2013年3月22日金曜日

教材マニアックス10「論理エンジン 読解・作文トレーニング」


ひさびさに教材紹介です。

今日は、市販教材です。
先だって紹介した、論理エンジンの低学年版です。主に小学生高学年が対象です。


論理エンジン 読解・作文トレーニング
基本情報
教材名 : 論理エンジン 読解・作文トレーニング 標準
出版社 : 水王社
シリーズ対応教科 : 国語
製本 : B5横組み
特徴 : 論理的思考力を鍛えるためのテキスト

先日紹介した論理エンジンは市販されていませんが、今回紹介の「読解・作文トレーニング」は内容が同じものが市販されています。
塾用のものと、市販のものでは表紙が巻き直されていて違っています。

市販のものは、「4年」「5年」「6年」と学年別になっているのですが、塾用のものは「標準」「上級」「発展」となっていて、学年の異なる生徒にも使いやすくなっています。


例えば、6年生の子に4年と書いてあるテキストを使うのは、生徒本人にやる気をそいでしまう可能性があるので好ましくないですよね。


1.教材の構成

メインの論理エンジンOSのシリーズと比べ、ごくシンプルです。
問題冊子と、シンプルな模範解答だけになります。

2.教材の趣旨

論理エンジンOSのシリーズと同じで、文や文章の構成を論理的に捉えるための技能を訓練しようという趣旨で作られています。そして、その中で論理的に物事を考える訓練に繋がるようにできています。
なので、ただ解けるだけではなく、きちんと解けることが求められるテキストです。

しかし、小学生向けだけあって、OSのシリーズと比べれば求められているレベルはだいぶ低いです。
(とはいっても、小学生向けにしてはかなり高レベル)



3.感想・評価

なんども繰り返し書いていますが、

総合的国語力
① 考える力 (文章を読んで理解し、自分の意見を持つ力)
② 表現する力 (自分の意見や考えを文章にする力)
③ 語彙やレトリック、国語的知識や一般的な知識(常識や別教科の知識を含む)


というものを、私は想定しています。
特に、①の考える力というのは、特に大切です。そこを鍛えるという意味で、論理エンジンのシリーズはオンリーワンの素晴らしいテキストです。
特に、OSのシリーズよりこちらの方がずっと良いと思えるのは、まがりなりにも低学年向けにハードルが低くなっていることです。
内容が易しいだけではなく、テキストの構成をシンプルにして、こだわりの幾つかの部分を切り捨てています。そのため、OSのシリーズよりはだいぶ取り組みやすくなっています。指導上の注意点も少なくなって、例えば指導経験の浅い講師をつけて個別指導用の教材としてつかったり、場合によっては自習用に用いても何とかなりそうな印象があります。

考える力というのは、高学年になってからよりもできるだけ早い段階で身につけるにこしたことはありません。
それさえ身につけてしまえば、論理エンジンのような特別なテキストを使わなくても、普通の国語の読解問題を演習するだけでも十分な演習になるでしょう。
そういう意味でも、このテキストはOSシリーズ以上に良いテキストです。
本来は市販版の見出しにもあるとおり小学4年~6年生向けという扱いなのでしょうが、国語がやや苦手な中学生向けにしてもとても良いテキストのように感じます。

ただ、国語が苦手な生徒というのは他の教科も苦手であることが多く、そちらの教科の方が気になってなかなか国語まで手が回らないことが多いのが実情です。
実際に教室で用いるには、国語が苦手な中学生よりは少し上位を狙っていきたい小学生に使うことの方が多くなりそうです。


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