2013年12月9日月曜日

教材マニアクス「高校生編2」高校フォレスタ

塾で使用する問題集を選ぶとき、何を大切にするかという事があります。

重要(上ほど重要)
・ 生徒が理解しやすいこと
・ 基礎的な教材であること
・ 教えやすいこと
・ 問題が十分に絞り込まれていること
・ 問題の質が高いこと
重要でない(下ほど重要でない)
・ 問題量が豊富であること
・ 応用的な教材であること
マイナス要因

私は以上のように考えています。
「塾での指導」に用いることに限定して、問題量が豊富であることはマイナス要因です。
特に、小中学生以上に高校生は、「学習量が多く、塾の授業ですべてを扱うのは不可能」です。
そのため、大切なのは「さまざまな問題に対応するための、基礎的な理解を体系的に分かりやすく伝えること」になってくるからです。
生徒には塾で、もっとも大切な部分をしっかりと理解してもらうことができれば、そこを起点にさまざまな応用問題に挑戦して貰うことができます。
(どの程度のレベルまで挑戦できるかは、生徒次第になりますが)
高校生は、高校でもたくさんの課題が課されますし、高校から与えられる問題集も非常に問題量が多いのが普通です。多くの演習問題というのは、そこで練習して貰えれば良いのです。
浪人生を扱う予備校などは事情が異なるのでしょうが、現役生を指導する場合は、小中学生にとって以上に学習塾は「脇役」なのです。


生徒が学習する上では、

・ 基礎はとても大切

・ 応用もとても大切

基礎も応用もどちらも同じくらい大切です。特にレベルの高い大学を志望する生徒は、応用にウエイトが増えることは当然です。
ですが、塾での指導はそれでも基礎に力をいれるべきなのです。
応用的な部分については、分からないところを教える程度で十分なのです。むしろ、応用というのは自分で考えるからこそ身につく部分が大きく、問題ごとの応用的なテクニックを教えてもたいした価値はないのですよね。


以上のようなことを踏まえて、今回紹介する「高校フォレスタ」は、非常に優れたテキストです。



高校フォレスタ

基本情報
教材名 : フォレスタ
出版社 : SPRIX
シリーズ対応教科 : 数学ⅠⅡAB・英文法、英語構文
製本 : A4
特徴 : 高校の授業の予習用の個別教材


1.教材の構成

本誌
 ・ レベルチェックテスト(巻頭)
 ・ 本編
   ウォームアップ   トライ
   エクササイズ
クリアテスト
別冊解答



まずは数学です。数Ⅲがないのが本当に残念です。
あと、物理化学なども需要が高いので作ってもらいたいところです。

中学生向けのフォレスタと同じ、ウォームアップ、トライ、エクササイズの構成です。
3ステップなのですが、ステップが上がっても問題のレベルがほとんど上がらないところがフォレスタシリーズの良いところですね。
この3ステップ構造は「チャート式」などを参考にして作っているのでしょうね。
チャート式のように、ウォームアップは解き方を見ながら、講師に教えて貰いながら解くというのが基本になります。
チャート式と異なる点は、
・ 塾での指導用に問題が非常に絞り込まれている点
・ 白チャートよりさらに易しい
・ チャート式は2ステップだけれども、宿題用のエクセサイズがあるので3ステップ
です。
また、中学生向けと異なり、2色特色刷りではありません。
また、その他多くの問題集にあるような「まとめテスト」「単元のまとめ」などは付属しないシンプルな構成です。このあたりは中学生向けフォレスタと同じです。


巻頭にはレベルチェックテストが付いています。復習で使用する場合には、こちらの問題でチェックして出来なかったところだけ授業をするという利用方法ができます。

このレベルチェックテストや、別冊のクリアテストはウォームアップやトライの問題の使い回しなのですよね。まったく同じ問題です。
森塾の方いわく
「数字が違うだけでも、生徒は間違えてしまうので、わざとまったく同じ問題にしてある」
とのことですが、いくらなんでも生徒をナメすぎです。特に高校生相手は。
問題作成の手抜きとしか思えません。数字だけ変えた問題などを載せて欲しいものです。
正直、ちょっとだけ残念なところです。



クリアテストは別冊です。
はがれやすい別冊は私は好きではないのですが。


解答は解説少なめのシンプルなものです。
解説するほど難しい問題は載ってないともいえます。ウォームアップがそのまま解説になるということですね。



英語もテキストの構成は数学とほぼ同じです。
「英文法」の方で紹介していきます。



ウォームアップ、トライ、エクセサイズの3段構成です。
英文法にはトライBという、ちょっとしたまとめ的な単元がある場合があります。



レベルチェックテストです。


クリアテストです。



解答です。



「英語構文」です。
ページ構成はほぼ同じですが、よりスモールステップになっています。

当教室では、英文法を中心に扱っていますが、英語構文もなかなか良いテキストですね。
今までは英文法が終了した生徒は別のテキストに移っていましたが、生徒によっては英語構文も使っていこうと思います。
英文法と比べ、英語構文はページ数が多いのですが、構文ごとの単現構成のためスモールステップで易しく、英文法が一通り入っている生徒なら、短期間で終えることができるでしょうね。

長文対策や、大学別の受験対策に入る前に、一度扱っておきたいテキストです。

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