2021年11月3日水曜日

基礎と応用

勉強をする上で、「基礎」と「応用」のどちらが大切でしょうか。

生徒にも、「私、何を勉強したら良いか分からない。基礎を勉強した方が良いかな、それとも入試問題とか解いた方が良いのかな」などと質問されることはよくあります。


結論を言うと、「基礎」と「応用」のどちらも大切としか言えません。

ただ勉強をする順番としては、基礎を固めててから応用の順番で勉強するのが常道です。基礎がしっかりできていないのに、応用の練習をするのは良くありません。


○ 基礎 → 応用

✕ 応用 → 基礎


ですので、等塾でも、学力の高い層であっても、基礎を飛ばして応用問題ばかりを演習するということはありません。

力がある生徒でも、最初は基礎から始めて、基礎を他の生徒より早く修了させて、その上で応用的な問題に挑戦していきます。


特に、高校入試では国の方針で、全国的に「思考力・判断力・表現力」を伸ばすという方針があるため、応用的な問題の出題が増えています。

まず基礎を固め、最終的には応用的な問題にまで挑戦していくことが必要になってきます。


また、教科によっても基礎を重視したいか、応用を重視したいかなども多少の差異はあります。

特に英文法の学習では基礎を重視して学んでほしいと考えています。




プロ野球選手では、実際の野球の試合では投手はど真ん中を避けて、内角の高めや外角の高めを中心に配球をするそうです。

しかし、バッターが普段練習する際には、バッティングピッチャーに内角や外角の球を投げさせるのではなく、ど真ん中に投げさせて練習するのだそうです。

これは、まずは基礎となるバッティングフォームをど真ん中のボールで練習する中で作り、その上で中心から外れる球はその応用で打つようにするためです。難しい球ばかりを練習していては、基礎が崩れフォームがめちゃくちゃになってしまいます。

英文法で言うのなら、難しい例外的な語法ばかりを学んでいては、混乱してしまうことに似ているでしょう。


現在形と過去形の基礎時制を学んでから出ないと、現在完了形と過去完了形について、あるいは仮定法過去と仮定法過去完了について十分に学ぶことはできません。

一通りの英文法もまともに見に付けていないのに、「ネクステージ」や「ヴィンテージ」などといったボリューミーな語法のテキストをひたすら繰り返し演習をしている高校生はよく見かけます。

(※「ネクステージ」「ヴィンテージ」は高校生向けの語法を中心とした問題集)

どちらもとても良いテキストではあるのですが、最低限の基礎も身に着けずに演習しては宝の持ち腐れになってしまうテキストでもあります。


どの教科の学習についてもいえることではあるのですが、基礎から応用にかけて、それぞれの生徒の学習段階に応じて、適切な学習内容を選ぶことが効率の良い学習に繋がります。

「基礎」が「応用」より大切であるとか、「応用」が「基礎」より大切とかは言うことはできず、生徒一人ひとりに適切な学習をしていくしかありません。





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