2015年12月7日月曜日

学歴と進路~勉強するとお金になる~3/4

さて、前回の記事で学歴によって、収入の格差が大きいことを説明しました。

高卒の場合と大卒の場合では生涯賃金の期待値は1億5000万円以上の格差が出るのです。

ですが、高卒で働くか、大卒で働くかは高校を卒業するときに選ぶのではありません。
どの高校に進学するかを選択した時点で決まります。

つまり、生涯賃金の期待値1億5000万円の格差は高校選択の時点ですでについているのです。

資料を通して詳しくみてみましょう。

大学別進学率です。
公平を期すために、専門学科は省略して普通科のみをまとめてあります。


● 高校別卒業後の進路(西尾市近郊の普通科)
((括弧内)の数字は一般入試合格者の平均内申点)

4大
国公立
4大
私立
ほか進学浪人就職
刈谷高校
(42.9)
54 %18 %
28 %
西尾高校
(40.5)
42 %40 %3 %15 %
西尾東高校
(33.1)
25 %59 %10 %5 %2 %
碧南高校
(28.5)
6 %64 %10 %5 %2 %
吉良高校
(26.6)
8 %46 %30 %1 %15 %
一色高校
(23.4)
1 %23 %33 %
42 %

たとえば、合格者の平均内申が27以上普通科の高校を卒業すれば、ほぼ100%大学に進学することになります。

高卒と大卒での生涯賃金の期待値に1億5000万円以上の格差があるといっても、大卒であれば何でも有利というわけではありません。
高卒であっても「卒業する高校」によって生涯賃金の期待値は大きく変わりますし、
大卒であれば「卒業する大学」によっても生涯賃金の期待値は大きく変わります。

具体的に言えば、

高卒で就職をするなら「一色高校」や「高浜高校」を卒業するより「鶴城丘高校」や「刈谷工業高校」を卒業する方が有利です。

大学卒業後に就職するなら「一色高校から推薦で下位の私立大学」を卒業するより、「刈谷高校から難関大学」を卒業した方が有利になります。

先だっての生涯賃金についての資料に準じるなら、表に上げたような高校のランクを1ランク上げることができれば、生涯賃金の期待値を数千万円程度上げることができる計算になります。


専門学科など、ここに載せた以外の高校についての資料もありますので、塾生はいつでも聞いてください。


さて、学歴を積み重ねることへの経済的メリットについて説明してきましたが、
次に実際にどれくらいの生徒が高校や大学に進学しているか見てみましょう。


● 大学進学率

197019902010
27.3 %33.4 %56.4 %
6.5 %15.1 %45.2 %
合計
17.1 %24.6 %50.9 %

進学率上がってますね。特に女子の進学率の上昇はめざましいです。
私たちが学生だった頃の倍以上です。

少しわりの良い仕事が得たいと思うのなら、大学は卒業していて当たり前という世の中に変わってきているのでしょう。

1世代前には4人に1人が大学進学だったのが、現在では2人に1人が大学に進学している都合になります。


また、高校の進学率ついても見てみましょう。
現在の高校進学率は98%弱という統計がありますが、これには数字のトリックがあります。

実はこの98%という数字は「通信制高校」や「定時制高校」などを含んだ数字なのです。

全日制高校への進学率はおよそ92%になります。
特に、愛知県に限った場合でいえば全日制高校への進学率は90%程度になります。
くわしくは、愛知県の公表している資料を参照してください。

全日制高校に進学できない生徒は、定時制高校や専修学校と同時に通信制高校に入学します。最近では定時制高校への進学は減っていて、専修学校への進学が増えています。このあたりの事情については、過去の記事で何度か触れていますので事情は省略します。

まとめると、

大学以上に進学する生徒     約50%
全日制高校に進学する生徒    約90%
全日制高校に進学できない生徒 約10%

この10%という数字はかなり大きいと考えます。
この数字を生徒に説明すると、多くの子が驚きます。とくに、成績下位10%に入っている生徒や入りそうな生徒は慌てます。
全日制高校に進学するのに成績が足りない生徒の多くが、「自分が普通に高校に進学する未来を疑ってもいない」のです。

成績の不足が未来の可能性を閉ざしてしまうことを、大人は子供たちにきちんと伝えるべきでしょう。

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