く距離の合計が太陽までの距離ということになります。
また、こちらはきちんとした統計情報があるわけではないのですが、概算で計算すると車や飛行機も含めて計算すると、人間は一生のうちで地球50周分(およそ2000万キロメートル)の距離を移動します。こちらで計算すれば、太陽までは人間8人分です。
太陽までは案外近く感じられます。
では、太陽系から出て、地球太陽系からもっとも近い恒星系までの距離はどうでしょうか。
もっとも近いケンタウリまでは、およそ4.3光年(約41兆キロメートル)です。
こちらを人間の一生の徒歩での移動距離に換算すると、1億人分です。
人間の一生の車両を含めた移動距離に換算すると、200万人分です。
徒歩の距離で計算しても、日本人全員が協力して歩いた距離を合計すれば、ケンタウリに到着することができるのですね。わりと近いのかもしれません。
ですが、ケンタウリは三重連星の恒星系です。
三重連星のうちαケンタウリとβケンタウリは、地球太陽系の太陽と似たような恒星でとても安定しています。
しかし3番目の小さめの恒星であるプロキシマ・ケンタウリは、活動が安定せずに周期的に爆発的に燃え上がって人体に有害な放射線を発生させるフレア活動が盛んになります。(閃光星)
私たち人類が移り住みやすい環境ではありません。
では、人類が居住可能な惑星を持つ恒星系ではどこがあるでしょうか。有力な候補の一つは、ティーガーデン星です。地球の太陽よりも老齢で、木星と変わらない程度の大きさしかない恒星ですが、ハビタブルゾーン(居住可能な領域)に地球に良くにた惑星を持っています。
このティーガーデン星までの距離は12.5光年と、ケンタウリの3倍程度です。
徒歩でティーガーデン星に到達するには、日本人全員1億人では足りませんが、アメリカ人3億人を動員すれば足りるでしょう。
銀河系の横断を考える場合はどうでしょうか。銀河系の直径は10万光年です。
徒歩での移動距離で考えると、2兆人分以上ですね。
ちょっと桁違いですね。地球人口は100億人くらいで上げ止まると言われていますので、地球が200個必要です。
なお、高校でこうした天文について学びたい場合は、高校理科で「地学」を選択する必要があります。
ただ、地学はほとんどの大学で、受験科目として選択できません。残念なことに地学を学ぶことができる高校はとても少ないです。
以前は、近くでは安城南高校などで教えてもらうことができたようですが、平成31年以降にカリキュラムから外されてしまったようです。
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