今は相似を勉強していて、この次に三平方の定理を学びます。
愛知県の高校入試では、相似や三平方の単元では、難しめの問題もかなり高いウエイトで出題されます。
中3生は受験対策をしていかなければなりませんので、特に易しい問題だけでなく難しめの問題に挑戦していかなくてはならない中上位の高校を狙う生徒はふだんより少しだけ早めに予習をしていきます。
さて、この三平方の定理なのですが、応用すると何かと面白いのです。
例えば、特殊相対性理論です。
相対性理論というのは、アルバートアインシュタインというドイツ系の学者が発見した運動力学を中心とした物理理論です。空間と時間をまとめて取り扱って、時空間という概念を取り入れて体系化したところに特徴があります。
この相対性理論が説明する物理現象で、もっとも分かりやすく面白いものに、、
「光速に近い速度で動く物体は、周囲よりも時計の進みが遅くなる」
というものがあります。
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例えば、地上にマリオとルイージという同い年の双子の兄弟がいたとします。
ルイージが光速に近い速度の出る宇宙船に乗って、3年ほど宇宙旅行に出かけたとします。
そして、3年が経ってルイージが地球に戻ってくると、地球では何十年も時間が経っており、ルイージは若いままなのにマリオはよぼよぼのおじいさんになっていたのです。
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以上のようなことが、本当に起こります。
実験でもはっきりと確認されています。これがいわゆるウラシマ効果というやつです。
少しばかり専門的な言葉を使えば、ローレンツ収縮といいます。
実はこのローレンツ収縮なのですが「三平方の定理」を用いて説明できちゃうんですよね。
正確には、平方根や文字式の計算も使いますが、いずれにせよ中3までの数学で余裕で計算できちゃうんです。
(ほんとはちゃんと時空間を扱った説明には、行列とかが必要なのですが)
こんなSFじみたビックリ現象が、中学レベルの計算で分かっちゃうんですよね。
私も中学時代にこれを知って、わくわくしたのもです。
この楽しさを分かって欲しくて生徒に教えたくて仕方のないところですが、受験生は受験勉強で忙しいので教える機会がありません。そこが一番残念なところです。
さて、ここからが説明です。
題して、「サルでも分かるとは言わないけれど、中3生に分かる相対性理論」です。
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サルでも分かるとは言わないけれど
中3生に分かる相対性理論
中3生に分かる相対性理論
まず、前提条件として、次の仮定を実験で分かる事実として認めてください。
1.光の速さは誰にとっても等しく、有限であること
(光速度普遍の原理)
これだけ認めて貰えば、あとは計算の問題です。
分かりやすく説明するために、UFOが地上と平行に移動している様子を考えましょう。
上の図のように、地上から懐中電灯で合図を送ります。
そして、UFOは鏡で光を反射させて地上に返します。
このとき、
光の速さ(秒速30万キロ)=c
地上にある時計で光がUFOまで入って戻るのにかかる片道の時間=t
と置きます。すると、
地上からUFOまでの距離=c(速さ)×t(時間)=ct
と書けます。
ここで、ポイントになるのはtは地上の時計で計った時間で、UFOにある時計では別の時間があるということです。
実は、上の図は地上からの視点で見た図です。
改めて同じ出来事をUFOの立場から見てみます。
右から左に動いているUFOから見ると、地上は左から右に動いて見えます。(ガリレオの相対性原理)
ここで、
UFOの移動速度=v
UFOにある時計で光がUFOまで入って戻るのにかかる片道の時間=T
と置きます。
すると、今度は、
二等辺三角形の長さの等しい2辺の距離=cT
底辺=2vT
と書けます。
よりシンプルな図で書くと、
ここまで書ければ、あとは計算です。
根号や二乗があるので、画像で貼ります。
こうして求められたのが、時間がどれくらい収縮してしまうのかを示す式です。
4行ですね。数学がちょっと得意な生徒なら、中3生で十分に計算できます。
この計算式が何を意味しているかというと、
動いている人(UFO)から見ると、止まっている人(地上)の時間が経つのが遅く感じられる
ということです。
例えば、宇宙船が光の70%くらいの速度で移動した場合です。
v = 0.7c
と書けます。
これを上の式に代入して、計算すると、
T = 1.4t
になります。これによって、時間がおよそ1.4分の1に収縮していることが分かります。
これが光速の70%なのでこの程度です。
これが光速の99%を超えるいわゆる亜光速になったりすると、とんでもないことになります。
電卓で計算してみて下さい。
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ちなみに、イラストは私が自分で書きました(笑)
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