2015年12月4日金曜日

学歴と進路~勉強するとお金になる~1/4

学習塾では勉強を教えます。
勉強というのは、しっかりと学ぶことができればそれ自体が面白いものです。

けれども、それとは別に日本の社会で生活の糧を得ていくために、学歴が大きな武器になります

学歴と進路、収入についての統計について見ていきます。


まずは学歴別の職種の変化です。
1970年の統計と、2010年の統計を比較してみましょう。


高卒の場合

1位2位3位4位
1970
34.3%
事務
31.3%
生産工程
17.0%
販売
4.1%
サービス業
2010
44.1%
生産工程
18.5%
サービス業
10.1%
事務
9.8%
販売

大卒の場合

1位2位3位4位
1970
40.3%
専門技術職
31.4%
事務
23.2%
販売

2010
34.0%
専門技術職
32.3%
事務
21.0%
販売
5.6%
サービス

生産工程  …… 工場の作業員・監視員など
事務     …… パソコン事務、電話受け付け、会計管理など
サービス業 …… 介護職員、理容師、調理人、接客業など
販売     …… 小売・卸売業の店員、販売営業など
専門技術職 …… 研究者、製造開発・技術者、パソコン技術者、医師、各種士業、教員など


1世代以上前、私たちの世代では高卒では事務の仕事が多くありました。
今は高卒で働く場合は、「生産工程」や「サービス業」です。
特に愛知県は日本でも有数の工業地帯ですので、生産工程での就業はさらに増えます。
生産工程というのは主に工場の工員です。またサービス業が増えているのは、介護業種の拡大によるものでしょう。

要するに、高卒で働く場合は大多数の生徒は「工場の工員」または「介護サービス」で働くことになるということです。
専門的な仕事に就きたい場合、事務職に就きたい場合は、大学を卒業すべきです。

また、高卒で就業するか、大学まで進学するかは、どの高校に進学するかでほぼ決まってきます。
このあたりについては、後日の記事にゆずります。

ここでは就業についてもう少し詳しく見てみましょう。

地元の大手企業のアイシン精機です。
公表されている求人データをなるべく分かりやすくまとめました。
高卒の場合でも、大卒の場合でも人気の大手企業です。


大卒高卒
応募資格
大学以上を卒業
(新卒・既卒)
高校を卒業
(新卒のみ)
高校に対して求人を行っている場合のみ
職務
採用区分による
技術系/開発、設計、生産技術開発、品質保証
事務系/営業、生産管理、調達、経理、人事
工場作業員
(ライン工)
勤務
部門により異なる
フレックスタイム制あり
本社・研究所の場合8:30~17:30
1日標準労働時間8時間
昼勤と夜勤を1週間交代で行う
・昼勤 8:00~16:50
・夜勤 21:00~翌5:50
(約8時間+昼休1時間)
給与
修士卒 22.5万円
大学卒 20.3万円
+各種手当て・ボーナス
16.45万円
+各種手当て・ボーナス


大卒で働く場合はより多様な仕事があります。
高卒の場合と比べ、勤務時間が明確になっていない分、サービス残業などをしなければならないリスクは高くなってしまうかもしれませんね。このあたりは企業によります。
大企業だからといって、ブラック企業でないとは限りません。また同じ企業内でも、配属部署や上司によって労働環境は大きく変わってしまいます。

またアイシン精機よりも、さらに有名な地元企業にトヨタ自動車があります。
トヨタのような大企業は、原則的に正社員の募集は大卒以上になります。高卒で大企業の社員になりたい場合は次の2通りの道があります。

① 地元企業の「工業系」の高校を優秀な成績(校内2位以内程度)で卒業する
② 期間社員として就業し、実績を認めて貰い正社員に昇級する

の2通りです。
つまり、地元にトヨタの工場が無ければ、高卒ですぐに正社員になるのは不可能なわけです。
またこのトヨタ自動車の場合は、地元の工業系の高校(鶴城丘高校、碧南工業高校、刈谷工業高校)に一律で各2名の求人を行ってくれています。
このあたりは、大企業の地域貢献策の一環なのでしょう。
大企業は中小企業とくらべ、社会的な責任も大きなものが求められています。

さて、次回記事では具体的な給与の格差について見てみましょう。
また塾生は教室により詳しい資料がありますので、興味のある生徒はいつでも聞いてください。

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