2015年12月22日火曜日

分かりやすい授業

私の知人の塾の先生で、次のような名言を持つ方がいます

「たかだか中学生の内容を、難しく説明する方が難しいわ」

です。

その先生が指導力の高い方だからこその、そのセリフだというのもありますが、実のところ教える側からすれば、中学生の学習内容なんて簡単なものです。
まさしく、難しく説明する方が難しいのです。

けれども、実際は、

「中学校の授業が分からない」

「一斉塾に通っていたけど、授業がわかりにくかった」

と言って、入塾説明にやってくる生徒がたくさんいます。

そうした生徒に「分かりやすい」と思ってもらえる指導をするにはどうしたら良いでしょうか。

いくつか、大切なポイントがあると思います。


1.生徒とコミュニケーションを取る

生徒がある単元の授業が「分からない」と感じるときは、多くの場合は本当にその授業が分かりにくいのではなく、その単元の前提となる知識が足りていない場合が多くなっています。

たとえば、小学校内容の分数計算ができない生徒に、分数係数の方程式を理解させようと思っても上手くいきません。

それを解消し、生徒がどこで躓いているのかを判断するために、生徒とのコミュニケーションが必要になります。
生徒の様子を観察し、言葉を交わし、つまずきポイントを探り出すのです。

そのためには生徒との良好な人間関係を築く必要もあります。


2.生徒の苦手を発見する仕組み作り

しかし、実際には生徒は自分でどこが苦手で、何が分かっていないのかが分かっていないことも多くあります。
分かっているつもりで、実際にやってみるとまったく出来ないということもあります。

生徒の苦手をコミュニケーションによって聞き出すのにも限界があるのです。

たとえば、当教室でも利用しているSPRIX社の「フォレスタ ステップ」を利用した指導です。
これは、単元ごとにレベルチェックテストというテストがあり、生徒にテストを受けてもらって出来なかった単元だけ勉強するという効率のよい講習用テキストになります。

こうした仕組みが分かりやすい授業の礎になります。


3.生徒のレベルに合わせた課題設定

生徒ひとり一人、学習のレベルは異なります。
基礎でいっぱいいっぱいになっている生徒に、高度な応用問題を扱ってしまえば、どんなに上手な授業をしても分かりやすいとは思ってもらえません。

問題集の中で、どの問題を選んで生徒にやらせるのか、その見極めが塾の先生の腕の見せ所でもあります。
ただこの見極めはなかなかに難しく、アルバイトやキャリア5年未満の若手社員では失敗することが多くなってしまいます。

当塾では通常の授業で「フォレスタ」を利用しています。
このテキストは難しい問題には印がついていて、生徒のレベルにあわせて問題を選ぶことが簡単にできるようになっています。
フォレスタを利用することで、アルバイト講師の多い個別指導塾でも失敗を起こしにくくなります。

また、当教室の場合は「フォレスタ」では物足りないという生徒のために、さらにワンランク上のテキストも併用していますが、その問題選びについては各講師にまかせず、私が直接管理できるシステムを作っています。


4.教えやすい環境づくり

生徒にとっての「分かりやすさ」は、指導者側の「教えやすさ」でもあります。
余裕をもって指導できるからこそ、分かりやすいと思ってもらえるのですよね。

「フォレスタ・フォレスタステップ」などの教えやすく、生徒本人のレベルに合わせた教材選び、
他の生徒が気にならない個別ブースでの学習
指導システムの統一と徹底、
指導するための事前の準備
生徒が熱心に受講したいと思ってもらうために進路指導

などなど


「分かりやすい指導」をするといのは、簡単なのですが、同時に難しいのです。
「分かりやすい指導」をするための努力は決して怠ってはいけません。

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