2012年10月19日金曜日

教材マニアックス3「文作はかせ 上」

今日は少し特殊な教材を紹介します。

都麦出版と書いて、ツムギ出版と読みます。

非常にユニークで、おもしろい教材をたくさん出版してくれているところです。
年間を通じて5教科かっつり使えるような教材はほとんどないのですが、塾教材界の隙間を狙ってくるような出版社です。

「みるみるわかる数学の要点」
「英語の名人」
「読解はかせ」

など、今日紹介の「文作はかせ」以外にもすばらしいテキストを発表してくれています。






文作はかせ 上
基本情報
教材名 : 文作はかせ上下 
出版社 : 都麦出版
シリーズ対応教科 : 国語
製本 : A4
特徴 : 無学年 小学生低学年~中学生向け




1.ページ構成

ゲーム要素の強い言葉遊びを通じて、楽しく国語力をつけていくのがこのテキストの趣旨です。
ことばでのしりとりや、あいうえお作文などがあります。

1ゲート6ページの構成で、8ゲートまであります。






このテキストの目玉となるのは、ゲートの最後の2ページを作った作文コーナーです。
第一ゲートのタイトルは、
「宇宙人の友だちを紹介しましょう」

生徒が、自分で考えた宇宙人を作文で紹介します。
これは、生徒は本当に喜びます。楽しんで作文の練習ができます。
学校の作文指導というと、読書感想文や思い出作文などたいくつなものばかりで、作文が苦手だという生徒は少なくありません。しかし、作文というのは本来もっと自由で楽しいものなのです。

楽しんで練習するからこそ、「どうやったらもっと面白くなるだろう」「どうやったら分かりやすく書けるだろう」と読み手を意識して試行錯誤ができて、そこで初めて本物の表現力を身につける演習になるのです。
いやいや書いた作文なんて、ただのやっつけ作業にしかなりません。

この課題を通して、生徒が作文の楽しみを感じてもらえれば最高です。
このテキストは低学年から使えるようになっていますが、高い学年の生徒にとってもしっかりとした練習になります。講師の先生も生徒といっしょになって楽しんで挑戦してくれたりします(笑)


















模範解答はシンプルです。
ただ、作文という性質上、はっきりとした答えがあるわけではありません。
指導の上では講師の技倆がとわれるところではあります。





2.内容

以前、国語の指導についての記事で総合的国語力というものについて説明しました。


総合的国語力
① 考える力 (文章を読んで理解し、自分の意見を持つ力)
② 表現する力 (自分の意見や考えを文章にする力)
③ 語彙やレトリック、国語的知識や一般的な知識(常識や別教科の知識を含む)


このテキストは、総合的国語力を、とくに②表現する力を鍛えてくれます。
こういったテキストはレアです。
もちろん、このテキストは教科書に準拠しているわけではないので、これで学校の成績を上げるのは難しいのですが、やっぱり最後は実力がものをいいますのでしっかりと鍛えておきたいところです。

非常にすばらしい教材なのですが、難点もあります。
教材の難点というより、売り出し方の難点ですが。

1.教材のシリーズ構成がメチャクチャ
たとえば、「はかせシリーズ」には、ほかにも「読解はかせ」などがありますが、教材のコンセプトは文作はかせとはまったく異なります。対象年齢も、文作はかせより確実に上です。編集や問題作者も別の人でしょう。
ほかに「英語の名人」と「英文読解の名人」も趣旨や難易度がまったく違っていて、ヒジョーに紛らわしいです。
良いテキストも多いのですが、イマイチなテキストも実際にあります。シリーズ買いすると失敗すること請け合いです。教室で採用の場合には、一冊一冊きちんと確かめてから採用する必要があります。


0 件のコメント:

コメントを投稿