2012年10月26日金曜日

生徒に宿題をやってきてもらうには


「ウチの生徒たちは、まったく宿題をやってこないのですよ」
「こっちは生徒のためを思って宿題を出しているのに、困ったものです」


ときどき、こんな事をおっしゃる塾や学校の先生がいます。



けれど、私はいつもこう思っています。
「生徒が宿題をやってこないのは、宿題を出している先生の責任」



もちろん、生徒ひとり一人が宿題をやって来るかどうかは、生徒個人の問題ではあります。
けれども多くの生徒が宿題をやって来ないというのは、宿題の出し方に問題ありなのです。それを生徒のせいにしてはいけません。

責任をすべて生徒に押し付けようとする教師を見ると、アホちゃうかと正直思っちゃいます。





1.宿題は生徒にあった適切なものか


2.宿題の意義を生徒にきちんと伝えているか


3.宿題をやってきた生徒をちゃんと褒めているか


4.生徒の信頼を得ているか



このあたりが、しっかりできていないようだと、生徒は宿題なんてやってきてくれません。
上述のことが、きちんとできていて生徒のやる気を引き出してあげることができれば、

「塾の宿題なんか、別にやってこなくても直接学校の成績に影響があるわけじゃないし、
 やる意味が無いと思ったなら、別にやって来なくても良いよ」

そう伝えておいても、たいてい生徒は宿題をやってくるものです。



もう少し説明します。



1.宿題は生徒にあった適切なものか

宿題は生徒が解けるものを出すべきです。
分からない問題、考えて解けない問題が多くあると、生徒のやる気ゲージはどんどん下がっていきます。とくに学習習慣がついていない生徒は、解きやすいものを与えてあげましょう。
普通は授業で扱った内容を、授業で扱ったのと同じかそれより易しいレベルの課題で設定するのがスタンダードです。
もちろん、しっかりと学習のペースが掴めている生徒には、深く考えなければ解けないような問題も課してより大きな解ける喜びを提供するの良いと思います。
大切なのは、生徒の状況をきちんと把握し、それに合った量と内容の宿題を出してあげることが大切です。


2.宿題の意義を生徒にきちんと伝えているか

生徒は言われたことを黙々とこなすロボットではありません。なんのためにその宿題を課しているのか、生徒にきちんと伝えてあげましょう。
何のために、宿題をするのか、それをきちんと意識すればモチベーションも上がりますし、勉強の効率もずっと良くなります。社会人だって、何のための仕事か理解できなければ仕事も捗りませし、技能も身についていきませんよね。
なかには他の生徒が宿題をやってこないような状況でも、従順に宿題をやってくるような生徒もいます。けれど、そうした生徒でも宿題の意義を理解して能動的に勉強するのと、イヤイヤ作業として宿題をこなしたのでは成果がまったく違ってきます。
なので、

「一度やっただけでは忘れてしまうから、宿題で同じ問題を繰り返し勉強すると良いんだよ」
「この問題は定期テストで良くでるから、やっておくとお得だよ」
「この問題は学校のテストでは出にくいけど、入試では良くでるんだよね」
「これが解けるようになると、いろんな問題の応用もできるようになるんだ」

こう言ったことは生徒に繰り返し伝えていきます。
繰り返しです。1度言っただけでは、なかなか生徒には伝わりません。何度でも伝えていってあげましょう。


3.宿題をやってきた生徒をちゃんと褒めているか

生徒に限らず、人間は他人に認められることを望んでいます。
宿題をやってきた生徒には、その努力をきちんと評価してあげるべきです。他人に認めてもらえているという実感が、次の努力に繋がるのです。


4.生徒の信頼を得ているか

嫌いな先生の言うことなど聞きたくありません。
「あの先生のこと嫌い」
そう思われてしまったら、もう負けです。そうなったら宿題なんてやってきて貰えませんし、イヤイヤやってきもらっても成果は低くなります。
生徒におもねるべきだと言っているのではありません。生徒と仲良くなるだけではダメなのです。
「この先生の言うことを聞いていたら、成績があがるに違いない」と、思って貰わなければならないのです。それが塾で言うところの信頼です。


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