2012年10月28日日曜日

教材マニアックス6「英語の名人 Ⅰ」


都麦出版の非常にユニークなテキストです。

都麦出版のテキストは「目的別テキスト」とでもいうべき教材が多く、ピンポイントで「かくかくしかじかな生徒に、ほげほげをさせるために使う」というコンセプトがハッキリしています。

塾のメイン教材として採用するのは憚られても、個別指導で生徒にあった教材として利用するにはとても重宝する教材を出版してくれています。

今日紹介する「英語の名人」もそうした目的別教材の1つになります。


英語の名人Ⅰ
基本情報
教材名 : 英語の名人
出版社 : 都麦出版
シリーズ対応教科 : 英Ⅰ~Ⅲ
製本 : B4
特徴 : 基礎文法習得特化型テキスト



1.ページ構成

チャレンジ問題

練習問題

1ページ1テーマの、非常にシンプルなつくりです。
問題のパターンは少なく、問題数も多くありません。


ページ下部に解説がついていて、講師はここを用いて説明できます。
生徒も分からなくなったら、ここを見て演習できます。

新出の難しい単語などは、すべてページの端に訳がついていて、生徒は「新しい単語が分からない!」といったストレスにさらされることなく、文法の習得に集中できます。
もちろん、単語もいっしょに覚えさせたいですけど。

ただし、問題は一見カンタンのように見えて、「きちんと文法を理解できていないと決して解けない」という意外と難しい問題設定になっています。
ただ、なんとなくパターンで解くというのでは難しいのです。

たとえば、単語の並び替え問題では、
「不要な2語の除いて並び替え」「1語を加えて並び替え」などとなっていて、本当に理解していないと解くことはできません。
(そういえば、神奈川県の英語の入試問題にも、このパターンは出ていましたね)

















演習問題自体は少ないといいましたが、別冊の「パワードリル」が付属していて、かなりの演習量になります。問題のレベルは本体と同じですが、こちらは解説ページがついていませんので、こちらで演習してきちんと解ければきちんと理解したといえるでしょう。

















模範解答は、答えのみのシンプルな作りです。
解説はありません。
けれども必要な解説は本体の文法の解説欄で十分ですし、分からないところは塾の先生が指導してあげれば良いのです。参考書と問題集がくっついたタイプの基礎的な教材の場合、模範解答の解説なんて蛇足なんですよね。
本体の解説欄がちゃんとしていれば、模範解答に解説なんて不要です。



2.内容

中学英文法の基礎を短期間にマスターできる、簡単そうで見た目ほどは簡単でないテキストです。

短期間で文法の習得を行うには、これほど良いテキストはありません。
書き込み式としても利用できますが、ノートに繰り返し溶かせる方法が個人的にはお勧めです。
中3になっても、1~2年の文法ができていないなどという生徒に突貫工事で文法を理解させるのにも良いかもしれません。

英語の名人Ⅰ~Ⅲと3冊構成で、それぞれ1~3年生の内容に対応しています。
ただし、英語の名人Ⅲ(3年)だけ少しテキストの構成が違っていて、詳しい紹介は割愛しますが「文法特化型」ではなく、「受験対策」を意識した作りになっています。
ただ、受験問題などは都道府県によって対策すべきところに違いがあるわけで、私はこちらはあまり好きではありません。

また、以前も別の記事で紹介しましたが、都麦出版の教材はシリーズ名が同じでもコンセプトがまるで違うというようなことがよくあります。
「英単語の達人」「英語読解の名人」など、タイトルも表紙も良く似たテキストがありますが、内容はまったく似ていません。対象となる生徒層やコンセプトはまったく違います。
良いテキストも多いのですが、いささか紛らわしいですね。


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