2013年11月14日木曜日

飽和水蒸気量と加湿器

先だって、教室で加湿器の利用を開始したという記事を先だってアップしたところですが、中学2年生がもうしばらくすると気候の勉強に入ります。ここで、飽和水蒸気量と湿度についての勉強が始まります。

室内でもっとも快適な温度は、

気温 25度くらい
湿度 50%くらい

だそうです。
このあたりを目標に、冷暖房を設定します。

ここで、気象庁のHPに行って、冬の平均気温と湿度を確認します。
この近くでデータがあるのは、名古屋市です。

例えば、名古屋市の2012年の1月のデータを見ると、

平均気温 4.2度
平均湿度 65%

です。
気温はともかく、湿度は高いじゃないかと思った方は、中2の理科を勉強しなおしましょう。

ここで、飽和水蒸気量を確認すると、気温4度の飽和水蒸気量は6.3グラムです。ですので、湿度65%での水蒸気量は1立方メートルあたり4.1gになります。

詳しくは以下にグラフと、グラフ作成に使ったエクセルファイルを貼り付けておきますので参考にしてください。















飽和水蒸気量のグラフ(エクセル形式ファイル)


つまり、

●冬の平均的大気
平均気温 4.2度
平均湿度 65%
飽和水蒸気量 6.3g
実際の水蒸気量 4.1g

ここで、理想の気温と湿度の場合を見てみましょう。

●理想の室内環境
気温 25度くらい
湿度 50%くらい
飽和水蒸気量 23g
実際の水蒸気量 11.5g

これをもとに、冬の平均的な空気を暖房をつけて25度まで暖めた湿度を計算すると、

4.1÷23=約17.8%

●冬に暖房をかけただけの環境
平均気温 25度
平均湿度 17.8%
飽和水蒸気量 23g
実際の水蒸気量 4.1g

となります。湿度はたったの17.8%になっちゃうのですよね。
空気が乾燥しているというのは、そういうことです。
これでは、乾燥を好むインフルエンザウイルスも元気百倍です。

さて、理想の室内環境と暖房をかけただけの環境を比べた場合、水蒸気量に7.4グラム(11.5-4.1)の差があります。
これは、我が教室の場合ではどれくらいの差になるのでしょうか。

SSS進学教室西尾教室は、横6メートル縦7メートル高さ5メートル弱というくらいでしょうか。
体積にして、200立方メートルです。

1立方メートルあたりの水蒸気量の不足分が、7.4グラムなので不足している水蒸気量の総量は、

7.4×200=約1500グラム

不足分1500グラム

です。
ちなみに、当教室で使っている加湿器の加湿能力は、

1400ml/1時間=1400g/1時間 (水の比重は1mlで1g)
※ FE-14KFW(パナソニック製・気化式)

です。
公称値を信じるならば、約1時間で水蒸気の不足分を補ってくれます
ただし気化式の加湿器は、消費電力が安い、衛生的などのメリットがある反面、加湿能力はやや弱いようです。スチーム式の場合は公称値の数字がほぼ正確な数字である一方で、気化式の場合は実際の加湿能力は公称値の50%~70%くらいに見積もった方が良いそうです。
そのあたりを考慮しても、約2時間あれば補ってくれる計算です。

とはいえ、実際には教室の空気は玄関などから絶えず出入りしているわけで、常に加湿器にはフル稼働してもらうことになるのですけれども。

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さて、中学2年生で勉強した湿度の勉強は日常生活にリンクしていますよね。

小学校から高校までの勉強というのは、きちんと勉強すれば、すべてが日常生活とリンクしているのですよね。
数学も英語も、理科も社会も、すべて日常にリンクしたものばかりです。
学習の中で、こういった事を考えられるようだと、勉強というのは本当に面白いのです。
勉強が分からなくなって、学校の授業についていくのが精一杯というような状態になってしまうと、こうした学習の面白さがまったく無くなってしまいます。
学校の勉強には余裕を持ってついていけるようにすることは、勉強の楽しさ、ひいては人生の豊かさに繋がるように思えます。

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