大きくまとめると、
高卒での就業 …… 主に工場の工員、介護職などのサービス業
大卒での就業 …… 主に専門技術職、事務職
以上のような進路をとる場合が多くなるという統計でした。
子供には無限の可能性があるといいますが、学歴次第によって次第に可能性は限定されていくのです。
生徒ひとり一人に自分の個性や意志を確認してもらい、自分に最適な進路を選び取ってもらいたいものです。
さて、学歴別の正社員(正規雇用者・サラリーマン)の給与の統計です。
● 正規雇用者(サラリーマン)の生涯賃金
(自営業者や非正規雇用、アルバイトの者は含まない)
中学校卒 | 高卒・専門卒 | 高専・短大卒 | 大卒・院卒 | |
女性
| 1億1000万円 | 1億3000万円 | 1億6000万円 | 2億円 |
男性
| 1億8000万円 (2億1000万円) | 2億円 (2億3000万円) | 2億円 | 2億5000万円 (3億2000万円) |
(括弧内)は退職金こみの数字です。
だいぶ格差がありますが、正社員になれる割合にも大きな格差がありますので、実際の賃金格差はもっと大きくなります。
なお、フリーター(アルバイト)の場合の生涯賃金は5000万円程度なのだそうです。
次に、「就業率」および「学歴別の正社員になれる割合」を見てみます。
● 就業率
(就業する意志のない者は含まない)
(自営業者や非正規雇用、アルバイトの者は含まない)
中学校卒 | 高卒・専門卒 | 高専・短大卒 | 大卒・院卒 | |
就業者
(正社員・ アルバイト など) | 76.8% | 89.4% | 93.7% | 95.1% |
非就業者
(働きたいけど仕事がない人) | 23.2% | 10.6% | 6.3% | 4.9% |
● 学歴別の正社員になれる割合 30歳~34歳 男性
中学校卒 | 高卒 | 専門卒 | 高専短大卒 | 大卒 | 院卒 | |
正規雇用
(正社員) | 33.5% | 56.3% | 68.5% | 64.0% | 82.7% | 84.2% |
非正規雇用
(アルバイト・ 期間工など) | 66.5% | 43.7% | 31.5% | 36.0% | 17.3% | 15.8% |
もちろん、大学や大学院まで卒業しても、働けない人も非正規雇用で働く人もいます。
けれども、その割合は大きくかわります。
高卒の場合は就業率と正社員の割合を合わせて考えると、働き盛りの30代前半であっても正社員で働くことができているのは2人に1人でしかないのです。
なお、高卒であっても、就職希望者は卒業直後の新卒であればほぼ100%の生徒が正社員で就業できます。
これは、一色高校でも、鶴城丘高校でも同じです。
ただ、多くの者が離職するのです。労働条件が厳しいところが多いですので。
生涯雇用制度が崩れた現代にあっては、大卒の場合でも離職する者は多くいます。ただ、再就職をするときに大卒という肩書きが大きくものを言うのです。
まとめてみると、
1.大卒と高卒では仕事の内容が大きく違う
2.大卒の方が仕事を見つけやすい
3.大卒の方が正社員になりやすく、高卒の場合はアルバイトや期間工になりやすい
4.正社員になれた場合でも、大卒の場合と高卒の場合では生涯賃金に大きな格差がある
5.万一、会社を退社した場合、大卒の学歴は再就職が圧倒的に有利
これらをすべて考えると、高卒の場合と大卒の場合では生涯賃金の期待値は1億5000万円以上の格差が出ることになります。
大学への進学に1000万円前後の費用がかかることを考えても、大きな差ですよね。
学歴社会です。
ちなみに、これを大きすぎる差だと憤るべきでしょうか。
答えはノーだと私は思います。
日本以外の多くの国、アメリカや欧州諸国、中国や韓国などのアジア諸国の多くの国々など、他国と比べると日本の学歴による経済格差はこれでもきわめて小さいのです。
大学別、年収ランキングを日本とアメリカで比較します。
1位 | 2位 | 3位 | |
日本
| 729万円 東京大学 | 700万円 一橋大学 | 677万円 京都大学 |
アメリカ
| 1919万円 コーネル大学 | 1730万円 ハーバード大学 | 1570万円 MIT大学 |
アメリカの高学歴の年収はスゴイですよね。
対して、アメリカの低学歴の年収は悲惨なのです。
アメリカが特に酷いという話もありますが、これはむしろ日本の格差が少ないのです。
これは、累進課税やその他社会制度による所得再分配が高度に機能しているため、日本では貧富の差が少なくなっているのです。普通の社会では、学歴による貧富の格差が大きく生じるのが当然のことで、日本では社会制度によってそれを是正しているのです。
ただ貧富の差が小さいというのはとても良いことなのですが、これ以上の平等を求めることは経済の停滞を招きかねません。どうやったところで、これ以上格差を小さくすることは難しいでしょう。
ただ貧富の差が小さいというのはとても良いことなのですが、これ以上の平等を求めることは経済の停滞を招きかねません。どうやったところで、これ以上格差を小さくすることは難しいでしょう。
つまり、現在の時点で高卒と大卒の生涯賃金の期待値は1億5000万円以上ですが、これから先の未来においてはもっと大きくなることも考えられます。
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