2015年12月16日水曜日

塾の経営について

中土井鉄信氏という、学習塾の経営コンサルティングをなされている方のメルマガを購読しています。

中土井氏のコンサルティング会社 MBA のHP

経営コンサルティングの方だけあって、教育者というより経営者というタイプの方ではありますが、学ぶべきことは多くあります。
メールマガジンでは、それほど深く掘り下げてはくれないのですが、とてもためになる記事も多くあります。塾で働いている人間には、登録がお勧めです。


先日、そのメルマガの中で、中土井氏が塾経営で気を付けることを5つ上げられていましたが、塾経営のコンサルタントを仕事にするだけあって実に的確な指摘です。

★自分の思いをそのまま顧客にぶつけない
★ビジネスを切り捨てない(教育を切り捨てない)
★保護者を無視しない
★近隣を無視しない
★学ばない

以上、5つですが、所感を順番にあげます。

★自分の思いをそのまま顧客にぶつけない

気持ちだけでは塾経営ができないということです。
生徒を導きたいという、こう教えたい、というだけでは塾は成り立ちませんし、生徒も付いて来ません。
中土井氏は「その思いをどういう風に表現すればよいのか、その思いをどう具体的にするのかを徹底的に考えること」が大切だと言っています。

・ どう指導するか
・ どのような形で生徒に授業を受けさせるのか
 等々

具体的なノウハウがしっかりできていないとダメだということです。

個人塾などの学習塾は開業したものの、多くの塾が生徒を集められないまま廃業していくケースがかなり多いです。
その多くが、私からみても教えるためのノウハウ、経営のためのノウハウが足りないために必然的に失敗しているように思えます。
しっかりとノウハウがあり、十分な準備ができている場合はそうそう経営に失敗することはありません。


★ビジネスを切り捨てない(教育を切り捨てない)

「経営として塾を考えなければダメ!経営は、ボランティアではないから、どこまでが料金が発生して、どこからが無料の付加価値の部分なのか、しっかり区別をすることだ。そうしな
いと、生徒や保護者の犠牲になってしまって、結局は、塾経営が長く続かなくなってしまう。」
これが中土井氏の言葉です。

ときどき、無料サービスの多すぎる塾を見かけます。
志は良いのですが、そういう塾は破綻しやすいでしょう。

無料サービスは、サービスの質の低下を招きます。
生徒は「無料だから」という軽い気持ちで受講することになります。授業や指導の質よりも、無料であることや費用を抑えることを重視した質の低い生徒ばかりが集まるようになります。
そうなると、塾から「真剣に勉強しよう」という空気が消えてしまいます。
生徒の質が下がれば、塾の質も下がります。

私は講習や授業を受ける生徒に言います。
「講習の授業は1時間で君の1ヵ月分のおこずかいくらいの費用がかかってるんだぜ」
と。

生徒には、しっかり勉強してもらい、元を取って貰いたいものです。

有料だからこそ、生徒も本気で指導を受けるし、教室の質が保たれるという部分があります。
塾の仕事は「生徒や保護者に阿る」ことではありません。
「生徒を導き、生徒や保護者の期待に応える」ことが仕事です。
もっと言えば、「生徒の成績を上げること」これに尽きます。
そのためには教室の質を厳しく保持していかなくてはなりません。

テスト前対策の「定期テスト対策 ミニテスト」や「自習部」など、当塾では無料でのサービスももちろん多く行っていますが、有料の部分と無料の部分はきっちり線を引かなければなりません。

そうでないと、教室が崩壊してしまうでしょう。
以前、会社員として働いていたときに、教室担当者がそのあたりを理解していないことが原因で崩壊して取り返しのつかないところにきてしまった教室をいくつか見てきました。
そんな教室を出してしまったことは会社にとっても痛手ですが、そこに通う生徒はもっと不幸です。
学習塾というのは生徒の人生の一部を請け負っているのですから、責任をもった教室運営を行わなければなりません。


★保護者を無視しない

「生徒が直接顧客、保護者が間接顧客なのです。両方の顧客に関心を示すことが重要なこと。」
と中土井氏は言います。
具体的には、顧客である保護者に対して電話営業をして信頼を勝ち取るように薦めます。

ここは、私が十分にはできてないところです。
電話営業めんどくさいです。手が足りません。

定期的な保護者面談(希望者のみ)や保護者向けの進路説明会などを実施していきますが、それで精一杯です。
このあたりの営業努力が足りないところは、私の限界なのでしょう。


★近隣を無視しない

「教室の近所の方々と情報交換をし、極力自分の塾のファンになってもらう。」

これも私は何にもやってませんね。
ほんとうに塾経営で成功している方々が、このあたりの努力を怠らないのは分かっているのですけど。
地域の行事ごとに出たり、生徒の学校行事に参加したりなどなど。やった方がいいことは分かりますが、つい教室に引き籠もってしまっています;;


★学ばない

多くの塾経営者が、
「自塾のあるマーケットの競合塾の研究をしない」
「業界のことや教育のこと、経営のことについて学ばない」
という欠点があると、中土井氏は指摘します。

実際に多くの学習塾が、自分の思い込みでの素人経営、素人指導を行っているという現実があります。
以前私が独立する前には、会社員として教室の運営を行っていました。
同じ会社の社員の中にも、何も考えず何も学ばない人と、日々熱心に勉強をする人と大きな差がありましたね。
個人塾や私のようにフランチャイズを利用して起業する者も少なくない業界ですが、起業する者にしても勉強熱心な人とそうでない人の差は大きいです。

私は当教室を開くのにあたって誰よりも研究したという自負がありますが、開校した以降も忙しくても学び続けていくべきでしょう。
また中土井氏のセミナーも聞きに行きたいですね。
いつも、無料セミナーだけうかがうフリーライダーで恐縮なのですけれども。

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