2013年9月10日火曜日

自主学ノート

地元の中学校から出される宿題で、自主学ノートといものがあります。

これは、何でも良いからノート1ページの勉強を宿題でやってきましょうという課題です。
これと同様の課題は、呼称こそ様々ですが、多くの中学校で採用されているようです。私が名古屋で教えていたときも、静岡の湖西市で教えていたときも、横浜の杉田で教えていたときも、地元の中学校で同様の宿題を出す中学校がありました。

宿題を出す方としては楽な出し方ですし、生徒に自分で学ぶ力を付けさせるという意味で、とても価値のある課題です。

ですが、実際には、ほとんどの生徒にとってこの課題が十分に真価が発揮できていないのが実情です。

生徒の大半が、やっつけ仕事でこの課題をこなすのです。
例としては……
・ とっくに覚えている英単語を何度も繰り返し書いてページを埋める
・ とっくに覚えている漢字を何度も繰り返し書いてページを埋める
・ 理科や社会の教科書の本文を丸写しにする
・ 意味も分からず理科や社会の教科書の図表を丸写しにする
まったくもって、効率の悪い学習法ですね。
塾に自習に来てこの課題を行う生徒もいるのですが、毎年同じような生徒が数多くいるため、心が痛みます。
中には、カラフルなペンを用いて、時間をかけてきれいにまとめ、学校の先生からは高評価を貰っている生徒などもいますが、内容は大同小異でちゃんと勉強になっていない事は変わりありません。

この記事を読んでもらって、「だったら、正しい勉強方法を指導すればいいじゃないか」と思われるかもしれませんが、事はそう簡単なことではありません。
こういうのは、「生徒の意識を変えて」、さらに生徒に「効率の良い勉強とはどういうものなのか」というのをキチンと理解して貰わなければ根本的に解決はしないのです。
それができてきないで、口先で注意しても口うるさいお小言になっちゃうだけですよね。下手な口出しは逆効果です。
このあたりは授業などを通して、ゆっくりと改善していくしかありません。

自主学ノートが有効活用できていない生徒が数多くいる反面、きちんと活用できている生徒もいます。
たいていの場合は、そういう生徒は成績上位の生徒であることが多いのですが、当教室では現在成績が中位程度の生徒で何人か適切に運用できている生徒がいるというのが嬉しいところです。
自習に来て、塾で問題集を借りて問題を解いたりしてくれます。

「①(1)ア (2)イ (3)エ (4)ウ、エ (5)イ」

この一行を書くだけで、30分は掛かっています。自分で何をやったら良いかを考え、基礎知識を覚え、その上で問題集の演習をしてくれているのです。
この一行から、学校の先生がその努力を読み取るのは難しいでしょうが、間違いなく努力は生徒の力になっています。
さらに嬉しいのは、その様子を見て同じように勉強に来た友達もそれを真似て、勉強方法の効率化がされていることです。

普通、「塾で友達といっしょに勉強する」というのは、あまり好ましいことではありません。
勉強は基本的に自分でやるものであって、友達といっしょになってもお互いに悪い影響を与え合うことの方が多いのです。良い影響をお互いに与えてくれるというのは、とても喜ばしいことですね。

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